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『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート1 』 - 2013.01.22 Tue


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このたび深田 匠先生(作家・国際政治学者)のお取り計らいで、軍事研究家の黒井執斗様に最新軍事情勢レポートを書き下ろしていただくこととなりました!
さらには当会「戦後レジーム脱却サポーターズ」のために今後も定期的に御執筆いただけるとの事です!
本当に心からありがたく思います。

タイトルは『今、試される日本の覚悟~牙を剥く中国と暴走する北朝鮮~』です。
冒頭には深田先生からの推薦文もあります。出し惜しみ無しで一挙に公開させていただきます。
私も拝読しましたが、ここまで日本は緊迫した状況にあるとは正直驚きです。ある程度はわかってるつもりでおりましたが…。

ぜひ皆様にもご熟読の上で日本の置かれている現状をご認識いただき「限られた時間の中で一体自分に何ができるのか?」を考えるきっかけにしていただきたいと思います。
もちろん私自身も考えてまいります。一緒に知恵を出し合いましょう。そして共に行動しましょう!
近日中に会員募集を開始させていただきます。
何卒、一人でも多くの方にご協力下さいますようよろしくお願い申し上げます。

************************************

軍事アナリスト黒井氏の軍事情勢分析論を推薦します
(作家・国際政治学者 深田 匠)


私の旧知の人物に民間の軍事研究家の方がおられる。その方は本業は技術者なのだが、長年に渡って軍事研究を行っておられ、プロの軍事評論家も顔負けの鋭い軍事情勢分析をされる方である。私に対しても定期的に最新の軍事情勢分析レポートを情報提供してくださっている。
私が国際戦略というマクロ視点で中国を捉えることが多いのに対して、その方は技術者ゆえの緻密なミクロ視点で中国や北朝鮮の軍事情勢を分析されている。それゆえ私にとっては異なった角度からの考察を得ることができるので、大いに参考になる有為な情報源となっている。

日米両国の保守主義勢力の連携を目的として私が運営している「日米保守戦略協議会」を情報交流窓口にして、私のところには米国共和党筋のストロングジャパン派(対中戦略のためには強い日本が必要だと考える米保守系政治勢力)から定期的にさまざまな情報のメールが届く。米国における中韓の反日ロビー活動や反日プロパガンダ工作の動き、米国政界の色々な対日関連の情報、そして共和党系シンクタンクなどが分析した中朝の対日軍事情勢レポートなども届く。
驚くべきことに米国のシンクタンクから届く軍事情勢の分析は、上述の軍事研究家の方から届く分析内容ともほぼ一致していることである。もちろんその軍事研究家の方は日本人であり国内に居住されている。すなわちその方の情報の読み取り方が、長年の軍事研究の蓄積に裏打ちされ極めて正確に行われていることの証左であろう。

そしてこれは何よりも重要なことであるが、その方は「大東亜戦争は正当な自衛戦争であり、敗戦国であるが故に侵略戦争のレッテル張りをされているが、日本は敗戦しても尚その戦いはアジアの植民地解放に繋がった」という正しい歴史観を持っておられる。自虐史観に由来する妄想平和主義的な情緒を排除して、冷静に軍事を分析されるからこそ、その情報は信頼できるのである。自虐史観ゆえに「何があっても戦争はいけない」といった反戦思想のバイアスがかかった分析では、軍事的なオプションは制限されていき現実的な情勢の変化に対応できなくなる。

その方は上述のように本業は技術者であるため、これまでは著書を執筆されたり論文を公表されたりすることはなかった。しかしその有為な情報を、私一人に情報提供していただくにとどめるには惜しいと考えた。そこでぜひとも一人でも多くの国民の目に触れるよう、インターネットで定期的に最新軍事情勢のレポートを公開されていくことを同氏にお勧めした。
私の提案を同氏はご快諾くださり、「黒井執斗」なるペンネームでこの「戦後レジーム脱却サポーターズ」ブログを発表の場として、定期的に最新軍事情勢の分析レポートを執筆していただける運びとなった。

