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『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート2 』 - 2013.02.06 Wed


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※【追記アリ】
2月9日に黒井様から追記が届きました。
コメント欄をご覧下さい。


軍事研究家の黒井執斗様による最新軍事情勢レポートの第2弾です!
今回のタイトルは『 開戦前夜は近し 』です。

タイトルのとおり尖閣における日中軍事衝突は、もはや待った無しの状況です。
我が国の目の前に突き付けられた現実なのに、どこかまだ絵空事のように感じてる人も多いのではないでしょうか?
一体何をすればいいのか解らないという人も多いでしょう。

個人で出来る事には限界がありますし、たいした力にはならないかもしれません。
しかし、一人一人の力はたとえ大きくはなくても、無私の志で行動するその一歩一歩は、国家再生という大河の流れを生み出す水源の1滴となります。
因果律、あらゆる事象はその原因となる事象によって発生します。
それらの事象が複合していくことでやがて大きな動きを生み出し、そしてその動きによって国が変わっていきます。
方向性さえ誤らなければ、いかなる地道な活動でも無駄になることなど何一つないと信じております。


それでは黒井執斗様の最新軍事情勢レポートをご熟読下さい。

※第1弾にまだ目を通しておられない方は、ぜひ併せてご覧下さい。
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート1  今、試される日本の覚悟~牙を剥く中国と暴走する北朝鮮~』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-4.html


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開戦前夜は近し
(軍事研究家 / 黒井執斗)

2013年(平成25年)2月5日午後、去る1月30日に海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」が中国人民解放軍海軍フリゲート艦(小型の軍艦)から射撃管制用レーダーの照射を受けた事案が報道されました。
更には遡って同月19日、護衛艦「おおなみ」艦載の汎用ヘリ・シーホーク(SH60)も同様のレーダー照射を受けていたことも報じられ、夜には小野寺防衛相の緊急記者会見が行われ、NHKの9時のニュースでも大きく取り上げられました。

しかしながらお通夜のような雰囲気の中、その内容は「対話と交流」と「冷静な対応」を、との内容に終始していました。更には軍事における情報源と知見をお持ちのはずの方までもが、「射撃管制用レーダーの照射は演習においてはごく当たり前のこと」との見解を示されました。確かに軍事演習においては撃墜・撃沈判定をレーダー照射にて行いますが、これは決して演習ではなく、平時の公海上で行われた決定的な敵対行為です。

あえて申し上げますと、この中国海軍の行動は「戦闘行為」であり「武力行使」であり、既に「宣戦布告」であると言えます。
昨年来、中国公船が尖閣領海を執拗に侵犯する中で航空機による領空侵犯が始まりましたが、その時私は「中国は越えてはいけない一線を越えてしまった」と書きました。ですが今回の事案は「一線」がどうのこうのではなく、「挑発行為」を遙かに超えた「軍事行動」に他なりません。

射撃管制用レーダーは二回、数分にわたって照射されたとの事ですが、これは照準を合わせた、いわゆるロックオン状態であり、あとは引き金を引くなり発射ボタンを押すなりすればいいだけの、即時攻撃の準備が整った最終状態です。
海自護衛艦と中国フリゲート艦の距離は僅か約3kmであったとの事ですから、対艦ミサイルによる攻撃には距離が近すぎます。となれば、艦首に搭載された主砲たる100mm速射砲での攻撃を想定していたと判断して良いでしょう。

かつて、長きに渡り海軍の花形であり決戦兵器であった「戦艦」は競って巨大な主砲を搭載し、敵の主砲が命中してもダメージを受けない分厚い装甲で守られた強固な船体を特徴としました。しかし今やそれは半世紀以上前に過ぎ去った過去のお話です。遙か水平線の彼方から攻撃できるミサイル全盛の現代においては、飛来するミサイルを迎撃して被弾しない事が防御の全てであり、万一迎撃に失敗して被弾した場合には、まず間違いなく戦闘不能となり、沈没の可能性も高いでしょう。
かつて大日本帝国連合艦隊の旗艦であった世界最大の戦艦大和は、重要部においては400mmもの厚さの装甲を備えていました。しかし、防御力を捨てて機動性を優先する現代の軍艦は、わずか8mm~20mm前後の厚みしかない鋼板を溶接接合して作られています。いわゆる「紙装甲」と呼ばれるものであり、中国艦の速射砲攻撃を受けていれば、護衛艦の150名以上の乗員が生命の危機に晒されていたのは間違いありません。

