topimage

2017-07

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート8 』 - 2013.09.25 Wed


当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。
一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるため、何卒“人気ブログランキング”にクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ





当会ブログのオススメ記事「軍事アナリストの最新軍事情勢レポート」シリーズ!
前回に続き早くも第8弾を軍事研究家の黒井執斗 氏が書き下ろして下さいました。


ボリュームたっぷりの今作のタイトルは
『 パックス・アメリカーナの終焉 ~世界覇権の行方~ 』
です。
今回のレポートで黒井氏はパックス・アメリカーナ(アメリカによる世界秩序維持)が大きく揺らぎ始め「終わりの始まり」を迎えているという非常に重要な指摘をされています。
果たしてアメリカの覇権を受け継ぐ国はどこなのか…?
ぜひ最後までご熟読下さい!

毎回申しておりますが、黒井氏の軍事レポートは当会ブログの記事のひとつにしておくのが勿体ない素晴らしい内容です。
一人でも多くの方に読んでいただけるよう、ぜひとも拡散にご協力ください。



※過去の軍事情勢レポート1~7は当会オススメ記事の中にあります。
まだ目を通しておられない方は、ぜひ併せてご覧下さい。


オススメ記事⇒http://sensapo.blog.fc2.com/blog-category-2.html

*******************************************************

『 パックス・アメリカーナの終焉 ~世界覇権の行方~ 』
(軍事研究家 / 黒井執斗)

今回の拙稿はまず、嬉しい話題から始めましょう。
9月14日(土)の14:00、警戒区域に韓国のタンカー船が侵入した為に予定より15分延期されましたが、新型国産ロケットイプシロンの打ち上げが成功しました。また、ペイロードである惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の軌道投入にも成功し、1号機から見事な成果を残しました。
マスコミのTV報道でも打ち上げ時の様子が繰り返し映されていましたから、ご覧になった方も多いでしょう。

その打ち上げの様子を観て、何かお気づきにならなかったでしょうか?
恐らく、観察眼の鋭い方は気づかれたのではないかと思いますが、見慣れた感のある日本のH-2AやH-2B、そして海外の一般的なロケットは最初に発射台からゆっくりと上昇していくのに対し、イプシロンの挙動は明らかに出だしから速い動きで上空へと飛び去ったはずです。
これはイプシロンが固体燃料ロケットである証です。推力制御の出来る液体燃料式とは異なり、固体燃料ロケットは点火後ひたすらに全開での噴射となります。極めて乱暴に言ってしまえば、大きなロケット花火のようなものです。
初速から速い飛翔の様は、ロケットと言うよりもミサイルを連想させるものだったと思います。

前回も話題にしましたが、イプシロンロケットは高コストの為に7号機で運用終了となった国産3段固体燃料ロケットM-V(ミュー・ファイブ)の後継として、大幅なコストダウンと打ち上げ管制の省力化を目指して開発されました。
ロケットそのものとしての構成はH-2A/Bの固体ロケットブースターやM-Vのキックモーターを流用した設計であり、ある意味実績のある物を組み合わせた信頼性の高いものだと言えます。
それに対し、打ち上げ管制はたった2台のパソコンと数名の管制官で行うという革新的かつ野心的な構成となっています。かつての米アポロ計画以来の、伝統的な100人超規模の地上管制要員が必要だという常識を覆すものです。

しかし革新的であるが故に、何かトラブルがあるとすれば打ち上げ管制の部分だと思っていました。案の定、8月27日の打ち上げではトラブルが発生し、原因究明の為に延期となりました。
そして発射19秒前でカウントダウンが自動停止した原因は、ロケットと地上管制間の通信が0.07秒遅れてずれていた為と判明しました。この原因発表のニュースを見たとき、私は次回打ち上げの成功を確信しました。
0.07秒は7/100秒であり、1秒=1000msec(ミリセック)ですから、技術的に違和感の無いように単位変換表記すれば70msecの遅れが問題だったわけです。

この70msecは一般的に見れば極めて小さな時間であり、多くの方は一瞬のズレでしかないと思われるでしょう。しかし、超高速で稼働する半導体生産設備の開発に携わった身としては、とても長い時間だと感じます。
70msecもあれば、ある行程における半導体製品組み立て動作の半分は完了してしまうほどの時間です。
例えばAという動作をし、その完了を待ってBという動作に移り、更にB動作の完了を検知してCという動作に入るとします。この場合、いかに時間的なロスなく次の動作に移れるかが大きなポイントとなり、遅れが出るほどに次々に累積して設計通りの性能から後れ、結果としてワンサイクルで見ると速度性能に劣る機械になってしまいます。

私たちの一番身近にあるコンピューターのOS(オペレーティングシステム)と言えば、やはり圧倒的なシェアを誇るWindowsでしょう。お洒落にMacを使いこなされている方でも、職場ではWindowsだというケースも多いかと思います。
キーボードを打ったとき、またマウスをクリックしたとき、Windowsは間髪入れず即座に反応しているように感じます。それは人間の感覚や処理能力よりも素早い動きでOSが反応しているからです。
一般的にWindowsの最小動作単位の割り込みタイマーは15.6msecです。そしてタイムスライスと呼ばれるタスクスイッチに要する時間は割り込みタイマーの数倍で動いています。ここでは仮に3倍の46.8msecとしましょう。

わかりやすく例えるならば、仮に20分間隔で運行されている列車があったとします。
乗客がランダムにホームに辿り着いたとき、最悪のタイミングなら20分待たなければなりませんし、運がよければ待たずに列車に飛び乗れます。これを無作為に何度も繰り返したときの平均待ち時間は、確率的に考えれば10分となります。
同様にWindowsのタイムスライスが46.8msecだとすると、タスクの切り替えに要する平均遅延時間は23.4msecとなります。一つの動作を終える度に、次の動作を開始するのに20msec以上の時間をロスしていては、とてもではありませんが超高速領域での処理は不可能です。
つまり、一般のWindowsは高速な機械制御や、ジャイロセンサーの検知した傾きに応じて瞬時にノズルの向きを制御する事が必須のロケット打ち上げ制御には使えないことになります。

ではどうしているのかというと、いわゆる「リアルタイムOS」と呼ばれるOSを使って制御します。色々な種類のOSがありますから一概には言えませんが、特殊なものを使わなくとも、タイムスライスが1msec程度のものが多数存在します。
これらをOSに用いれば、例えば10ステップの逐次シリーズ処理を実施しても累積する平均ロス時間は5msecとなり、実用的に使える制御性能を確保することが出来ます。
JAXAがイプシロンの打ち上げ制御・管制に使っている2台のパソコンでどんなリアルタイムOSで動いているのかはわかりませんが、少なくとも上記のレベルのリアルタイムOSが必要なのは間違いないと思われます。

今回の開発機であるイプシロンロケット1号機の打ち上げ費用は約53億円、これを2号機からは約38億円に抑え、4年後には30億円以下にするのが目標ですが、数を作れば自ずとコストは下がりますから、実現不可能な数字ではないでしょう。
ただし、世界の価格競争は厳しいものがあります。例えばインドの中型ロケットPSLVは約25億円、ロシアの中型ロケット「ドニエプル」に至っては最低で約12億円というバーゲンプライスです。
ただし、ドニエプルの飛び抜けた低価格には理由があります。核軍縮で削減されて余ったICBM(大陸間弾道弾:intercontinental ballistic missile)を打ち上げロケットに転用しているのです。いわば、廃品を再利用・転用する仕組みであるが故に低価格なわけです。
ただしドニエプルは液体燃料であり、使用される酸化剤は猛毒のヒドラジンです。打ち上げ失敗時には環境に大きな影響を与えてしまう問題点があります。

イプシロンは固体燃料ロケットであることが大きな特徴ですが、本来、固形燃料ロケットの成功率は低いものでした。アメリカやソ連(ロシア)が液体燃料式に移行したのも固体燃料の成功率の低さ故であり、その技術(液体式)が今の世界標準になっています。
それに対し、元より日本の固体燃料技術はずば抜けた安定性を誇っており、低コストをも実現した今、世界の注目を集めるのは当然でしょう。
そして案の定、中韓メディアは「日本がICBMに転用可能な固体燃料ロケットを打ち上げた」と騒いでいますね。特に韓国メディアは打ち上げ前から打ち上げ後に至るまで、「安倍政権の右傾化の証」だの「軍国主義化」だのとしつこく粘着して騒ぎ立てています。

ICBMとは一般的に射程5500km以上の弾道ミサイルを示す名称です。そして仮にイプシロンをICBMに転用した場合、その最大射程は14000kmにも及びます。これはアメリカのICBMピースキーパーに匹敵する性能であり、地球の裏側まで攻撃できるスペックです。つまり、隣国である韓国にとっては何の脅威にもならず、日本にとっては無駄以外の何者でもありません。
何が何でも反日命の彼らには論理的な思考は存在せず、まるでオートマタ(機械人形)のように条件反射的に動いているのでしょう。

イプシロンを非難する韓国は、ほぼ日本全土を攻撃範囲に収める射程1500kmの巡航ミサイルや、射程800kmの短距離弾道ミサイルを実戦配備中です。また、潜水艦からのSLCM(潜水艦発射巡航ミサイル:submarine launched cruise missile)も保有・運用しており、平和憲法や専守防衛に縛られて敵地攻撃能力を持たない日本よりも遙かに実戦的な軍備です。
彼らが一体何をしたくて騒いでいるのか、全く理解に苦しみます。
恐らく、自国の持たない衛星打ち上げロケットをH-2A/Bと合わせ2機種も純国産で実現してしまう日本を妬み、お決まりの自尊心とやらが傷つけられたのでしょう。

いずれにせよ打ち上げロケットと弾道ミサイルは極めて近い関係にあり、どちらにでも技術転用できることは確かです。つまり日本がロケット技術を磨いて結果を世界にアピールできれば、それだけで潜在的な軍事抑止力になり得るのです。
仮に防衛目的の敵地攻撃能力を保有する為に弾道ミサイルを配備するとなると、射程は3000kmで十分です。それで中国沿岸都市はカバーできます。更に射程を5000kmに伸ばした場合には、中国のほぼ全土をカバー出来るでしょう。
これは3段式ロケットのイプシロンを2段、ないしは1段に省略して流用設計すればよく、H-2A/Bに比べて約半分の全長24mを更に短くできます。これを10~14mに押さえれば、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル:submarine launched ballistic missile)としての運用が視野に入り、残存性の高い報復攻撃能力として高い抑止力を持つ事が出来るでしょう。

上記の3000~5000km程度の射程を持つIRBM(中距離弾道ミサイル:intermediate-range ballistic missile)はコストや使い勝手がよく、周辺の紛争国への抑止力として極めて有効です。
そしてインドは9月15日、中距離弾道ミサイル「アグニ5」の二度目の発射実験に成功しました。これにより、アグニ5は量産体制に移行すると思われます。
アグニ5の射程は約5000km、1.1トンの核弾頭を含む5~10個のMIRV(多弾頭独立誘導再突入体)を搭載可能とされています。パキスタンは勿論、中国全土を射程に収めるものであり、実戦配備が進めば強力な抑止力となるでしょう。
また、インドはアグニ5の潜水艦発射型(SLBM)も開発中だと伝えられています。

近未来において日本がアグニ5と同等のIRBMを保有すれば、インドとの協力関係次第では中国全土を東西から挟み撃ちにし、強力無比な抑止力を実現する事が出来ます。
日本が憲法を改正し、明確な交戦権を規定し、ごく当たり前の国になる事こそがアジアの安定した平和と繁栄に繋がるのです。