黒井執斗氏は今回のレポートの中で、『判断に間違いがなければ、原爆投下と敗戦から68年目にして遂に、日本の「戦後」は終わりを告げるでしょう。たとえそれが局地的な、小さな戦闘であったとしても、我々は決して負ける訳にはいきません。たとえ尊い血が流されようとも、絶対に負ける訳には行きません。日本が長かった「戦後」に終わりを告げる為の決断を迫られるとき、それは確実に近づいています。』と述べておられる。私も同感である。
「戦後」が終わる、すなわち日本が「戦中」に突入せざるを得なくなるときが迫っているのだ。尖閣における日中軍事衝突は必ず起こる。これはもう日本の外交努力では避けられない現実である。戦争規模の大小に拘らず我々日本人は「戦争」を経験することになる。それまでに「戦後体制」からの脱却が成し遂げられていなければ、日本は極めて不利な情勢に置かれてしまうだろう。

黒井氏は「もし仮に日本が中国に屈する日が来るとすれば、それは台湾及び東南アジア諸国までもが中国の支配下に置かれるのと同義となるでしょう。」とも指摘されている。これについては拙稿「第二次安倍政権待望論・番外編 2012総選挙論・日本興亡の分岐に立ちて」の第四部をご参照いただきたい。
国際政治学の観点から見ても、軍事学の観点から見ても、結論は一致したのである。尖閣防衛戦において日本が中国に屈することは、中国が世界覇権を握る悪夢の未来を確実に到来させる。

私は拙著『二つのアメリカの世界戦略』の国連に関する章で、中国が国連憲章の敵国条項を大義名分にして「尖閣問題は日本による中国領土侵略」と強弁し安保理決議なしに対日攻撃を行う可能性に言及した。現在、中国は国連や米国におけるロビー工作でまさにその通りの主張を行っている。これは安保理決議なしで日本を攻撃するための布石である。
私は同著における近未来予測で「日本が戦争を選ばずとも、戦争が日本を選ぶことになる」とも述べた。残念なことにその予想は的中したのである。妄想平和憲法も謝罪外交も膨大な対中援助も、戦争防止には何の役にも立たなかったのである。
「そのとき」は近づいている。明日か、来月か、来年か、数年後かはわからない。だが必ず「そのとき」は訪れる。日本国民は今からその覚悟を固めておく必要がある。

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という。まずは警醒の軍事アナリスト黒井氏の最新軍事情勢レポートをご熟読いただきたい。


『今、試される日本の覚悟~牙を剥く中国と暴走する北朝鮮~』
(軍事研究家 / 黒井執斗)


まず初めに、「戦後レジーム脱却サポーターズ」の発足をお祝い申し上げます。
そして次に早速ではありますが、わたくし黒井の根幹的な軍事に対する考えについて少しだけ。私自身の過去の経験を含めましても、軍事絡みの話題を取り扱うと、必ずといっていい程「右翼」であるとか、「反平和」であるとのご批判やレッテル張りを受けます。左翼団体や、九条教の人々からすれば意見に相違がある訳ですから、声高に叫ばれるのも致し方ないのかも知れません。しかし、それは大いなる勘違いであります。
黒井は恐らく、一般の方よりもほんの少しだけ軍事を知っておりますが、何よりも平和を愛しますし、戦争など望んではいませんし、同じ日本国民の血が流される事など望むはずもありません。
軍備、そして軍事力というものは本来、仮想敵国の侵攻意志を挫き、大切な平和を守る為に必要なものです。その「軍事的抑止力」によって戦争の勃発を防ぎ、大切な平和を守る。しかしその努力にも関わらず、不本意ながら他国との戦争状態に至れば、全力で国土や国民を守る、守れる態勢を作っておく。それがたとえ自衛隊という専守防衛に特化した歪な形であったとしても、変わらず軍備・軍隊の使命であり、唯一根幹たるものです。
この基本理念だけは、是非ともご記憶願いたいと思います。

そして本来ならば、軍事などというものはごく少数の専門家や、それを趣味とする人々が知っていればいいだけのものです。多くの国民は軍事における知識など無くても構わない、そんな世界が理想的であり、幸せな世界であると言えます。ですが、残念ながら今日の日本を取り巻く環境はそれを許してはくれません。今この文章を読んでくださっている貴方が、一人一人が、最低限の軍事知識を身に付けた上で行動へと変えて行かなくてはならない、そんな時代です。
多少の専門用語や意味不明な型式記号が出てくるのは仕方ないとあきらめた上で、出来る限りわかりやすい説明を心がけていきたいと思っています。
しばしの間お付き合い頂き、貴方様の判断・行動に必要な知識に僅かでもなれば、それはわたくし黒井の幸せと同義であります。