そして数日前、アメリカの海洋当局がアメリカ船籍の全ての船に対し、尖閣周辺海域では日中双方の船とは距離を取るように注意情報を出した、との報道がありました。
尖閣絡みの日中の小競り合いは昨年より常態化しており、何故今更そんな注意情報が出てくるのか不思議に思っていました。しかし、今回の報道により納得がいきました。日本側はロックオンのレーダー照射を受けた事案をアメリカに報告し、対応協議でもしていたのでしょう。

ここで私が不思議に思うのは、なぜ日中の海軍艦艇が3kmという極めて近い距離にあったのかです。小野寺防衛相の緊急記者会見によれば「東シナ海の公海」においての事案である、との言及にとどまりましたが、これは海自護衛艦の展開状況を秘匿とするならば当然でしょう。
ですが、尖閣において対峙している海上保安庁巡視船と中国公船の存在は当然として、中国海軍が常時2隻のフリゲート艦を尖閣北西200km付近に置いていることは知られていますし、海自は護衛艦1隻を尖閣近海に置き、更に3隻の中国艦隊監視用部隊を配備しているとされています。もしこの配置が正しい情報であれば3kmという極めて近い距離で接触するはずはないのです。

となると、1月30日に報道された、西太平洋での軍事演習を行う為に宮古海峡を通過した中国艦船を護衛艦が監視追尾した結果だとも考えられますが、防衛省幹部ソースとされる「尖閣諸島周辺の公海上だった」との報道ともズレが出てきます。
いずれにせよ、尖閣海域においては海自の潜水艦や米第七艦隊の潜水艦も潜んでいるはずですし、もはや何時何が起こっても不思議ではありません。

中国の意図は明らかであり、まず日本に撃たせた上で国連の敵国条項を適応し、安保理決議無しに軍事行動に出る事を狙っているのでしょう。これは航空自衛隊に続き、海上自衛隊までもが引きずり出されたと言うことです。
これに微力ながら抵抗するとすれば、中国の傍若無人な行動を世界に広く知らしめる必要があります。BBCのWebサイトではトップで扱われていましたが、CNNでは探すのも面倒な程の隅っこの記事でした。日本はもっと積極的に働きかけ、この重大事案を少しでも多くの海外の人々に知ってもらうべきです。

大切なことですからはっきりと書きますが、戦争と戦争の合間にある束の間の平和、大東亜戦争の敗戦以降に異常なまでに長続きした、我々の愛するかりそめの平和は残念ながらもう終わりを告げようとしています。
これも大切なことですから繰り返し書きますが、平時の公海上において射撃管制用のレーダーを外国艦船に照射するという行為は、発砲したのと全く同じ意味です。言うなれば、公道を歩いている貴方に無法者が突然に拳銃の砲身を向けてトリガーに指をかけているのと同じです。
よって当たり前ですが、仮に射撃管制レーダーを照射されたなら、その相手をミサイルや艦砲で撃沈するのは当然のことであり、国際法上において合法な当たり前の事です。

さらに言えば、射撃管制レーダーを照射する中国海軍はまさしく狂っていますが、そんな行為を受けても反撃しない(出来ない)日本の自衛隊はもっと狂っているとも言えます。
かつて西太平洋の覇者であった大日本帝国連合艦隊の血を受け継ぐ優秀な海軍を、ロックオンの警報が鳴り響く中、半ば無意味な回避運動しかできないまでに縛り付けているもの。それが憲法第九条なのです。はっきり言って、異常な事態です。
憲法改正は参院選の後にならざるを得ないでしょうが、政府は一刻も早く閣議決定において、現場司令官の裁量によって状況判断し、対処できるようにすべきです。数百億円の近代艦や、何よりも、多くの優秀な自衛官の命が失われてからでは遅すぎるのです。
我が愛する日本の行く先に幸あれと願うばかりです。
(2013年2月6日記)
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黒井様、いつも本当にありがとうございます。