さて次に、余興として韓国の時事ネタを一つご紹介しましょう。
9月15日の仁川上陸作戦記念行事に参加する為、黄海を仁川港へ向けて航行中だった揚陸艦「独島(竹島の韓国名)」が10日に火災事故を起こし、2機の発電機が使用不能となって航行不能に陥るという事案が発生しました。
この独島(ドクト)という極めて挑発的な艦名の軍艦は全長199m、満載排水量約18000トンの空母型全通甲板を持つ揚陸艦で、韓国海軍最大の艦であり、かつ艦隊の中心たる司令塔として機能するご自慢の旗艦です。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/masousizuka/20120820/20120820110430.jpg
ある時は準空母、またあるときは強襲揚陸艦、時によってはアジア最大の輸送艦と称せられる謎の存在でもあります。その実体は、艦隊の旗艦に揚陸用のウェルドック(揚陸用注水ドック)やヘリ空母としての運用能力をも付加しようという、まるで宇宙戦艦ヤマト並に欲張った艦であり、韓国の優秀な設計・造船技術も相まって使い物にならないゴミと化してしまった不幸な軍艦です。

自らの発するレーダー波が甲板に反射してしまい、3基全てのレーダーにありもしない反射標的(ゴースト)が表示され、これは幾度改修しても結局解決せずに運用に至っています。
近接防御用のCIWSゴールキーパーは甲板上のヘリを破壊し、揚陸艇を積むとエレベーターが使えないことが発覚し、同時駐機可能数の5機のヘリを載せれば強度不足の甲板が撓んでヘリがまともに飛び立てず、洋上運用の為の防塩処理を施したヘリが予算不足で調達できず、ヘリ空母の形をしていながら就役後6年経っても艦載ヘリすら無いという話題の尽きない艦です。
ディーゼル機関による最大速力23ノット(約43km/h)は揚陸艦としては標準的な数値ですが、これを艦隊の旗艦とするならば、ガスタービン機関で30ノット(約56km/h)は出せる戦闘艦の足を引っ張ってしまいます。
このあまりの使えなさから韓国内でも疑問の声が上がるほどであり、演習時や記念行事以外は港に係留されたままになっている有様です。また、艦名が悪いからではないか、との声も出始めているようです。

今回の事案を整理してまとめると、まず今年4月に艦体の姿勢を制御する為のバラストタンクに注水した際、バルブ操作ミスにより発電機室に海水が流入して4基中2基の発電機が損傷。本来なら修理してから運用するのが常識であるのに事故を隠蔽し、残る2基の発電機のみで仁川港を目指して航行中に1基が火災を起こし、消火の為に用いた海水によって残る1基も損傷し、全発電機が機能を停止し航行不能に陥った…という流れになります。
「独島」の国産化率は70%だそうですが、残念ながら発電機は輸入品であり、全4基の完全復旧は来年の4月になると報道されています。

もう既にお笑いの領域に達しつつありますが、故障でドック入りばかりしている3隻のイージス艦といい、波高3mで蛇行して真っ直ぐ航行出来ない駆逐艦といい、見た目のスペックだけは立派でも韓国海軍の実体・実力はこの程度のものです。海上自衛隊には逆立ちしても敵わないでしょう。
先述の巡航ミサイルの件は要注意ですが、海軍が海を越えてこられない、という事実は陸軍兵力を日本に揚陸出来ないということであり、いくら彼らが日本を仮想敵国としても、我々は微笑みながら生暖かく見守ってあげればいいのではないでしょうか。
余裕を持って彼らを見ることが出来れば、昨今流行の嫌韓一筋ではなく、真の敵にも目を向けて考えることが出来ると思います。
ですが勿論、慰安婦問題や天皇陛下侮辱発言等、譲ってはならない所は死守すべきです。

さて、次に本稿の本題へと話を進めましょう。
2010年のチュニジアでの暴動によるジャスミン革命以来、民主化を求める反政府デモや抗議の争乱はアラブ中に波及し、いわゆる「アラブの春」として喧伝するマスコミに持てはやされました。
その立役者はスマートフォンの普及とFacebookやツイッター等のSNSコミュニケーション手段だと言えるでしょう。デモや暴動への参加を不特定多数に呼びかけるのは勿論、治安当局側の動きに応じて予定の変更等を迅速かつ広範囲に伝える事が出来るからです。結果として、本来は個の集まりである素人集団でも組織化された動きが可能になります。
それが今や、日本でも報道されるイラクやエジプト等の例を見ても明らかなように、中東は混乱と混迷を極める状態になってしまっています。

専門外なので参考程度に考えて頂きたいのですが、アラブの国々には民主化は早すぎるのだと思います。イスラム圏ということを考え合わせると、独裁政権であれば政教分離が比較的容易に実現し、国家として遙かに安定すると言えます。
例えば東南アジアのイスラム国家たるマレーシアにしても、一見すると平和に見えますが、国民の7割を占めるマレー系イスラム教徒への優遇政策に対して他民族の不満が高まっている状態です。また、イスラム教徒の間でも宗派によって大きな格差があり、度々問題となっています。
要はイスラム教と民主主義は相性が悪く、収拾の付かない混乱を招く恐れがあると言えます。

そして最も大規模なデモに発展し、継続中なのがシリアです。これはもうデモなどと言えるものではなく、完全に内戦です。
2年半に及ぶ内戦による死者数は10万人を超え、近隣国へ逃れた難民は200万人ともいわれています。本来ならば国連による介入があってしかるべきですが、安保理常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使するのは目に見えており、機能不全の国際平和組織は何の役にも立ちません。

それに加え、現在の国連事務総長は潘基文(パンギムン)です。就任当初から「韓国の為」と言い切り、国連組織を私物化して要職ポストを韓国人で固めた挙げ句、「正しい歴史認識が、良き国家関係を維持する。日本の政治指導者には深い省察と、国際的な未来を見通す展望が必要だ」と発言しました。
それに呼応し、中国外務省の副報道官は「積極的に評価する。歴史の正義を擁護し、日本に侵略の歴史を直視して反省するよう促すことは、国際社会共通の要望だ」との談話を発表しています。
実に馬鹿馬鹿しい限りです。特定の国に肩入れしないことが絶対のはずの国連事務総長がこの有様、さすがは歴代最悪の烙印を押されているだけのことはあります。
先の大戦の戦勝国クラブたる国連に期待などありませんが、少なくともアナン事務総長時代には、それなりの存在感があったと思います。潘基文は問答無用で即刻に罷免されても文句を言えないレベルでしょう。

国際社会がシリア情勢を放置する中、政府軍と反政府軍による内戦が延々と続いているわけですが、まずこの事態が異常です。特に反体制側の反政府軍に2年半にも及ぶ継戦能力があるはずないからです。つまり、これはバックの存在を意味します。
ユダヤとイスラム、イスラム宗派間の派閥争い、少数民族迫害、独裁政権に反発する民主化運動、利害のある国々の関与、等々が複雑に絡み合っている状態ですから簡単に要点だけを記すと、反政府軍を支援しているのはトルコやサウジアラビア、そしてアルカイダです。アルカイダは戦闘参加兵士も多く送り込んでいます。
それに対し、政府軍側を支援しているのはレバノンの武装組織、ヒズボラです。シリアは反イスラエルのテロ支援国家であり、ヒズボラとは深い関係があります。国家レベルで見るとシリアは親イランであり、イランの石油が目当ての中国、そして同じく親イランの北朝鮮にも繋がります。

こうした中、シリアの体制派・政府軍を何としても守らなければならないのがロシアです。なぜならロシアはシリアのタルトゥースに軍港の権益を持っており、これは貴重な不凍港かつ地中海に影響力を持つ為の要所だからです。
それに加え、シリアはロシア製兵器の顧客であり、アメリカ製兵器に対峙する事になった場合には意地でも有用性を示さねばなりません。さもなければ、湾岸戦争でロシア製兵器が西側兵器にワンサイドゲームで撃破されてしまった時のように、評判が地に落ちて誰も買わなくなってしまいます。

そしてアメリカ・オバマ政権が軍事介入を躊躇し続けてきた背景の一つには、米軍の厳しい台所事情があります。財政難による国防予算の強制削減です。
影響は様々な所に及んでいる、もしくは及ぼうとしていますが、38000人の文民職員に対する強制無給休暇と6000人以上の人員削減、航空機の定期修理や部品交換費用の2割削減、航空機飛行時間の削減、航空機操縦教官を養成するトップガンスクールの運用停止、陸軍の正規兵力を57万人から49万人へ削減、前線への展開を除く全ての訓練や演習の中止、計10群を保有する空母打撃群のうち3~4群の運用停止…等々、安全保障をアメリカに頼っている日本で全く報道されないのが不思議な状態です。
つまり、アメリカはイラク戦争の時のように中東で大規模軍事展開を行う能力を失いつつあります。

オバマは自ら化学兵器の使用をレッドラインと位置づけ、警告の発言をしていました。それは内戦が激化して混乱がより深刻化すればテロ組織等への化学兵器拡散へと繋がり、その標的がアメリカになる可能性が高いことも理由でしょう。
そして遂に、それが政府軍によるものか反政府軍側によるものかは定かではないにせよ、神経ガス・サリンの使用が明るみに出てしまい、アメリカは引くに引けなくなってしまった。
少し話題が逸れますが、我々がサリンと聞けば地下鉄サリン事件を思い出しますね。当時私は海外に滞在していたのですが、朝食時のレストランでちょくちょく顔を合わす長期滞在のドイツ人が現地英字新聞を片手に「神経ガスを使うなんて、日本人は本当にクレイジーだな!」とまくし立ててきました。思わず「そもそも最初にサリンを量産したのはナチスドイツだろ」と言いかけて踏みとどまった記憶があります。
オウム真理教の例を見てもわかるように、大学で学ぶ程度の化学知識と原材料があれば安価かつ比較的容易に作れ、かつ致死効果の高いのがサリン、タブン、ソマン等の化学兵器です。「貧者の核兵器」と呼ばれる所以ですね。
少し前には某左翼新聞が「自衛隊がサリンを隠し持っている」と騒いでいましたが、世界の全ての軍隊はサリンを含む化学兵器を少量ながら所持しています。なぜならば、あらゆる種類の神経ガスサンプルを持っていなければ、それに対する防護策の研究が出来ないからです。少し考えれば当たり前ですね。

様々な事情があるにせよ、サリンの使用、軍事介入に乗り気だったイギリスやフランス、そしてヒズボラと敵対するイスラエルの要望もあってアメリカは介入に踏み切らざるを得なくなりました。
ただし、前述のように大規模な軍事展開は出来ませんし、政府軍=ヒズボラを叩くことはイスラエルの為でもありますが、それは同時に反政府軍=アルカイダに利する事になってしまうジレンマがあります。アサド政権が打ち倒されてアルカイダ系の新政府が化学兵器込みでシリアを支配するようになればアメリカにとっては悪夢でしょう。
よって目的は明らかに政権を転覆させない程度に攻撃を加えて懲らしめる事であり、陸軍兵力を除く限定的な軍事介入を計画し、5隻のミサイル駆逐艦を東地中海に展開しました。日本では「ミサイル駆逐艦」と報道されていますが、これは要するに全てイージス艦です。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦は計90セルのMk.41 VLS(垂直発射装置:Vertical Launching System)を装備していますが、甲板上には上蓋の部分しか露出していない為、果たしてどんな割合で対空、対地、対艦ミサイルを積んでいるかは判別できません。ですが恐らく、計5隻で200発前後のトマホーク巡航ミサイルによる攻撃が可能でしょう。
それに加え、隠密行動が大原則のオハイオ級巡航ミサイル潜水艦が近海に潜んでいれば、1隻当たり154発のトマホークが追加される事になります。