さて、去る2012年12月13日の午前、中国機が尖閣上空の日本領空を侵犯し、航空自衛隊機がスクランブルするという事態が発生しました。マスコミはさほど大々的には報道しませんでしたが、この事案は様々な問題を突きつけた事になります。
まずは自衛隊のレーダー網が中国機の接近を捕捉できず、尖閣周辺に展開していた海上保安庁巡視船からの通報が第一報であった事。本来なら領空外縁に至るまでの防空識別圏への侵入をもってスクランブルしなければなりませんが、気づいたときには既に領空侵犯にまで至っていた事になります。

世間ではこれをもって自衛隊の不甲斐なさを責める声もあるようですが、私はある意味仕方がないと考えています。侵犯機の画像を見る限り、明らかに旧態然とした小型プロペラ機ですから、低速かつ海面近くの低空を飛行されれば、地球は球体でありますから、地上の固定レーダーからは捕捉しにくくなります。尖閣直近の固定対空レーダーサイトは宮古島であり、かなりの距離がある事から、低空侵入に弱いのは明らかです。
それを補う為、当然ながら空自は早期警戒機のE-2Cホークアイを飛ばしてパトロールしているはずですが、那覇基地のE-2Cは三沢基地から応援に来ている機体であり、那覇基地や南西方面航空混成団の常設部隊ではありません。日本の保有するE-2Cは計13機ですが、日本全土をカバーしなければならない為、自ずと那覇基地に回せる機体数は限られる事になり、恐らくは3機前後ではないかと思われます。
ローテーション、即ち機体整備や搭乗員の休養も必要ですから、E-2Cの滞空時間の短さも相まって、現体制では尖閣上空の24時間監視は不可能であり、逆の見方をすれば、それらを知られた上で隙を突かれた事になります。

次に、スクランブルした空自のF-15JとE-2Cについてです。
F-15Jは計8機がスクランブルしており、海保からの連絡を受けた空自がそれを重大な事態だと受け取った事を示しています。予備機を含む飛行隊定数24機の1/3を一気に投入した事になり、ローテーションを考えると、即時態勢にあったほぼ全機を発進させたと思われるからです。
中国は先般より尖閣への領海侵犯を執拗に繰り返していますが、航空機による領空侵犯の重大性は領海侵犯とは比べものにならないものです。足の速い航空機ならば、僅か後には本土すら攻撃可能になるわけで、これは屈辱的な事態であり、度を超した挑発行為と言っても差し支えない。後方を飛ぶE-2C早期警戒機のレーダー探知情報をデータリンクで受け取りつつ、F-15J編隊は侵犯機を目指した事になりますが、残念ながら遭遇する事は出来ませんでした。

しかしながら、もし間に合っていたとしても、自衛隊機は警告しか出来ません。それは言うまでもなく、憲法第九条二項で交戦権が否定されている為です。
必要な憲法改正を行い、交戦規定を明確にし、国際条約に則って対処できる、独立国家として当たり前の正常な状態に戻さなければ、領空侵犯され放題が続く事になります。いかに多数の自衛隊機がスクランブルしてこようとも、撃ってこない事がわかっているのですから、中国からすれば怖くも何ともないでしょう。

それにしても、この尖閣領空侵犯において、中国は越えてはいけない一線を越えてしまったと言えます。
領海侵犯に関しては海上保安庁という警察権力が対応に当たる事になりますから、それが一種のクッションの役割を果たします。しかし、領空侵犯となると航空自衛隊が対処せざるを得ない事は明らかであり、自衛隊という名の事実上の軍隊が出て行かざるを得ない。それがわかった上で、あえて行動を起こしたのは、中国が決して尖閣を諦めないという決意を示しているに他ならない。
領空侵犯は中国の国家海洋局所属機によって行われたわけですが、これが一党独裁政権たる共産党及び配下にある軍部の指示で行われた行為だと考えるべきなのは当然の事です。勿論、中国の野望は尖閣だけに終わるはずはなく、沖縄をも虎視眈々と狙ってくるでしょう。