そして最後までご覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。




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● COMMENT ●

本当に中国の「武力行使」は許せません。
そして、日本の報道も困ったもんだと思います。
私はこの事件について6日の朝にはまだ何も知りませんでした。
というのも朝はTVニュースを見ているのですが、その日は東京の雪の話を1時間以上流していたのです。
しかも大雪で東京がパニックというわけでもなんでもなく、わざわざ中継をしていましたが積ってすらいませんでした。
あまりにも不自然な位天気の話が続き、朝の忙しい時にこんな事しか報道しないなんて日本は平和なんだなと思いました。
ところが、中国のレーダー照射の事がその時は既に明らかになっていたのです。
本当ならそのことを真っ先に視聴者に伝えるべきだと思うのです。
まさに私が「平和」だと思っていたのは「かりそめの平和」でした。
私の見ていた番組が特別ノーテンキだったのかもしれませんが呆れました。
もっと大事な事を視聴者に伝えるべきだろう、と思います。
がっかりする事、腹の立つ事は多いですが、ここにしっかりと知識と意識を持った人がいることを心強く思います。
現実に気付いた者が少しずつ変えていくしかないですね。

Re: タイトルなし

>ペットボトラー様

コメントありがとうございます。

気象情報を伝える事も大事ではありますが、1時間以上はありえないですね。
中国のレーダー照射の件は当然ながらトップニュースであるべきです。

民主党政権の時には既に中国によるレーダー照射が行われてたとの事ですが、安倍政権になっても公表されないと中国は思ってたのでしょうか。
「日本政府によるでっち上げ」と、まるで子供のようなコメントを中国政府が発表してるところから、狼狽してるようにも見えなくはないです。

ペットボトラー様が仰るように、現実に気付いた者が少しずつ変えていくしかないと思います。
気付いた者が動き始めるか、それとも気付いただけで何もしないのか。
一人一人の行動が強い日本を取り戻すことに繋がるのではないでしょうか。

追記

追記させて頂きます。

まず中国側の反応ですが、目まぐるしく変化していますね。

・報道で初めて知った
  ↓
・軍が勝手にやった
  ↓
・射撃管制レーダーは使用していない
  ↓
・日本の捏造だ
  ↓
・監視用レーダーは使用した

一貫性に欠け、全くもって無様な有様です。

そして2/8(金)夜、BSフジの番組で安倍総理は中国に「謝罪」を要求しました。
「遺憾の意」が必殺技のはずの、土下座外交が当たり前のはずの日本とは思えない程に、完全に日中の立場が逆転してしまっています。
確たる証拠、照射時の各種データ等が揃っているのでしょう。
中国が謝罪するはずはありませんが、大きな一歩であると思います。

さて、2/6の本文執筆時には明確な情報が無かったのですが、2件の照射案件は尖閣北方の東シナ海公海上での出来事であったと判明しました。
つまり、これは常時待機している中国海軍フリゲート艦と、それを監視している海自護衛艦との間で発生した事案だと結論づけられます。
当然ながら護衛艦「ゆうだち」と「おおなみ」が尖閣周辺に派遣されているのも間違いなく、両艦共に比較的新しい主力艦です。
海上自衛隊は本腰を入れた布陣で臨んでいると読み取れます。

そして重要な点は、「ゆうだち」に搭載されている三菱製の電波探知妨害装置NOLQ-3は、中国海軍フリゲート艦が発した射撃管制用レーダー波を無事捉え、アラートを出したという事です。
その周波数や照射パターン等、貴重なデータは間違いなく収集済みでしょう。
よって、対艦ミサイルによる攻撃を受けた際には、有効な電波妨害を発する事が可能となります。

尖閣防衛の任に就かれている方々に感謝しつつ、そのご無事をお祈りするばかりです。

Re: 追記

>黒井 執斗様

いつもありがとうございます!
さっそくコメント公開させていただきました。

お手数をおかけして申し訳ありません。
これもみんな中国がコロコロ主張を変えるせいです!
しかし言いかえれば、それだけ日本の対応に中国がうろたえているということなのでしょうね。


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