更にアメリカはインド洋にあった原子力空母「ニミッツ」を紅海に展開しました。これは勿論、空母打撃群を構成する5隻の随伴イージス艦と1隻の攻撃型原潜を含みます。しかしながらアメリカが本気で他国を制圧するときには3つの空母打撃群を集結させるのが常ですから、今回はこれに該当しません。
このニミッツの役割は恐らく、艦載のEA-18Gグラウラー電子戦機によるAGM-88 HARM(High-Speed Anti Radiation Missile)での先制攻撃でしょう。AGM-88は敵レーダーから放射される電波を探知し、マッハ2の超音速で飛翔してレーダー施設を破壊します。つまり、まず敵の防空レーダー網を破壊し、目を奪って無力化するわけです。
それに加え、必要と判断すればB1、B2、B52等の爆撃機を飛来させてアウトレンジからの巡航ミサイル攻撃をオプションとし、念のために海兵隊員300人を乗せた輸送揚陸艦「サンアントニオ」を地中海に展開、垂直離着陸輸送機オスプレイ最大12機を搭載した強襲揚陸艦も紅海に展開、といった布陣です。
フランスは虎の子の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」を地中海沖合に派遣しましたが、これはアメリカの空母航空戦力不足を補完する意味があるのでしょう。

これらアメリカ側勢力の布陣に対し、ロシアは黒海艦隊や北方艦隊から複数の対潜艦やミサイル巡洋艦を地中海東部に派遣して牽制する体勢を取りました。
受けて立つシリアの空軍が保有する戦闘機は約400機弱とされていますが、その稼働率は50%程度と低く見積もられている上に機種も旧式のものばかりであり、搭載電子機器、いわゆるアビオニクスもアップグレードされておらず、脆弱なものだと想定されます。
よって防空戦力の頼りは国土の大部分をカバーしているとされる約1000発のロシア製地対空ミサイルとなりますが、これもその多くが老朽化しており、ジャミングや電子戦、対レーダーミサイルに弱い為に厳しい展開が予想されます。

そしてロシア製の高性能地対空ミサイルシステムであるS-300、これをロシアがシリアに正式に売却した記録はありません。シリアの支払い能力への不信や、イスラエル等への配慮からです。
ですがこのS-300が中国及びベラルーシを経由してシリアの手に渡っているのは公然の秘密だとされています。
http://sphotos-a.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-prn1/537021_483034875095696_2078168863_n.jpg
この移動式発射機の画像を見ると、いかにもロシア製らしく無骨で強そうです。日本を含む西側が採用しているアメリカ製のパトリオットとは正反対のデザインセンスですね。

ロシアは最新のS-400を配備していますが他国へは輸出しておらず、ロシア側同盟国にとってはS-300が新鋭のミサイルシステムとなり、アメリカのパトリオット2と同様に航空機や巡航ミサイルに対する高い迎撃能力があると喧伝されています。そして付け加えると実戦使用されたことは未だ無く、真の実力は未知数です。
アメリカ及び同盟国が採用しているトマホーク巡航ミサイルは亜音速ですから迎撃は難しくありませんが、海上でも陸上でも低空を舐めるように飛ぶトマホークを捕捉するのは難しい面があります。日本も4機保有しているAWACS(早期警戒管制機:airborne warning and control system)等を飛ばし、上空からルックダウンで監視すれば発見は出来ますが、シリアはAWACSを保有していません。
果たしてトマホークに対してS-300がどれほどの迎撃成果を上げられるかは、アサド政権が生き残ってロシアがタルトゥース軍港を引き続き保持できるかどうか、そしてロシアの面子と兵器輸出産業に影響を及ぼしますが、実は我々にも大きな影響があります。

それは中国です。中国はS-300をライセンス生産し、改良を加えたモデルと併せて沿岸部に多数配備しています。この中国の「紅旗」シリーズには艦載型も存在し、人民解放軍海軍の主力防空艦に搭載しています。
つまり、シリアにおいてS-300が十分な迎撃成果を発揮できなければアメリカと日本は一息付けますし、中国にとっては陸上及び海上防空網の大問題になります。
なおかつ、日本が国防の為の敵地攻撃能力を持つとすれば、その第一歩はトマホーク巡航ミサイルの保有であり、それが中国の防空網を突破できるかどうかの指標となります。
遠い中東シリアの内戦と軍事介入に関し、我々は無関心ではいけないのです。

ところが皆さんもご存じのように、武力介入の是非を協議したイギリス議会の下院は政府の介入動議を否決し、それに躊躇したオバマが上院にシリア攻撃に関する決議案審議を投げてもたついている隙に、ロシアがシリアの化学兵器を国際監視下に置くという提案を出して主導権を握ってしまいました。
果たして本当に1000トンのサリンを含む化学兵器が全て破棄されるかは不透明であり、アメリカも中東に展開した戦力を維持するといっていますから結末はわかりません。
ですが、少なくとも現時点の結果としては軍事介入が回避され、書類上ではシリアに化学兵器の明け渡しを約束させたわけで、プーチン(ロシア)の株は急上昇し、オバマ(アメリカ)の威信は失墜してしまいました。中東でのロシアの影響力は増大し、事の次第によればスエズ運河の支配すらロシアの手に落ちる日が来るでしょう。
GDP世界第1位のアメリカは、その約1/10のGDPしかないロシアに負けたわけです。

そして更なる衝撃的な事態が起こりました。
オバマは9月10日のテレビ演説においてシリア問題に絡み、「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と述べたのです。
財政難から国防予算の強制削減を余儀なくされ、アメリカの世界覇権は徐々に衰退を迎えるだろうとは予測していました。ですが、10年か20年先まではアメリカは「世界の警察」であり続けるだろうと思っていただけに、衝撃的かつ歴史的な発言です。
パックス・アメリカーナの終焉、超大国アメリカの世界覇権の元に守られてきた秩序の終わり。我々は今、歴史の転換点へと達したのです。
多くの人達は軍事だけの問題だと思うでしょう。しかし、残念ながらそれは違います。我々が、世界の人々が当たり前だと思っている「自由貿易」すら、第二次大戦後における強いアメリカの世界覇権の元で、アメリカが自由貿易を望み推奨したからこそ実現していたのです。つまり第二次大戦前と同じく、強い海軍を持って独自にシーレーンを確保出来る国のみが貿易を享受する時代が来るでしょう。
そして果たして、アメリカの次に世界覇権を握るのはどの国なのか。

これらのことを地政学と国際政治学と比較文化史の研究によって推論し、9年前に発行された書籍があります。それは作家・国際政治学者の深田匠氏による著書、『日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略』です。(以降、「二つのアメリカ」と略)
該当部分の結論部のみをここに抜粋・引用します。

【以下、引用開始】
さてモデルスキーの研究によると、このスーパーパワーの循環には二つの法則が存在している。まず一つめの法則は、「覇権国がそのスーパーパワーを失う契機となるのは、国際秩序維持のコスト負担に伴う重圧によって国力が衰退するとき」であり、その大きな要因は大規模な戦争に突入することである。ソ連というランドパワーを代表する一方のスーパーパワーが失われたのは、ひとえに米国との冷戦(軍拡競争)に伴うコスト負担の重圧に負けたからであるが、それは同時に米国にも「双児の赤字」という国力衰退のツケを残している。

次に二つめの法則となるのは、覇権国が失うそのスーパーパワーを継承して次の覇権国となる国は、「前覇権国が国力を衰退させる要因となる大規模戦争に参加した国の中で、最も国力(GDP)の大きい戦勝国である」というものである。 (中略) しかしそのイギリスも第二次世界大戦によって一気に衰退し、その覇権を戦勝国の中で最大のGDPを持つアメリカに譲ることとなり、パックス・アメリカーナの時代が到来した。覇権の循環は戦争に参加した戦勝国の間でバトンタッチされていくのが歴史の鉄則であり、それ以外の循環は一切存在しないのだ。

このモデルスキー論と現在の地政学上のパワー・ポリティクスを鑑みるに、今まさにアメリカはそのスーパーパワーを失う「終わりの始まり」に突入したと言えよう。 (中略) 巨額の財政赤字を抱えたままアメリカはそのスーパーパワーを失う最後の戦争に突入し、そのスーパーパワーは「次なる国」へと移るのを待っている。それが現在の国際社会に存在するダイナミズムである。そしてアメリカがそのスーパーパワーを用いて行うべき人類史的使命とは、地上から危険な独裁国家やテロ支援国家を一掃することにある。やがてアメリカがその使命を果たし終えて世界新秩序が完成する頃には、アメリカはその世界秩序再編のコスト負担によってスーパーパワーを失い覇権国ではなくなっている。

ならば次なるスーパーパワーはどの国へと循環するのか。英国に再びスーパーパワーが戻る事は、その国力(GDP)から考えて可能性は高くない。ロシアはもっと国力がない。ではフランスか。フランスが事実上主導するEUは、総人口四億五千万人、二〇〇二年度のGDP合計は九兆五千億ドル(九百八十二兆円)、まさにアメリカに匹敵するスーパーパワー候補だ。しかしEUは敢くまでも連合体であり言語も文化も各国異なる。現にイラク戦争の賛否をめぐっても二分された。EUによって次のスーパーパワー循環を担おうというフランスの目論見は実現が難しいものだ。

ならば次なるスーパーパワーは中共なのか。現在GDPで世界第六位の中共があと二十年以内に日独を抜いてGDP世界第二位になるのは確実であることは既に前述した。実はこの二十年というタイムスパンには大きな意味がある。「アジア二〇二五」レポートが示す如く、日本が中共との対決を避けてランドパワーの勢力圏に入るか否か、つまり中共の属国となっているか否かの答が出ているのが二十年後だ。日本が中共との対決を避けた場合には、シーパワー同盟(対中包囲網)による中共政権崩壊は起こり得ず、二十年後に中共は日本も含めたアジア全域を覇権下に置き、アメリカに次ぐ国力(GDP)を保持していることになる。そして米政権が民主党であれば中共は戦勝国待遇を受けているであろう。つまり次のスーパーパワーは中共へと移る。現在のアメリカの立場に中共が立ち、さらに独善的で過酷な「陸の文明」すなわち中華世界秩序で世界を「管理」することになる。世界覇権を得た中共がそのスーパーパワーを強圧的に行使していくことは必至であり、世界は大変な混乱と惨禍に陥ることになる。共和党政権下のアメリカは仮に国力が衰退していても、中共が中華世界秩序で世界を覇権下に置くことは絶対に許容せず、再び長い戦乱の時代が続き多くの人々の死が積み上げられていくことになる。

しかし私は日本を、日本民族を信じる。日本が妄想平和主義から世界秩序再編戦争への参戦を逃げ続け、さらに中共との対決も避けて朝鮮半島・台湾・ASEANに続いて中共の属国となる、そんな二〇二五年を私は信じない。信じたくない。ならば日本が中共のスーパーパワー化を促進する対中ODAを即座に全廃し、謝罪外交と完全に決別し、核武装も含めて中共に対抗できる軍事力の均衡を実現し、集団的自衛権に基づいてアメリカの世界秩序再編戦争に加勢参加し、日米台印シーパワー同盟を構築して中共政権を崩壊せしめた場合には、次のスーパーパワーはどこへ循環するのか。人類の歴史が教える答はただ一つ、次なるスーパーパワーは日本へと循環する。日本が世界秩序を維持する世界覇権国となるのだ。

つまり米国に次いで国力第二位の日本がアメリカのそのスーパーパワーを受け継ぎ、世界覇権国となって新しい世界秩序を守り発展させていくことは、人類全体に対する日本の大きな責務なのである。(Page 569~572)
【以上、引用終了】