海底資源が狙いの一つであるのは勿論ですが、中国が目指す東アジア及び西太平洋の覇者となる為には、国力からしても地政学的に見ても、日本は邪魔者でしかない。これらの事を勘案すれば、近い将来、対中軍事衝突は不可避だと覚悟すべきでしょう。
ただし、いざ有事の際にどれほどの実効性を伴うかについては疑問もありますが、日本には日米安保条約がありますから、核の使用を含む全面戦争には至らないでしょう。
あくまで局地戦、すなわち尖閣周辺での空戦と海戦であり、長引くことなく数日から数週間程度で終結する可能性が高い。ただし、結果がどうなるかは予測不能な面も多く、残された短い時間の中で態勢を整える必要があります。

中国は福建の空軍基地に相当数の戦闘機を集結しているとの情報がありますから、日本もそれに応じて、那覇基地に戦闘機や早期警戒機を重点配備する必要がある。
しかしながら、那覇基地(那覇空港)は民間・空自・海自・陸自の各航空機がひしめき合っている状態であり、大幅な戦力増強を受け入れる余地が残っていない。これは現状の那覇だけでは中国側航空戦力を受け止める事が出来ないと言う事であり、那覇基地を増強するか、若しくは他の基地を新たに設けるしかありません。
前者は用地確保の問題や、中共の扇動下にある団体が反対運動を展開するのは容易に想像できますし、何より時間がない。となれば選択肢は後者しかない事になりますが、その第一候補としては、沖縄と中国大陸の中間点にある下地島が挙げられるでしょう。
現在の下地島空港は民間パイロット育成に利用されているに過ぎませんが、3000m級の滑走路を備えており、輸送機や戦闘機の離発着も十分に可能です。軍事利用はしないという平時の決め事があるとは言え、これを利用しない手はなく、海自の護衛艦群が寄港できる港湾整備と合わせ、尖閣防衛と対中軍事戦略の拠点として活用すべきです。

更には、次期FXに決定したF-35の完成が遅れている以上、予算の都合で滞っているF-15Jの近代化改修を速やかに進める必要がありますし、戦闘機の後方支援として非常に重要な早期警戒機E-2Cの増強、あるいは新型のE-2Dの追加導入という選択肢も視野に入るかと思われます。
そして、空の司令塔とも言うべき早期警戒管制機(AWACS)については、日本はE-767を4機保有していますが、ローテーションを考えると常時24時間態勢での運用は確実とは言い切れない。増強するにしてもE-767は非常に高価ですから、それを補完する意味で、廉価なE-737を追加導入するのも有効だと考えます。

と、ここまで書いておきながら、わたくし黒井は大きな判断ミスをしました。
当面は、中国の国家海洋局所属プロペラ機による侵犯未遂が延々と続けられるであろうと想定していました。何故なら、中国側の旧式プロペラ機の侵入を食い止めたくとも、短期間のうちに地上レーダーサイトを増強することは出来ません。これは即ち、空の司令塔とも言うべき早期警戒管制機(AWACS)を24時間態勢で運用して急場をしのぐしかありません。
冷戦を含む戦争とは国家と国家の消耗戦であり、国力に勝る方が最終的な勝利を得ます。日本はAWACSという非常に高価な4機体を24時間態勢で飛ばし、日々2000万円とも言われる運用費用を負担しなければならない。たとえ、相手が旧式な小型プロペラ機であっても、更に、そこにスクランブルがあるとすれば、少なく見積もっても300万円/機、の航空燃料を消費するのです。仮に8機がスクランブルすれば、少なくとも2400万円の燃料が消費される。
中国からすれば費用対効果は抜群であり、まさしく消耗戦であり、日本を疲弊させたい中国にとっては願ったり叶ったりでしょう。

それだけに、まさか、中国側戦闘機が挑発に出てくるとは考えていませんでした。
2013年1月10日、十数機の中国軍戦闘機が日本の防空識別圏に侵入してきました。恐らくはアメリカF-16のコピーであるJ-10やロシアSu-27のコピーであるJ-11の混成部隊であったようですが、何とスクランブルした日本のF-15Jは二十機との報道もありました。
これが事実だとすれば、那覇基地にある迎撃即応機がほぼ全機対応に当たった事になり、軍事を注視する者としては信じがたい事です。

今ここに、この文章を読んでくださっている読者の皆様。
もし、わたくし黒井の判断に間違いがなければ、原爆投下と敗戦から68年目にして遂に、日本の「戦後」は終わりを告げるでしょう。
たとえそれが局地的な、小さな戦闘であったとしても、我々は決して負ける訳にはいきません。たとえ尊い血が流されようとも、絶対に負ける訳には行きません。
日本が長かった「戦後」に終わりを告げる為の決断を迫られるとき、それは確実に近づいています。

さて、そんな刻一刻と深刻さを増す尖閣情勢において、同盟国たるアメリカが手を打たないはずはありません。
2013年1月14日、最強のステルス戦闘機F-22ラプターが嘉手納に着きました。過去にも期間限定で飛来してはいましたし、今回も約4ヶ月間の暫定配備ではありますが、なんと言っても今回は12機ですから、4機1個小隊、3個小隊12機なので、制空、交代、待機でローテーションを組める機数です。そこへ対艦ミサイル4発を積める空自F-2戦闘攻撃機が加われば、中国軍は出鼻を挫かれて(まともであれば)どうすることも出来ないでしょう。

しかしそんな中、またしても重要な事態が発生しました。米海軍の対潜哨戒機(対潜水艦任務に就く航空機)であるP3Cと米空軍のC130輸送機が、中国軍機の執拗な追尾を受けたのです。これは、2001年の海南島事件を彷彿とさせます。電子偵察機EP-3Eが中国軍戦闘機と接触して海南島への不時着を余儀なくされた案件ですが、軍事機密である電子機器は全て爆破破壊され、中国の手には渡らなかった。まさに一触即発で同様の事が起こりかねません。
そして在日米軍は、東シナ海上空に空中警戒管制機(AWACS)を投入しました。スクランブル合戦に勝利する為の、空の司令塔AWACSの日米同時導入。まず間違いなく、日米間でのデータリンクも行われているでしょう。
今、我々が知らない間にも電子戦たる戦いは繰り広げられており、それは刻一刻と状況を変えながら、大きな流れに繋がっていくのでしょう。

さて、ここまでは制空権(制空優位)に関わることを述べてきましたが、次は制海権のお話です。
海軍力に関しては、少なくとも現時点では日本が優位にあり、空自においては事実上の対艦攻撃に特化した世界最高レベルのF-2戦闘攻撃機も運用していますし、空軍力に比べれば今すぐ心配する必要性は低いでしょう。ただし、中国は海洋覇権国家となるべく急ピッチで海軍力強化を続けており、座視しているのは危険です。
中国は2020年を目標に4隻の新造正規空母を保有するとしていますが、現代における空母とは本来、本国から離れた飛び地や同盟国の防衛に必要な軍備であり、その必要のない中国が空母に固執するのはアメリカに対抗しうる力を持ちたい悲願であると同時、砲艦外交たる周辺国への恫喝と侵略戦争を念頭に置いているのは明らかです。

これに対抗すべく日本も正規空母を保有すべきとの意見も散見されますが、私はそれは賢明な選択ではないと考えます。正規空母は多くの艦載機や多数の乗員を必要とする、とんでもない金食い虫であり、中国が無謀とも思える一挙に4隻の保有を目指しているのは、メンテナンスや乗員の休養を含めたローテーションを考慮した場合、常に戦力として投入出来る空母を確保する為の最低数だからです。決して他国を侵略する意図のない日本が無理をして正規空母というコストの高い軍備を持つ必要性はありませんし、景気低迷で苦しい財政事情を鑑みれば、もっと有効なお金の使い方をすべきでしょう。
具体的には、費用対効果に優れた潜水艦戦力の増強であり、対潜哨戒能力を更に向上させる為のヘリ空母の増強であると考えます。米軍の対潜哨戒能力を持ってしても探知が難しい程の静粛性を誇る日本の通常動力型潜水艦と、世界随一とされる対潜哨戒能力を展開すれば、空母を含む艦船と随伴の潜水艦は外洋に出るのが困難となり、自ずとシーレーン防衛にも大いに寄与する結果となるでしょう。