何たる深く鋭い洞察力と大胆な論説。これぞ、まさに慧眼。
保守のバイブルとも称される「二つのアメリカ」は平成15年に発行されています。つまり、2期8年に及ぶアメリカ共和党ブッシュ政権時代のど真ん中、日本の小泉政権の末期に書かれたものですが、その記述の多くが見事に的中しています。
オバマの「アメリカは世界の警察ではない」発言に関しては深田氏の予測よりも早かった感はありますが、軍事的観点からしても近未来への道筋を的確に指摘されています。

深田氏は思慮深いが故に滅多に公言される事は無いでしょうが、衝動的な私は遠慮無く独断で書きます。実は「二つのアメリカ」は平成18年度に防衛省の「精神教育参考資料および教養資料」に採用されています。つまり、国防を担う防衛省においても重要な資料だと認識されている著作なのです。
蛇足ながら、私は深田氏の直筆サイン入りの1冊を所有しています。
未読の方には是非お勧めしたいのですが、残念ながら現在新品は入手できず、ネット上の中古本には結構な高額値付けがされてしまっています。私の街の図書館には蔵書されていましたから、運がよければ皆様の近くの図書館にもあるでしょう。
また、保守派のブログサイト「風林火山」(http://ochimusya.at.webry.info/)の『衝撃の事実「日本人が知らないシリーズ」』というテーマコーナーにて、多くの部分が抜粋・引用して公開されています。(http://ochimusya.at.webry.info/theme/57295fd580.html)
まずは上記サイトをじっくりと読まれるのもいいかと思います。

さて、オバマの発言は、アメリカが世界覇権を近い将来いずれかの国へと譲り渡さざるを得ない、という現実を受け入れたと判断できます。
それに加え、シリアには単独でも軍事介入を実施すると公言しておきながら、それが出来ずにロシアにいいところを掠われてしまいました。これはすなわち、化学兵器や核兵器等の大量破壊兵器を限定的に使用しても、衰退を迎えつつあるアメリカが報復しない事があり得る事実を世界に突きつけました。
これはイランや北朝鮮、そして何よりも中国に間違ったメッセージを送ることになってしまうでしょう。具体的に日本にとっては、尖閣への侵略行為が更に強引に、かつ周到に行われるということです。そして、その激化は既に始まっています。

去る9月8日、中国の爆撃機H-6が2機、沖縄と宮古島間の上空を通過しました。
http://image02.wiki.livedoor.jp/n/2/namacha2/6566c1e39762255b.jpg
一目で随分と古くさいデザインですが、H-6は1950年代からソ連のTu-16バジャーをノックダウン生産やライセンス生産した機体で、比較的新しい発展型は空中発射巡航ミサイルや空対艦ミサイルの運用も可能になっており、その能力は侮れません。
当然ながら空自のF-15Jが那覇からスクランブルしていますが、沖縄本島と宮古島の間には民間航空路があり、領空へと侵入しない限りは見守るしかないのが現状です。しかし逆に見れば、常に民間機が飛び交う空域に勝手に爆撃機が侵入しているわけですから、その狂いっぷりはかなりのものです。
また、複数ソースでの確認は取れていませんが、CNNの速報によれば嘉手納に派遣されている米空軍のF-22ステルス戦闘機4機もスクランブルしたと伝えられています。これが事実なら、随分と派手な出迎えです。

東西冷戦時代にはソ連の爆撃機が領空侵犯をすることも度々で、近年のロシアも時折爆撃機を差し向けて日本の防空体制に探りを入れています。中国は日本列島から沖縄、台湾、フィリピンをつなぐ防衛ラインを「第1列島線」と位置付けていますから、このラインを通過することに意味があります。
また、2020年の東京オリンピック開催が決定した日本が事なかれ主義になると考え、7月に通過した早期警戒機よりも挑発的な爆撃機の通過を既成事実にしたいのだと思われます。

そして翌日の9月9日、中国の無人機が日本の防空識別圏に侵入しました。
この事案は遂に来るべき時が来たかという印象であり、極めて重要です。
http://www.mod.go.jp/js/Press/press2013/press_pdf/p20130909_02.pdf
上記、統合幕僚監部の発表資料では「国籍不明」となっていますが、これは中国機だと簡単に推測できます。飛来は北、西、南からの可能性がありますが、フィリピンが日本に敵意を持っていないことや対中国を視野に入れて日本に援助を求めていることからフィリピンは除外され、北と西が残ります。また、台湾は長い間アメリカと協調体制にあり、尖閣問題で日本を挑発するメリットもなく、西も除外できます。となると残るは北の中国であり、福建や旅順あたりの航空基地から飛び立ち、徘徊の後に帰投したのでしょう。
なお後日、中国は該当無人機の自国所属を認めています。

統合幕僚監部の発表資料では、(恐らくわざと)解像度の低い画像が掲載されていますし、撮影距離を類推されない為に海面や島が映り込まないようにトリミング加工されていますね。実に周到な発表資料です。
そして対象無人機は中国の「翼竜」無人攻撃機に見えます。
http://images.china.cn/attachement/jpg/site1004/20130710/001ec94a25c513473b0e0e.jpg
上記画像を見ればわかるとおり、翼竜はアメリカの無人機プレデターやリーパーのコピー機です。つまり純粋な偵察機ではなく、対地・対空ミサイル攻撃能力を備えています。

また、荒い画像の見方によってはBZK-005無人偵察機にも見えます。
http://image02.wiki.livedoor.jp/n/2/namacha2/8e36caf6af3b7d72.jpg
これも米プレデターやリーパー系のコピー機でしょうが、かなりの部分にイスラエルから導入した技術が使われていると思われます。
無人機に重要なのは搭載する各種センサー類の性能ですが、その面ではアメリカに劣るでしょう。しかし、航空ショーで中国が喧伝しているのはそのコストの低さで、アメリカ製無人機の1/30だと報道されていました。
中国はステルス戦闘機の開発に力を入れていますが、無人機に対してもコピーを含む様々な試行錯誤を繰り返しており、その保有数は1500機に及ぶとの説もあります。

そして中国が尖閣沖に無人機を差し向けてくる第一の理由は、空自の疲弊が狙いでしょう。乱暴に言ってしまえば、無人機は通信衛星経由でコントロールする大きなラジコンにすぎません。基地にいる操縦者は疲れれば別の要員と交代することも出来ますし、無人偵察機自体の連続飛行時間も40時間程度と長いです。
それに対し、スクランブルする空自のF-15J戦闘機はせいぜい数時間しか滞空できず、次々に後続機と交代しながら領空侵犯に至らないかを監視するしかなく、パイロットは勿論のこと、ヘビーローテーションで満足な整備がままならなくなった機体も疲弊してしまいます。

その結果として空自の監視に隙が出来れば、防空識別圏から一気に領空を侵犯するチャンスが生まれます。第2の目的は領空侵犯を常態化させ、なし崩し的に「中国の領空を哨戒している」と発表して自国の領空であると主張する事でしょう。
これは、尖閣で領海侵犯を繰り返している中国公船の「中国領海をパトロールしている」という主張と同じ事を狙って来ると思われます。

防衛省は「領空侵犯は撃墜も視野に入れて検討する」と言っていますが、憲法で交戦権を持たないと定義している今の日本では、事実上手を出せません。これは一刻も早く法改正を実現しなければ、どうすること出来ずに既成事実を作られてしまいます。
中国機が防空識別圏に達すればスクランブルせねばなりませんが、領空侵犯されない限り手は出せず、そして領空侵犯されても最大で警告射撃しかできず、国際共通周波数を用いた無線警告も相手が無人機では全く意味がありません。
2011年暮れにはイランがアメリカのステルス無人偵察機RQ-170を拿捕していますが、これは偽のGPS信号によって強制着陸させたとされています。
日本も同様に電子戦によって中国無人機を無力化することを模索するべきでしょう。

無人機の問題は、搭載カメラや各種センサーの情報を通信衛星経由で基地へと送り、また逆にコントロールの為の指令を基地から無人機へと送らねばならないことです。日本が前倒し導入を決めたアメリカの無人偵察機グローバルホークの場合、消費する帯域は約500Mbyte/secだとされています。これは日本の一般的な家庭用光ファイバーインターネット回線の40本分に相当します。
今後中国が複数の無人機を差し向けてくるとすれば、それに耐えうるだけの帯域を持った軍事通信衛星を保有・運用している証左となります。
また、中国はアメリカのGPSに依存しない独自の衛星測位システム「北斗」の運用を開始しており、現在16機の衛星打ち上げをもってアジア太平洋地域で使用可能であり、最終的には2020年に計30機の打ち上げを完了して地球規模でのシステム運用を目指しています。
つまり、イランが行ったように偽のGPS信号を無人機に送って拿捕しようとすれば、北斗システムの軍用に暗号化された電波信号を解読しなければなりません。

空自は4機のYS-11EB電子戦機を保有・運用しています。
http://www.mamboccv.com/YS11EB_159_080910.jpg
上下に二つずつ、大きなドームが設置されているのがわかると思います。
中国の無人機が繰り返し差し向けられれば、まずは入間基地に所属する電子飛行測定隊のYS-11EBが那覇基地に飛来し、無人機の制御や情報送信に使われている周波数や帯域、暗号化通信内容を測定・収集する事になるでしょう。
これまで尖閣を巡る戦いは主に海の上で繰り広げられてきました。しかし、遂に対無人機を含む空の戦いが本格的に加わる事になります。既にそのスタートは切られたのです。

本稿を締めくくるに当たり、真に憂国の志を同じくする皆さんに再度確認しておきたいと思います。
もうご理解頂けたかと思いますが、我々には韓国などという雑魚にばかり構っている余裕はありません。そんな時代は過ぎ去ったのです。逆に、韓国と揉めているばかりでは日韓離反を狙った中共の策謀に嵌ってしまうことになります。

パックス・アメリカーナの終焉、終わりの始まりへ。
「驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し」
アメリカが「世界の警察」を下りると宣言したからといって、すぐに同盟国への軍事力の傘が消滅するわけではありませんが、近い将来にアメリカは防衛ラインをハワイ・グアム・オーストラリアのラインへと後退させるでしょう。
また、シリア介入の顛末を見れば明らかなように、尖閣を巡って日中が局地戦に突入したとしても、必ずアメリカが助けてくれる保証はもうありません。シリア介入と同じく判断が議会に委ねられる事態は十分考えられ、米軍の一部として機能するように組織された自衛隊は長期戦には耐えられません。

もう残された時間は少なく、中共と衝突する前にやっておかなくてはならない準備は数多くあります。
憲法9条改正、国軍保持、交戦権保持の明文化、武器輸出三原則破棄、防衛費GDP比2%、敵基地攻撃力保持、F-35ステルス戦闘機の導入、F-15J戦闘機の近代化改修の迅速化、潜水艦戦力の増強、イージス艦8隻体勢への増強、汎用護衛艦の増強、対潜ヘリ空母の増強、超音速空対艦ミサイルの早期開発完了と配備、ミサイル防衛(MD)の拡充、短・中距離弾道ミサイルの開発と配備、兵站の確立、日本版NSC創設(スパイ防止)、ASEAN・台湾・インド等との中共包囲網構築、等々、挙げればきりがありません。
それでも我々は無法者の侵略から国土・国民を守らなければならず、大陸から太平洋へと進出しようとする中共を抑止できれば、近未来の世界をも安定と繁栄へと導くことが出来ます。

もう時代は歴史的な変革へと大きく舵を切っていること、自虐史観や妄想平和主義を捨て去って戦いの場へと臨まなくてはならないことを、一人でも多くの人々に伝え、理解して貰う必要があります。
それが読者の皆さん一人一人を含めた、我々の使命なのです。

我らが日本と世界の未来に勝利の栄光あれ。

(2013年9月23日記)