ここで少し横道にそれますが、イージス艦について触れておきます。
日本はイージス艦を6隻保有していますが、偏ったマスコミ報道等の影響もあり、一般の方々はイージス艦を無敵の船だと勘違いされているケースが少なからずあります。
米ソ冷戦時、海軍力の圧倒的差を埋める為、ソ連が考案したのが大量のミサイルを同時に撃ち込む飽和攻撃です。これを食らっては虎の子の空母がひとたまりもありませんから、それに対抗すべく生み出されたのが、対空防御及び攻撃に特化したイージス艦です。つまり、高価なイージス艦は確かに優れた対空性能を持っていますが、それは本来、空母機動艦隊の上空を守る為のものです。

優秀な対潜ソナーは備えますが、潜水艦に対する探知能力は通常の軍艦と何ら変わりありません。空母の有無にかかわらず、艦隊が作戦行動を行う際には、対潜哨戒機を周囲に展開し、潜んでいる潜水艦に注意しながら航行する事になります。もしそこに探知しきれない潜水艦が潜んでいた場合には、不意打ちの魚雷攻撃を受ける事になってしまいます。第二次大戦当時とは違い、現代の魚雷は一撃で艦船を真っ二つにしてしまう程の威力があります。
よって、1億円前後の魚雷一発により、1500億円もするイージス艦が撃沈されてしまう可能性も大いにあるわけです。巨大な正規空母であっても、数発食らえば沈没を免れないでしょう。つまり、静粛性に優れた潜水艦はまさに見えない脅威であり、抑止力を含めて費用対効果の極めて高い軍備であり、これを重視せざるを得ない事になります。

このように空海合わせて総じて見れば、GDP比1%という防衛予算枠を取り払い、国を守る為に必要な費用として相当額を拠出しなければならないと言えます。
それが出来なければ、中国という覇権国家への野望を持った隣国がある以上、独立国家としての日本の未来は無いという事です。もし仮に日本が中国に屈する日が来るとすれば、それは台湾及び東南アジア諸国までもが中国の支配下に置かれるのと同義となるでしょう。

さて話題は変わりますが、去る2012年12月12日に北朝鮮が打ち上げたロケット(実質はミサイル)が成功を収め、地球周回衛星軌道に何らかの物体が投じられた事はアメリカの発表からしても明らかです。
南に向かって打ち上げられたのですから、物体は赤道と直交する極軌道を回っている事になり、これは軍事偵察衛星の軌道に近似するものとなります。すなわち、仮に今回の物体が人工衛星とは言えない程度のものであったとしても、北朝鮮は軍事偵察衛星を軌道に投入出来る技術の獲得に限りなく近づいたと判断すべきです。
前回の打ち上げは空中分解の大失敗に終わっていたわけですから、短期間の間に北朝鮮技術者達は相当な苦労をして問題を修正してきた事になり、想定以上の結果ととらえるべきでしょう。何しろ、信頼性の低い旧式な試作大陸間弾道ミサイルを使い、秋葉原で買いあさった電子機器を組み合わせつつ、自称するところの衛星打ち上げに無事成功したのですから。

日本からのパチンコマネーの流入や、韓国の親北派からの支援があるとは言え、北朝鮮の経済規模は島根県程度でしかありません。言うなれば極東の小さな三流国家であり、逆に見れば、そうであるが故にミサイル技術は命綱であり、国民が飢えていても止めるわけにはいかない。核と合わせて恫喝外交に必須な要素ですし、中東の反米国家へのミサイル輸出や技術の売却は、国際的な経済制裁下においては殆ど唯一の外貨獲得手段でもあります。
38度線を挟んで対峙し、今なお休戦状態にある韓国ですが、独自ミサイル技術を積み上げてきた北朝鮮に対し、韓国は完全に後れを取っています。自力での衛星の打ち上げは難しいと判断し、ロケットの一段目はロシアから購入したブラックボックス、そして衛星自体もフランス製。しかし確実性と時間を金で買ったはずが、二度にわたって打ち上げは失敗し、三度目もトラブルで打ち上げ延期が続いています。
明暗を分けるとはこういう事なのでしょう。

昨年12月の北朝鮮による打ち上げにおいては、何らかのトラブルが発生してミサイルを分解している、という情報が流れ、年内の打ち上げは無理ではないかとも報道されていました。これは韓国発とされる情報がマスコミによって広く伝えられた結果ですが、その韓国は独自の軍事偵察衛星は運用していません。
去る5月に日本のH-2Aで打ち上げたフランス製の商用観測衛星はありますが、赤外線カメラを搭載していない商用衛星では夜間の観測は出来ませんし、日中であっても曇がかかるだけで観測不能となります。要するに、軍事用として重要な分解能の問題を含め、独自には極めて限定的な観測手段しか持たないという事です。
そして、北朝鮮が撹乱を狙った工作をする可能性は高く、トラブルで分解中との判断に至るには、別の確たる情報があったと考えるのが妥当です。これはつまり、米軍の偵察衛星によってもたらされた情報を分析した結果以外にあり得ない事になります。

同じく偵察衛星を持たず、米軍との連携も更に弱いであろうフィリピンは、韓国経由の情報を信じ、ミサイルの二段目落下予測地点にあたる海域と空域に発していた進入禁止令を解除してしまいました。その翌日、突然の発射情報に驚き、慌てて禁止エリアを再設定しましたが、既に時遅しで意味はありませんでした。
これに対し、日本はアメリカから「継続して要注意」との情報を受け取っており、分解能では米軍に及ばないでしょうが、情報収集衛星と言う名の、事実上の軍事偵察衛星も独自に運用している。勿論、これはH-2Aという独自開発の打ち上げロケットがあるからこそ保有可能なものです。
それらを総合して警戒態勢を維持していたと考えられますが、何故アメリカは韓国には告げず、日本には要注意だと伝えたのか。これは恐らく、アメリカが日本を試したのだと思われます。韓国はアメリカから購入した戦闘機のブラックボックスを分解して解析しようとしたり、戦闘機そのものを丸々コピーして、韓国オリジナルの戦闘機だと称して他国に売ろうと画策したり、数々の出来事でアメリカの信用を失っています。
また、裏で北朝鮮に通じている勢力が存在するとされ、様々な情報が北へリークされているとも指摘されています。果たして、日本にだけ伝えた情報がどれ位外部へ漏れるのか。恐らくは、それがアメリカの試したかった事なのでしょう。

さて、大陸間弾道弾の元祖と言えるのは、間違いなくナチスドイツが開発したV2号でしょう。巡航ミサイルの元祖とされるV1号と合わせ、ナチスドイツの科学力はまぎれもなく世界一でした。
核兵器の開発こそ、ユダヤ人排斥によって流出した頭脳や資金力の差もあってアメリカに先を越されましたが、有名なUボート潜水艦、性能の高い戦車を伴った機械化歩兵部隊、化学兵器としての神経ガスサリン、首都防衛に活用された世界初のジェット戦闘機と、突出して優れた兵器は数多い。ドイツ敗戦と同時、連合国側はそれらの技術資料や技術者の争奪戦を繰り広げ、その多くはアメリカと旧ソ連が手に入れる事となります。

資本主義対共産主義の冷戦構造下、宇宙開発競争が繰り広げられ、自ずと兵器としてのミサイル技術も発達、熟成する。旧ソ連が量産したスカッドと呼ばれる短距離弾道弾は同盟国に拡散し、北朝鮮は1970年代にエジプトを介してスカッドBを入手し、分析し、コピーを始める。たった300kmであった射程距離は決して諦めない独自改良によって段階的に伸び、ノドン、テポドン1号、テポドン2号、そして今回に至っては衛星軌道にまで達した。これは即ち、成層圏からの再突入を考慮すれば1万km級の射程を持つ事になり、アメリカ本土の一部が脅威にさらされる可能性が出てきます。(ちなみに、日本は既にノドンによって射程に入り、総計300基以上とも想定されるミサイルが狙っていますから、今更情勢に大きな変化はありません。)