*******************************************************

黒井執斗様、いつも本当にありがとうございます。
心より感謝申し上げます。



最後までご覧下さった皆様、誠にありがとうございました。





一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるために、“拍手”と“人気ブログランキング”をそれぞれクリック願います。

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート7 』 - 2013.08.23 Fri


当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。
一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるため、何卒“人気ブログランキング”にクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ





軍事研究家の黒井執斗 氏の最新軍事情勢レポートを楽しみにしておられる皆様、お待たせいたしました!
当会ブログのオススメ記事「軍事アナリストの最新軍事情勢レポート」第7弾の公開です。

今回も更に目からウロコの内容となっており、初心者からマニアの方までご納得いただけること間違いなしです。

今まであまり取り上げてこられなかったアジアの国の話題も加えた今作のタイトルは
『 新たなる東亜の繁栄に向けて 』
です。

黒井様の軍事レポートは当会ブログの記事のひとつにしておくのが勿体ないほどの素晴らしい内容です。普通に出版されていても何ら不思議ではありません。
一人でも多くの方に読んでいただけるよう、ぜひとも拡散にご協力ください。



※過去の軍事情勢レポート1~6は当会オススメ記事の中にあります。
まだ目を通しておられない方は、ぜひ併せてご覧下さい。


オススメ記事⇒http://sensapo.blog.fc2.com/blog-category-2.html

*******************************************************

『 新たなる東亜の繁栄に向けて 』
(軍事研究家 / 黒井執斗)

去る6月7、8日、米カリフォルニア州パームスプリングズの保養地にて米中首脳会談が開催されました。日本のマスコミはこれを大きく取り上げ、「2日間、計8時間に及ぶ異例の首脳会談」と繰り返し報道していました。
確かに2月の日米首脳会談が2時間程度であった事と比較すれば、随分と長い話し合いが持たれたのは事実でしょう。しかしながら、習近平は「広い太平洋には、中国とアメリカという2つの大国を受け入れる空間がある」と発言して相手にされなかったこと、またサイバー攻撃を止めるように要請された事など、中国にとって大きな成果があったとは感じられませんでした。
かねてから中国人民解放軍幹部が主張しているように、習近平は米中二大強国が太平洋を分割統治していくことを示唆したわけですが、アメリカにとっては到底受け入れられる内容では無いでしょう。

私の知人に怪しげなメルマガを購読し、その内容を信じきって鵜呑みにしている人物がいます。彼からのメールには、訪米に先立ってメキシコを訪れていた習近平はワシントンへの誘いを断り、「習近平に会いたいのならメキシコから近いカリフォルニアまで来い」とオバマ大統領を呼びつけた、のが真相だとありました。大量の米国債を持つ中国様にアメリカは逆らえない、との理由説明です。
これは実に疑わしい話で、国力の指標たるGDPでも、陸海空の軍事力においても、アメリカは中国を凌駕しています。雲行きの怪しい中国経済がどこまで保つかにもよりますが、少なくとも今暫くはアメリカの優位は揺るがないでしょう。

しかしながら、米中の首脳交流が活発化すれば日本は蚊帳の外に置かれ、頭越しにG2外交を展開される不味い事態にもなりかねません。爆発的に拡大し続ける軍事力を背景に尖閣諸島への領海侵犯を執拗に繰り返している中国、そして自衛隊と共に侵略行為に対する抑止力となっている在日米軍、これらのパワーバランスが崩れてしまう事になれば、それは中国の思うツボです。
わからない事があった場合、私は人に尋ねる事を躊躇しません。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、です。人間が持つ一生の時間は限られており、あらゆる事を調べ、まとめ、考察する事は不可能です。そして求める正しい答えが得たければ、その内容に詳しい、専門的知識を持った信頼出来る人に訊くべきでしょう。
この件は笑われるのを承知で、作家・国際政治学者の深田匠氏に質問し、丁重な回答を頂きました。以下、皆様へのご参考として主旨の要点を箇条書きにしておきます。

・米国内の親中派(民主党リベラル系や国務省主流派が中心)は習近平政権を持ち上げる情報をオバマに与え、一方で反中派(共和党保守系や国防総省が中心)は習近平政権を警戒する情報をオバマに与えていた。親中・反中の両派の相反する意見の板ばさみで、オバマは対中姿勢の腰が定まらない状態だった。

・どちらの見方が正しいのか判断がつかないので、オバマは習近平の性格や思想を見抜くためにあえて長時間の会談をセットしたが、習近平はいきなり太平洋を二分統治する話題でボロを出した。

・オバマは「習近平は愚かで馬鹿で、しかも好戦的な軍部の言いなりに動くマリオネットなので非常に危険である」と判断した。

・「安倍は危険な右翼だ」という中韓のロビー活動のせいでオバマは安倍総理へのネガティブイメージの先入観を持っていたが、実際に安倍氏と会談したことで安倍氏が信頼できる人物だと感じた。

・さらに今回の習近平との会談によってオバマは「習近平政権の中国は信用できない。安倍政権の日本のほうが信用できる」という印象を強めた。

・ワシントンへ戻るエアフォースワン機中からの安倍氏への電話(米中首脳会談の愚痴)は、オバマのその心境変化を裏付けている。

・結論として米中会談は中国にとって大失敗に終わった。それによって米国内の反中派は勢いづき、会談の直後の米上院の対中批難決議につながった。さらにそのおかげで、対比によってオバマの安倍政権への信頼が高まった。

以上、マスコミ報道から受けた印象とは随分違いますが、深田氏による論考が真実なのはまず間違いないでしょう。少なくとも、私はそう思います。
アメリカが決して絶対正義ではなく、何もかもアメリカ様の言うことに尻尾を振っていてはダメですが、言うまでもなく日本の安全保障においてアメリカは重要なパートナーです。日米関係を適切に保ちつつ、中国を牽制していく必要があります。

さて、深田氏による思慮深く重要な内容からの落差が激しいですが、次はある意味低レベルな話題から入りたいと思います。
6月18日の朝日新聞朝刊に、「日本で小説やドラマなどの『右傾化』が進行中」とする記事が掲載されました。作家の石田衣良の論考を取り上げ、百田尚樹氏の小説「永遠の0」「海賊とよばれた男」や、4~6月期の日曜夜に放映されたドラマ「空飛ぶ広報室」の名前を挙げ、「右傾エンタメ」が増えているとの問題提起がなされました。中韓贔屓の石田衣良が出てくる時点で既にアレですが、まあ無理筋のこじつけ記事です。
この朝日の報道に韓国マスコミが素早く食いつき、聯合ニュースは「日本で愛国心刺激する娯楽小説が人気」と取り上げ、京郷新聞に至っては「日本、安倍政権で文化も右傾化」「右傾・愛国小説が人気独り占め」などと、安倍政権にまで絡めて報じました。
朝日があること無い事、捏造記事を報道し、それを韓国マスコミが話を大きくして騒ぎ立てるのは、慰安婦問題等でもお馴染みのパターンですね。

「空飛ぶ広報室」はお堅い軍事専門誌のコラムでも取り上げられた、航空自衛隊の全面協力で撮られたドラマでした。画面に登場した空自航空機としては、F-4EJファントム、F-15Jイーグル、ブルーインパルスのT-4ドルフィン、大型輸送ヘリのCH-47チヌーク辺りだったと記憶しています。残念ながら、洋上迷彩の美しいF-2バイパーゼロは登場しませんでした。
航空自衛隊としては随分頑張って協力した感がありますが、筋立ては航空幕僚監部広報室を舞台にした、ありがちな恋愛ドラマです。原作小説は未読ですが、当然ながらガチガチの軍事的な内容ではTVの視聴率は取れないでしょう。
込められたメッセージとしては、「自衛隊というだけで実体をよく知りもせずに批判する人々」を批判するものでした。そして印象に残ったのは、「自衛隊が活躍しない事が世の平和」だとする台詞です。確かにその通りで、他国の侵略意図を挫く為の軍事的パワーバランスを保ち、軍事力を行使しなくて済むのが最善でしょう。災害派遣も同様です。
ただこのドラマはTBS制作だけあって、「戦闘機は人殺しの道具じゃない!」などと俳優に大げさに叫ばせていました。確かに制空戦闘機たるF-15Jは直接人殺しをしないかも知れませんが、敵機を撃墜すれば自ずと死者が出ます。それは日夜スクランブルで敵機と相まみえる空自パイロットとて同じ事で、随分と生温いお花畑的発想であり、日々危険な任務に就いている自衛官に失礼な話です。

「永遠の0」は今年12月に映画の公開が予定されていますが、原作小説はベストセラーになった、ゼロ戦と特攻隊を題材にした作品です。ゼロ戦パイロットで特攻隊員として戦死した祖父の事を知る為、孫が生き残りの戦友達に話を聞き、真実に迫るという筋書きです。
そして徐々に浮かび上がってくるのは、「何があっても生きて帰る」という信念を持った男の姿です。大東亜戦争当時にすれば、非国民扱いされて当然でしょう。ゼロ戦が活躍するシーンを散りばめつつ、メインテーマとしては特攻隊員の悲劇を描いた作品であり、反戦小説に分類される内容ではないでしょうか。特攻を変に美化するでもなく、かといって自虐的でもなく、ニュートラルな印象です。
賞賛すべきは、作者の百田尚樹氏は相当に大東亜戦争の戦史やゼロ戦の事を調べ上げて執筆されたのでしょう。多くの戦記物を読み漁った者から見ても、実に正確な(と思われる)描写が随所にあります。また、一般の方にとって前時代的な戦記物は退屈な読み物ですが、そこはさすがにベストセラーになるだけあり、長編ながら引き込まれて一気に読み進むことが出来ます。未読の方には是非お勧めしたい一冊です。

「海賊とよばれた男」については未読なので書評は出来ませんが、出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベルであり、現代の日本人が忘れかけている「勇気」「誇り」「闘志」を描いた作品とのこと。まず間違いなく、先の2作品と同じく「日本の右傾化」などという妄想とはかけ離れた作品でしょう。

売国マスコミとして名高い朝日の記者は、本当にこれらの作品を読んだり、観たりして記事を書き、掲載しているのでしょうか。実に的外れで稚拙な記事だと言わざるを得ませんし、反日を国是とする中韓に餌を与えて連携する為に捏造されたものとしか思えません。
同じ結論へ誘導するにしても、もう少しまともで説得力のある内容にすべきです。

もし私が「日本の右傾化」をでっち上げろと要請されれば、まずはアニメの「宇宙戦艦ヤマト2199」をチョイスするでしょう。1974年にTV放送されたオリジナルアニメが38年ぶりにリメイクされ、昨年の4月7日、すなわち戦艦大和が沈没した日に第一章が封切られ、全7章(26話)から成る映画館での先行上映はいよいよクライマックスを迎えるところ、後追いで日曜夕刻のTV放送もかなりの所まで来ています。
ご存じの方も多いとは思いますが、旧帝国海軍の旗艦にして世界最大の戦艦大和を彷彿とさせる宇宙戦艦ヤマトが単艦で遙か彼方のイスカンダルを目指し、戦闘となれば主砲を連射して敵ガミラス艦を次々と撃沈し、更には最終兵器たる波動砲を撃って全てを薙ぎ払うという実に右傾化した、けしからん内容です(笑)。
当時、既に軍国少年だった私はTVも観ましたし、空前のブームで長蛇の列となった劇場版も平日に学校をサボって観に行きました。もう、あれから38年も経ったわけです。まさに、少年老いやすく学なりがたし、ですね。
リメイク版のヤマト2199は基本的にはオリジナルをリスペクトし、設定の矛盾を解消しつつ現代風にアレンジされており、賛否両論あるようですが楽しめるエンタメ作品になっていると思います。映画館の大スクリーンにオリジナルと瓜二つのオープニング映像が映し出され、ささきいさおの歌う主題歌が流れたときは思わず鳥肌が立ち、まるで小学生の頃に戻ったような気分でした。日々生きていれば、何かいい事はあるものですね。

朝日の偏見と捏造の記事を元に安倍政権や日本の右傾化を批判する韓国ですが、自国では日本に原爆を落としたり、皇太子妃が誘拐されたり、天皇陛下が暗殺される小説がベストセラーとなり、それらは愛国的だと賞賛されています。
実に馬鹿馬鹿しい話ですが、最近の旭日旗を絡めた批判報道を含め、これまでは事ある毎に謝罪と賠償を求めてきた韓国が、国際社会において日本を貶める行動を強化していると言えます。それに呼応して米ニューヨークタイムスやイギリス、ドイツの紙面でも日本の右傾化を指摘する報道がなされています。
中韓によるプロパガンダが仕掛けられ、その成果が出ているわけです。これはもう戦争の一種だと考えて扱った方がいいでしょう。日本では沈黙は美徳とされますが、海外では黙っていれば認める事になってしまいます。
きっちりと対抗的な言論戦を行わないと、いつの間にか日本に不利な国際認識が広まってしまう深刻な事態になりかねません。

そして韓国の政治面を見ると、朴槿恵(パク・クネ)大統領が6月末に中国を訪問し、国賓待遇で迎えられたと大きく報道されました。
アメリカの同盟国である韓国が、アメリカの西太平洋支配の要たる日本を差し置き、アメリカ最大の潜在敵国たる中国を訪問したわけです。あの反米反日の盧武鉉(ノ・ムヒョン)ですら訪日が先で訪中は後回しだったのですから、日本も随分と舐められたものです。これは韓国が媚中へ大きく舵を切った事の証左でしょう。
中国の兵法、六韜(りくとう)には「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。そしてやがては滅ぶ」とあります。果たして朴槿恵がいずれなのかは明確ですね。

中国軍部は韓国主導での半島統一を容認すると言っていますから、仮に韓国がこれに乗るとすれば、経済的にはとてつもなく大きく重いお荷物を背負い込む事になりますが、念願の核とミサイル技術を手に入れる事が出来ます。
韓国メディアは中韓同盟が結ばれる事まで予測していますが、仮にそうなれば米韓同盟が破棄されるのと同義であり、韓国は自由主義陣営から脱落する事になります。かつての朝鮮戦争で14万人もの死傷者を出してまで韓国の為に戦い、停戦後もずっと防衛に努めてくれた大恩人たるアメリカを裏切り、北朝鮮を支援した中国の側に付くわけです。アメリカから導入したイージス艦、戦闘機のF-15KやKF-16は宗主国様への手土産といったところでしょうか。しかしながら韓国経済は中国依存度が高いですから、短絡的に見れば悪い話では無いのかも知れません。

ただし中国は歴史的にも朝鮮半島を属国として見ていますし、日清・日露戦争を戦って日本が与えた半島の独立が失われ、100年前に逆戻りする事になります。はっきり言えば、韓国は日米と連携して中国に対抗する以外に属国化を防ぐ手段はありません。それに反する実に愚かな行為に出ているわけです。
朴槿恵は外交カードの切り方が素人目にも稚拙で、就任直後の組閣前から反日全開であり、せっかくの訪中にしても遅すぎる感があります。訪米直後に訪中すれば、もう少し効果が期待できたでしょう。

そして韓国による新たな国家ぐるみの強請・集りも始まっています。
7月10日、韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に対し、大東亜戦争時に新日鉄の前身である日本製鉄に戦時徴用されたとして訴えた裁判で、ソウル高裁が新日鉄住金に損害賠償の支払いを命じる判決を下しました。
これは高裁が個人の請求を退けた後に、韓国の最高裁が高裁に差し戻しての判決、つまり事実上の最高裁判決なわけです。司法が司法として機能していない、狂った状態です。
そもそも当時の朝鮮は自ら併合を望んで日本の庇護を受け、朝鮮人は皆日本人だったわけです。日本人であるが故、戦時下において徴用されるのは当たり前です。
そして、あたかも大東亜戦争の戦勝国を気取ったり、侵略された被害者だと主張する彼らですが、実際は大日本帝国の日本人として戦争をした当事者に他なりません。実に滑稽であり、いかに彼らの中で自尊心とやらを保つ為、都合のいいように改ざんされた歴史が真実となっているかを表しています。

それを差し置いたとしても、日韓間の財産請求権は日韓請求権協定によって完全に解決しており、韓国政府は「経済協力金」を受領済みです。よって個人保証は韓国政府が行うべきものです。国際条約という国家間の取り決めは国内法の上位に位置するものですが、それを全く無視した判決は条約の破棄とも受け取れますし、国交の破棄と同じ意味にもなるでしょう。また、日韓請求権協定が破棄されれば、日本(人)が朝鮮半島に残してきた莫大な資産の請求権が復活しますから、それらの返却を求める事は当然の権利になります。
そしてこれまでに日本が行ってきた数々の支援、1965年の経済協力金8億ドル、1983年の特別経済協力金40億ドル、1997年の通貨危機救済金100億ドル、2006年のウォン高救済基金200億ドル、これらも全て返してもらうべきだと、真っ当な意見も出るでしょう。

敗訴した新日鉄が支払いに応じない場合は韓国内の資産を差し押さえするようですが、ただでさえ今年になって次々と外資の撤退が続く中、日本企業の韓国からの撤退が相次ぐことになりかねません。そもそも新日鉄は韓国のポスコに技術供与を含めた指導を実施し、韓国の製鉄業を育てた企業です。そしてお決まりの技術盗用が発覚し、訴訟にもなっています。まさに、恩を仇で返す行為ですね。
このような前例が出来れば、偽物を含め次々に訴訟が起こされるのは容易に想像できます。
現に7月30日には釜山高裁が三菱重工業に対し、原告韓国人5人に1人あたり約700万円の支払いを命じる判決を下しました。当然三菱は応じないでしょうから、何らかの現地資産の差し押さえが執行されると思われます。
三菱重工は昨年、H-2Aロケットで韓国の地球観測衛星(フランス製で赤外線カメラ未搭載ながら、事実上の偵察衛星)を打ち上げているのですから、普通の神経では考えられません。
もうこれは日本を単なるキャッシュディスペンサーとして利用する強請行為であり、韓国は司法も含めて国際条約を破るのが当たり前の国だと理解するほかありません。

そして軍事面においても、韓国が中国に擦り寄る報道がされています。
6月5日、韓国の鄭承兆(チョン・スンジョ)合同参謀本部議長は中国・北京で中国共産党中央軍事委員会の范長竜副主席と会談し、その後、山東省青島にある中国海軍北海艦隊司令部を訪問しています。
中国北海艦隊と韓国海軍第2艦隊間の「ホットライン(直通電話)」が設置されている3階の作戦当直室を訪れ、第2艦隊に電話をかけて「これからは韓中両国軍が西海(黄海)で同じ作戦を展開しなければならない。中国軍と緊密に協力するよう、将兵たちに伝えよ」と指示したとのこと。その一方、鄭議長の艦隊基地訪問は中国側が難色を示し実現しなかったと報道されていますから、韓国側は随分と軽くあしらわれている感があります。
このホットラインは2008年に設置されたものらしく、一体何の為にあるのか謎ですね。対北朝鮮には全く不要ですし、やはり彼らの共通の敵は日米だと考えるしかありません。
米韓の軍事会議が開かれる度、翌日には韓国からの使者が北京に飛んで詳細を報告しているのですから、ホットラインぐらいはあって当たり前なのかも知れません。

そして7月9~12日には、韓国の崔潤喜(チェ・ユンヒ)海軍参謀総長が韓中軍事交流協力について議論するため中国青島の北海艦隊司令部を訪問し、1700トン級潜水艦の内部を見学しています。
http://japanese.joins.com/upload/images/2013/07/20130713090451-1.jpg
上記の報道写真ですが、本来ならあり得ない画像です。潜水艦にとってハッチとスクリューは最高軍事機密であり、絶対に見せてはいけないものです。撮影や見学の際には、ハッチ部の蓋やハッチ周りはビニールをかけたりして隠します。何故なら、ハッチの厚みを見れば、その潜水艦がどれ位の深度まで潜れるのかが類推されてしまうからです。
写真のハッチがダミーではなく本物だとすると、随分と薄く、さほど深くは潜れない艦だと判断できます。報道記事では「中国が韓国軍に最新鋭潜水艦を公開したのは今回が初めて」とありますが、誰に見せても構わないレベルの沿岸哨戒型でしょう。
そして、中国の潜水艦を見学したならば、次は相互主義により韓国が中国に見学させる番です。同じ潜水艦ならばドイツ設計のライセンス生産艦を見せるか、中国側の要求次第ではイージス艦の見学になるかもしれません。韓国軍部も随分と馬鹿なことをやっているなという印象は拭えません。

以前より、韓国は中国寄りになっていくだろうと予測する軍事評論家は少なくありませんでしたが、最近の韓国の政治、軍事の方向性を見ると、それが急速に現実味を帯びていると感じます。
それでいて、韓国側は2015年12月に迫った作戦統制権返還の再度先延ばしをアメリカに要求しています。要するに在韓米軍の陸軍兵力無しでは対北朝鮮の抑止力が足りないと認識しているのでしょう。今のところアメリカ側は再延長を否定しており、果たして韓国側の思うようになるかはわかりません。
それに加え、アメリカ側の要求する在韓米軍費用の負担増額に韓国が難色を示しており、微妙な関係になりつつあると言えそうです。

このまま予定通りに作戦統帥権が韓国に返還され、在韓米陸軍の撤退が実施されれば、韓国の中国への接近は更に度合いを増し、結果として中韓同盟の締結ないしはそれに近い関係になる可能性は否定できません。
そしてそれは日本の安全保障環境に大きな変化をもたらします。朝鮮半島の38度線であった防衛ラインが、対馬海峡まで南下してくる事を意味するからです。中国人民解放軍海軍が釜山港や済州島を拠点とし、韓国イージス艦を護衛につけた中国空母が我が物顔で黄海にのさばる事態になれば、沖縄尖閣方面と合わせ、日本は二正面作戦を強いられる事になります。
今の自衛隊の能力では対応は厳しく、大幅な増強が必要となるでしょう。現在GDP比約1%の防衛費を先進国平均の2~3%へ上げ、根本的に安全保障体勢を見直す必要に迫られます。「軍隊=悪」などという妄想平和主義を捨て去り、広く国民が国家安全保障を考え、現在の状況と近未来の展望を理解する必要があります。
障害は多く道のりは遠そうですが、我々に残された時間は少ないと思っておいた方がいいでしょう。

さて話題は変わり、米ノースロップ・グラマン社が開発している米海軍向け無人ステルス攻撃機の実証試作機、X-47Bペガサスについてです。
去る5月14日、X-47Bは米空母ジョージ・H・W・ブッシュからの発艦に成功しました。
http://www.youtube.com/v/_FMvNrkwmi0&feature=youtube_gdata
上記動画を観ればわかるとおり、X-47Bは垂直・水平尾翼を持たない全翼機であり、B-2ステルス戦略爆撃機と似たフォルムの機体です。また、飛行甲板にあるF/A-18戦闘攻撃機と比べても遜色ない大きさで、全長約12m、全幅約19m、航続距離約3900km、最高飛行高度12000m以上というカタログスペックです。
米空母の蒸気カタパルトの性能もさることながら、特に離着陸時に不安定とされる全翼機を見事に安定して発艦させています。