ここで重要なのは、遠からずして更に信頼性を高めた後には、中東の反米国家にもそれが売却されるという事です。
そうなればもはや、ミサイル攻撃の脅威に晒されるのはイスラエルだけではなく、アメリカ本土もターゲットとなり得る。重要な技術を手にした北朝鮮が更なる強硬路線に出るのは明らかで、アメリカの取り得る選択肢は二つしかない事になります。
一つは北朝鮮との戦争、もう一つは北朝鮮の核保有を認める事です。
世界最強の軍事大国たるアメリカが戦って負けるはずはありませんが、朝鮮半島は未だにある種の緩衝地帯であり、戦争終結後の統治で大いに揉める事は避けられない。ロシア、中国が黙っていないでしょうし、韓国には北を統一併合するのに必要十分な体力はない。
となると後者を選択する可能性が高くなりますが、それは国際的な核拡散防止の枠組みの崩壊を意味します。

島根県程度の経済規模でしかない小国たる北朝鮮が核保有を認められれば、脅威にさらされる周辺国は勿論、多くの国が抑止力としての核を持つ事になるでしょう。当然ながら、原発に伴う大量のプルトニウムを所有し、それなりに高度な核関連技術も持ち合わせている事から準核保有国と見なされている日本も巻き込まれざるを得ない。
好むと好まざるに関わらず、世界を取り巻く核軍事情勢は、先日の一発のミサイル発射を契機にして大きく動き出す事になるでしょう。

ミサイル発射翌日の12月13日、アメリカが日本のイージス艦2隻分の海上配置型迎撃ミサイルSM3の売却方針を決めた事が報道されました。何とも絶妙すぎるタイミングですが、この近代化改修が終われば、日本の保有する6隻全てのイージス艦が弾道ミサイルの迎撃能力を保有する事になります。
現行モデルはSM-3ブロック1Aと言われるタイプですが、日本はSM-3ブロック2Aの共同開発を進めています。更にその先にあるSM-3ブロック2Bがどうなるかは未定ですが、限定的ながら上昇過程における弾道弾の迎撃能力を持つことになり、いずれにしても重要なのは、MD(ミサイル防衛)に関し、日本がどこまで米国に関わるかです。

お手元に地球儀があれば是非手にとって、眺めて頂きたい。
大陸間弾道ミサイルは最も無駄のないコースを辿り、目標を破壊します。自ずと、アメリカ本土を狙った場合には日本の上空を通過しないことがわかるでしょう。しかしながら、太平洋における米軍の重要な基地であるグアムやハワイを狙うとなると、その弾道は日本の上空を通過することになります。
つまりは、集団的自衛権の行使を認める事を含め、日本が試されるときが来ているのです。
(2013年1月21日記)

黒井様、深田先生、本当にありがとうございました!

そして最後までご覧下さった読者の皆様、誠にありがとうございました!




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● COMMENT ●

愛サポの時から楽しみにしていました。
一度読んでみましたが、私には少し高度でした。もう一度読み直してみます。
一度読んだだけでもわかったこともありました。思っている以上に今の状況は悪いということと北朝鮮を舐めたらいけないということです。
難しかったけど読み難くはなかったし、大切なことなので納得するまで繰り返し読ませて頂きます。
これからも新しいレポートが読めるとのことで楽しみにしています。

Re: タイトルなし

炭鉱夫 様コメントありがとうございます。

専門用語もありますので難しく感じる部分もあったかもしれません。
しかし全体的にはわかりやすくて読みやすくなってるはずです。
一度読んだだけで「今の状況は悪い」と「北朝鮮を舐めたらいけない」がわかれば十分過ぎると思います。
これから何ができるのかを一緒に考えてまいりましょう!

次回作もご期待下さい。
「黒井執斗先生の作品が読めるのは戦サポだけ!」です。

始めまして!二度読みました。読むにしたがって、此れは尋常な時代ではないと感じました。
私の父は、生前に何時か必ず日本は戦争に立ち向かう日が来ると話していました。
何故なら、人間が住むこの世界は、争い事が必ず発生するからと言っていました。
父は樺太で国境守備隊でした。そして、シベリアに抑留されました!

Re: タイトルなし

>国民の一人!様

コメントありがとうございます。

私などが申せば薄っぺらくて誠に恐縮なのですが、大変な御苦労をなさったのですね。
御尊父様が日本の為に、後世の日本人の為に命をかけて戦って下さった事に心から感謝申し上げます。

今の日本の現状に対して我々世代は一体何ができるのか?
国民一人一人がしっかり受け止め、考える時なのだと思います。

ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。


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