そして7月10日には、X-47Bによる空母への着艦にも成功しています。
http://www.youtube.com/v/bD4zRWujp50&feature=youtube_gdata
以前の拙稿でも触れましたが、空母への着艦は難易度の高いミッションです。
飛行甲板後部に張られた3~4本の着艦ワイヤーに機体後部の着艦フックを引っかけて急制動をかけますが、ワイヤーを引っかけ損なった場合の再上昇、いわゆるタッチ・アンド・ゴーに備えてエンジンのスロットルは開いたままで進入します。車に例えるならば、アクセル全開で車庫入れをするようなものです。
更に陸上の滑走路と違い、海面に浮かんでいる空母の飛行甲板は絶えず揺動を繰り返していますから、空母飛行甲板を模した地上でのテストよりも難易度が高くなります。
この動画は見事な着艦で、空力的に不安定な全翼機をスムーズに精度良くコントロールするコンピューター制御には驚くばかりです。

有人航空機の発明以来、その軍事運用はステップを踏んで進められてきました。
まずは飛べるだけの機体を用いた「偵察機」、そして次に地上目標を攻撃する「攻撃(爆撃)機」、更には難易度の高い敵艦や敵機等の動く目標を攻撃する「対艦攻撃機」や「戦闘機」。
無人機に関しても、有人機と同じ道を歩んでいます。米軍が運用しているRQ-1プレデターやMQ-9リーパーといった無人機は、言わば偵察機に対地攻撃武装を追加した形です。これらは遠隔操縦によって飛行し、目標を攻撃します。ただし、その攻撃対象はタリバンやアルカイダといったテロ・ゲリラ組織であり、他国の正規軍と対峙できるものではありませんでした。

それに対し、今回空母からの発艦及び着艦に成功したX-47Bは敵地侵入に適したステルス性を備え、これまでの無人機よりも自律的に飛行します。Xナンバーの実証試作機ですから偵察用レーダーやカメラも未搭載で非武装ですが、近い将来には実用機が登場する事でしょう。
運用としては事前に指定された座標を経由して目的地に達し、標的座標を爆撃・攻撃して帰還する形態となります。これには有人機が随伴し、目標の座標が変更になれば、それを多数率いる無人ステルス攻撃機に指示する形になります。
敵地近くの海域に侵入した空母から発艦する無人ステルス攻撃機の編隊が押し寄せるとなれば、これまでの防空網が無力化される事を意味します。対象が移動する対空・対艦攻撃任務はともかく、対地攻撃任務は無人機の役割になるでしょう。撃墜されたとしても、育成に10年はかかるとされるパイロットが失われないのも大きなメリットです。
米軍では戦闘機を操るバトルゲームが得意な若者を募集しているとの話もありますし、最強ステルス戦闘機F-22ラプターの操縦訓練用シミュレーターを小学生に使わせたところ、数時間後には敵機を撃墜するまでに上達したとも伝えられています。時代が変わりつつあることを感じますね。

アメリカは無人機の分野において世界に先行していますが、他の国もその重要性は認識しており、いずれもX-47Bのように空母艦載機ではなく地上離発着機ではあるものの、イギリスはBAEのタラニス、フランスはダッソーのnEUROn、ロシアはMiGのスキャット、中国は利剣を開発中です。
日本はF-15Jの主翼の下に搭載し、目標近くの上空で切り離す小型偵察用無人機TACOMを研究していますが、他国に後れを取っている感は否めません。予算の問題は勿論ですが、専守防衛を掲げるが故に、偵察の次のステップに当たる対地攻撃能力付与が問題視されてしまうからです。
防衛省はアメリカの無人偵察機グローバルホークの導入を決めていましたが、これを前倒しして2014~2018年度に3機を前倒しで導入するとしています。これは即戦力として大いに活用すべきでしょう。
それに加え、これ以上他国に水をあけられないうちに敵地攻撃能力の保有を認め、積極的に無人攻撃機の開発を進めるのが急務です。さもなければ近い将来、中国の無人攻撃機の襲来に一方的に晒される事になりかねません。

そして最先端軍事技術の常として、次は民間利用へと下りてきます。この場合、民間航空機の離発着操縦自動化が進み、コクピットのパイロットは単なる置物になる日が来るでしょう。そうなれば、先の7月6日に米サンフランシスコ国際空港で起きたアシアナ航空機事故のようなお粗末な出来事は無くなります。
世界を旅して様々な国の航空会社を利用すると、奇妙な操縦に遭遇する事が少なくありません。その典型例が、離陸可能速度を超えても滑走路端まで加速を続け、一気に急上昇する操縦です。乗客にとっては全く快適さに欠ける荒っぽい操縦ですが、実はある意味、これは最も安全な離陸方法です。
空港近くに潜むゲリラやテロ組織等が用いる携帯型対空ミサイルは、射程が短い為に攻撃の機会が限られます。つまり、高度・速度共に低い離陸時及び着陸時が航空機にとって最も危険な、狙われやすいタイミングになります。
上記のように滑走路一杯を使って加速し、急上昇する民間旅客機に乗り合わせたとすれば、そのパイロットは軍上がりの可能性が大です。

では着陸時はどうなのかというと、普通は徐々に高度を下げながら速度も落としていきますが、軍隊式の操縦では速度を出来るだけ落とさずに下降し、機首を大きく上げた状態、すなわちヘッドアップの姿勢で失速気味に着陸します。
ただし、これは本来戦闘機等に当てはまることで、大型の民間旅客機はわずかに機首を上げた姿勢で着陸するのが常識です。お尻の長い旅客機で極端なヘッドアップ姿勢を取ると、尻餅事故を起こしてしまいます。
昔のゼロ戦なども必ずといっていいほど、かなりのヘッドアップ姿勢で着陸しています。ですがこれは車輪の配置から見ると妥当な操縦です。現代の大型旅客機と違い、ゼロ戦を含む当時の軍用機は車輪が両主翼下と機体後部にあるからです。

海外旅行を趣味とする旅人の間では、いくら安くても大韓航空とアシアナ航空にだけは乗るな、と昔からよく言われます。何故なら、彼らは極端なヘッドアップ姿勢で降下し、旅客機にとってはアクロバット的とも言える無謀な着陸を繰り返し、それが腕のいい証拠だと思っているからです。
では、何故韓国の航空会社がそのような無謀な操縦をするのか、それは決して軍隊上がりだからではなく、操縦訓練に問題があるからだとされています。
手持ちの機材で訓練を安上がりに済ませる為、小型のセスナ機を用いた訓練が行われており、その場合はヘッドアップ姿勢での着陸は間違いではありません。ですがその癖が染みつき、それが腕のいい証拠だと信じ込み、自己顕示の為に世界中でアクロバットまがいの着陸を繰り返しているのは有名な話です。
サンフランシスコ空港での事故は起こるべくして起こったものだと考えていいでしょう。

韓国側はボーイング777の機体に問題があったと必死で力説し、機体に問題はなかったとする国家運輸安全委員会(NTSB)と対立状態にありますが、いかに韓国側がお得意のごり押しをしてもNTSBが真実を曲げるはずはなく、彼らの異常性を自ら喧伝する事にしかならないでしょう。
そして興味深い事に、欧米のマスコミはこの事故について「crash」や「crash down」と表記していました。つまり、れっきとした「墜落」だと認識している事の証左です。
それに対し、NHKを始め日本のマスコミは一貫して「着陸失敗」という表現を使っていました。海外メディアの記事も和訳される時点で「crash」は「着陸失敗」へと書き換えて訳されていました。要するに韓国様に遠慮して、印象が少しでも悪くならないように気を遣っているのでしょう。
あの大破した機体を見れば、どう考えても着陸失敗などという軽微な事故ではなく、重大な墜落事故なのは間違いありません。真実を正しく伝えず、特定の国に無用な配慮ばかりして事実をねじ曲げて印象操作する。本当に日本のマスコミには呆れ果てるばかりです。

さて、前述のように無人機が飛躍的な進歩を遂げる中、アメリカの最新鋭有人ステルス戦闘機開発は難航しています。それは、日本も導入を決めているF-35ライトニング2です。
F-35の開発遅れや価格高騰を頻りに煽る報道をしているのは産経です。本当に何かF-35に恨みでもあるかのような拘りぶりですから、それを鵜呑みにする事は出来ません。
しかしながらF-35の開発遅れ、その中でも特にソフトウェアの開発が遅れているのは複数の海外ソースからも明らかですし、高価なF-22ラプターを補完する意味での、ハイ・ロー・ミックスを構成する廉価機として作られるはずだったF-35の調達価格が高騰しつつあるのは事実でしょう。

とは言え、F-35は既に実機での試験飛行を実施しているわけで、その完成度の足を引っ張るのがソフトウェアとは、まるでガンダムの世界が現実になりつつありますね。
通常離着陸(CTOL)機のF-35A、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機のF-35B、艦載機(CV) 型のF-35C、を同時開発する事は勿論ですが、加速度的に進歩する電子機器関係、いわゆるアビオニクスや兵装をコントロールするソフトウェアが膨大な規模となり、迷走が避けられない事態となっています。
では日本がF-35の採用を取りやめ、他の戦闘機へと調達を変更すればいいのかと言えば、それは実質上あり得ないと思われます。それ程に、ステルス性を持った第5世代戦闘機の能力は高く、中国やロシアが開発を進めているステルス機体に対抗するには他に選択肢はないと言えます。
開発を担当しているノースロップ・グラマンのPR動画を観てみましょう。

F-35 JSF AESA Radar (Japanese language) - APG-81
http://www.youtube.com/v/_sKEOtvAukE&feature=youtube_gdata

F-35 統合打撃戦闘機(JSF)分散開口システム(DAS)
http://www.youtube.com/v/BMqVkeyGnD8&feature=youtube_gdata

特にEO-DASの威力は凄まじく、真下だろうと後方だろうと、パイロットは360度全方向を見渡しつつ、どんな方向にでも攻撃をする事が出来ます。
理想を言えば日本も国産ステルス戦闘機を持つべきですが、計画のあるF-3は時期的には2030年頃にならざるを得ず、今の日本にとって選択肢はF-35以外にありません。

では、何故これ程までに軍用機にとってソフトウェアの重要度が高まってしまったのでしょうか。
本来、航空機は空力的な安定性を求めて設計されてきました。長きに渡り、航空機は安定性こそ命だったわけです。それは軍用機においても同じ事で、空力的な安定を確保しつつ、機敏な機動性を求める中で、重視されたのはあくまで安定性です。
アメリカの戦闘機において、その完成型と言えるのがF-15イーグルでしょう。米ソ冷戦期に開発されたF-15は、数々の戦争を経た今でも、実戦で撃墜された機体は存在しません。兵器は実戦の成果で評価されるものであり、新鋭ステルス機F-22は実戦を経験していませんから、未だもってある意味、米軍最強の戦闘機はF-15だと言えます。
そしてイスラエル空軍のF-15は、訓練飛行のアクシデントで片翼を根本から失いながらも、何事も無かったかのように基地へと帰投しました。これはF-15の類い希なる安定性・基本空力性能の高さを物語っています。そして日本も約200機のF-15Jを導入して今日に至っていますが、機体が大柄な事も幸いし、電子機器の改修で未だ一線級の性能を保持しています。

F-15が戦闘機における一つの完成型であるとするならば、新たな時代の幕開けを告げたのはF-16でしょう。F-15が高価な機体だった為、ハイ・ロー・ミックスを構成する廉価機として開発されたF-16ファイティング・ファルコン。
乱暴に言えば、この機体は故意に空力的に不安定になるように設計されました。通常飛行時の不安定さを補う為、絶えずコンピューター制御によって安定性を保ち、いざ急機動となれば優れた運動性能を発揮します。つまり、空力的不安定=高運動性能、の図式になるわけです。
これを実現したのが、フライ・バイ・ワイヤ、と呼ばれる技術です。つまり、パイロットが機体を操る為に操作する操縦桿は意思を伝える為の、ゲーム同様のジョイスティックに過ぎず、コンピューターが裏で勝手に常時適切な制御をしているシステムです。このフライ・バイ・ワイヤによる運動能力向上機(CCV:Control Configured Vehicle)は、機体の進行方向とずれた方向へと移動し、それまでの機体では考えられない機動をします。

F-16はアメリカ同盟国におけるベストセラー機となり、未だに各種改良が続けられています。
では、F-15とF-16がドッグファイト(近接戦)になったと仮定して、どちらが優位なのか。これは一概には言えないと思いますが、上下方向への機動では強力な双発エンジンのF-15優位、左右方向への急機動では小型機でCCV機動の出来るF-16が優位になるでしょうか。
飛行中の航空機は絶えず二つのエネルギーを持ちます。一つは高度に比例する位置エネルギー、もう一つは速度の2乗に比例する運動エネルギーです。一気に高度を上げたF-15は、急降下により位置エネルギーを運動エネルギーに変換し、F-16に勝る速度で襲いかかる事が出来ます。つまり、この対決はF-15がやや優位と考えられます。

軍事技術の民間転用という意味では、皆さんは既にフライ・バイ・ワイヤから来たドライブ・バイ・ワイヤ技術を取り入れた車に乗っています。
一昔前の車はアクセルペダルとエンジンルームのスロットルバルブがアクセルワイヤーで繋がっていました。つまり、アクセルを踏む行為=機械的にスロットルバルブを開く動作だったわけです。しかし、ドライブ・バイ・ワイヤ技術が導入された今日の車では、両者を機械的に繋ぐアクセルワイヤーはありません。
アクセルペダルの踏み込み具合をセンサーで感知し、それを電気信号で伝え、コンピューターによってスロットルバルブが操作されます。つまり、人間と車との間にはコンピューターの演算・判断が介在しており、例えばアクセルを少し踏むだけでスロットルが大きく開いてパワフル感を演出したり、逆にスロットルバルブの反応を抑制して燃費を向上させたりします。
また、同様の技術をハンドルに応用したステア・バイ・ワイヤも実用化されつつありあます。自動車の発明以来、たとえパワーステアリング等の新技術はあっても、ハンドルと操舵機構は必ず機械的に繋がっていました。しかし、それも過去の話になりつつあります。
何だか運転するのが怖い気もしますが、皆さんはいかがでしょうか。

さて、話を軍用機に戻します。フライ・バイ・ワイヤ技術が実用化され、「重い操縦桿をグッと引く」というありがちな描写は過去の物になりました。F-16以降の操縦桿は、家庭にあるゲームのジョイスティックと同じく、数ミリのストロークしか持たない、意思を伝える為のスイッチに過ぎません。(勿論、きついGは体にかかりますが)
あえて空力的に不安定に設計された機体を安定的に飛ばす為に常時コンピューターが姿勢を補正し、機動時には不安定さを生かして俊敏に動く。つまり、コンピューター制御があってこその戦闘機だと言えます。

航空自衛隊のF-2戦闘攻撃機は諸々の事情でアメリカのF-16をベースに作られた、事実上の対艦攻撃機です。この設計に当たってはF-16の諸処のデータが大いに参考になったとされていますが、単なるコピーではなく垂直尾翼以外は全て設計し直すという徹底ぶりでした。
そしてアメリカ側はCCV機動が軍事機密に当たるとして、フライ・バイ・ワイヤのソフトウェア開示をしませんでした。つまり、日本は自力で遜色ないソフトを書き、F-2に組み込んで完成させたわけです。F-16ベースとは言え、実質的には別物と言ってもいいでしょう。

そしてやがて最先端軍用機はステルス機の時代となりますが、浴びせられたレーダー波を正面に返さない、というステルス設計を突き詰めていくと、それは自ずと空力的な安定性と相反するものになってしまいます。
その最たるものがB-2ステルス戦略爆撃機でしょう。全く尾翼のない全翼機であり、航空力学的に安定して飛ぶはずがありません。また、日本が導入を決めているF-35にしても、随分とずんぐりむっくりの機体であり、空力性能が優れているとは思えません。
これらは既に、コンピューターの常時制御無しにはまともに飛べない機体だと言ってもいいでしょう。

それに加え、F-35は通常離着陸(CTOL)機のF-35A、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機のF-35B、艦載機(CV) 型のF-35C、を同時開発するというかつて無い試みですし、EO-DASを始めとする最新のアビオニクスを装備する為にソフトウェアのウエイトが重くなり、結果としてズルズルと遅れを出すに至っています。
中国がロシアから新鋭戦闘機Su-35を購入するとの話はロシア側が否定したり、どうもはっきりと見えない部分がありますが、F-15を主力とする日本の空のアドバンテージが失われつつあることは事実でしょう。

そして時間的なものだけではなく、調達価格がうなぎ登りになっても買わざるを得ない状況ですから、当然他の装備の更新にしわ寄せが来てしまいます。F-35の性能は価格に見合うものだと思われますし、これを得ずして空の国防はアドバンテージを保てませんが、いわゆる正面装備だけを揃えればいいのではありません。
金食い虫の正面装備ばかりに片より、後方支援装備を疎かにすると勝てるものも勝てません。
海外軍事メディアの報道を総合すると、恐らくウエポンユニットコスト込みで一機当たり220~230億円になるのではないでしょうか。第4世代戦闘機のF-15と比較すると約2倍ですね。これを考えると日本もそうですが、他の国が本当に予定通りの調達が出来るのか、疑問に思います。
いずれにせよ、日本の次期戦闘機導入はすんなりいきそうにありません。

さて、建造が進められていた海上自衛隊史上最大のヘリコプター搭載型護衛艦たる22DDHが、8月6日に正式に「いずも」と命名され、進水式を迎えました。
諸々の事情で「護衛艦」とは呼ばれますが、事実上はヘリ空母です。既に運用中のひゅうが型も同じく空母型の全通甲板を持ちますが、ひゅうが型の全長197m、基準排水量13,950トンから更に大型化し、全長248m、基準排水量19,500トンと、かなりの巨艦です。かつての帝国海軍最大の戦艦大和の全長が263mだったのですから、わずか15mしか違いません。

いずも進水式
http://www.youtube.com/v/MT-9maM-Pks?feature=youtube_gdata

上記動画をご覧いただければわかるとおり、かなりの存在感ですね。
中韓のメディアは「いずも」の進水式をこぞって取り上げ、右傾化する日本が空母を所有しようとしていると騒いでいますが、これは戦闘機を搭載する攻撃型空母ではありません。
最大14機のヘリコプターを搭載し、対潜任務を強化するのが目的です。また、50台のトラックや500名の人員輸送能力と併せ、大規模災害時には救援活動の海上基地になる多目的艦でもあります。
中韓ばかりか、国内でもFNNが日米防衛当局の話としてF-35Bの搭載を検討していると報道しましたが、まずあり得ないしょう。確かに、いずもはF-35Bの運用が可能であろう大きさですし、耐熱甲板仕様になっている可能性もあると思われます。
ですが、増強し続ける中国の潜水艦を封じ込める為の対潜能力強化が目的であり、最重要課題を疎かにしてまで攻撃型空母とする必要性はありません。第一、いずもにF-35Bを搭載したとしても精々10機前後が限界であり、戦闘攻撃機の運用が目的ならば、別途予算を確保して更に大きな空母を建造すべきです。

短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機F-35Bの発艦及び着艦
http://www.youtube.com/v/Ki86x1WKPmE&feature=youtube_gdata

とは言え確かに、この動画を観ているとF-35Bが欲しくなりますね(笑)。
発着艦時にはコクピット後方のハッチが開いて下方へ空気を吹き付けるファンが回り、エンジンの可変ノズルが斜め下や下方に向いているのが確認出来ると思います。
米海軍の強襲揚陸艦ワスプは全長約257mですから、「いずも」も十分発着艦が可能な大きさではあります。
米軍と連携して作戦行動を行う際、米海兵隊のF-35Bが着艦して補給を受けられる、という程度に考えておいた方がいいでしょう。

話題は変わり、以前にも拙稿で取り上げた新型国産哨戒機P-1の不具合についてです。
これまで対潜哨戒の主力としてきたP-3Cの老朽化に伴い、後継機として比較的順調に開発が進み納入が開始されたP-1哨戒機ですが、エンジンがストールする問題が発覚し、追加納入が延期されました。
P-1は4発ターボファンエンジンですから、たとえ1基が停止しても問題無く帰投できるはずですが、今回の不具合は4基のエンジンが全てストールしました。
防衛省の発表によれば、「通常の運用では想定されない、高高度における高速度での急激な機動を行ったところ、エンジンが停止するという事象が発生」とのこと。この不具合は開発機では発生していませんから、量産にあたってエンジンの空気導入部の形状を変更したことが原因なのでしょう。

マスコミは随分と大げさに騒ぎましたが、この手のエンジン停止はありがちな問題です。
例えば映画トップガンでも描かれているように、F-14トムキャットはエンジンストールに悩まされた機体でした。きりもみ状態で再点火を試み、無事機体を立て直すシーンは印象的であり、記憶に残っています。
P-1は国産機であること、中国の潜水艦を封じ込める為の新鋭対潜哨戒機であること、空対艦ミサイルや空対地ミサイルを搭載できること等、非常に重要な戦力です。納入初期段階で問題が発覚した事は不幸中の幸いであり、この機会にきっちりと改修して頂きたいものです。

東シナ海や南シナ海において、日米中の潜水艦が集結しているであろう事は以前にも書きました。
しかし、中国の潜水艦が発見された報道はありますが、日米の潜水艦が発見された報道は聞いたことがありません。何故なら、中国人民解放軍海軍の対潜哨戒能力が大いに劣っているからです。
中国メディアは日本のP-1哨戒機を脅威だとする一方、自国にも国産哨戒機が配備されている事を誇らしげに報道しています。この「高新6号」は以前からネット上で呼ばれている「Y-8Q」の事でしょう。
日本の現状の主力哨戒機P-3Cと比較して、航続距離が5000kmと劣ることを認めつつ、P-3Cの約倍にあたる100個のソノブイを搭載できるとしています。ただし、P-3Cの航続距離が約8000kmなのに対し、果たして100個ものソノブイを投下する任務状況があるのかどうかは甚だ疑問です。

下記は、その中国国産哨戒機たるY-8Qの画像です。
http://image01.wiki.livedoor.jp/n/2/namacha2/1ce348159963cbb0.jpg
これを見ると、4発ターボプロップ機であること、機首下部には洋上捜索用レーダーを搭載する大型レドームがあること、垂直尾翼基部には長いブームが設置されており、潜水艦の位置測定に用いられるMAD(Magnetic Anomaly Detector:磁気探知機)が内蔵されている事がわかります。
要は立派な洋上・対潜哨戒機なのですが、どうしても根本的に違和感があります。

現代を生きる我々にとって、最も身近な航空機は民間旅客機でしょう。仕事でも遠方への出張に利用しますし、休暇時の海外旅行でもお世話になります。
では、我々が搭乗する客室を思い浮かべると、それはどんな形状をしているでしょうか。まず、床面はフラットです。側壁には窓があり、上へ行くほど円弧を描くように曲がっています。身長の高い人が窓際の席に座れば、圧迫感を感じる事もあるでしょう。
乱暴に言ってしまえば、いわゆる「かまぼこ」のような断面形状なわけです。それに対し、旅客機の機体は円柱状です。つまり、我々が搭乗する客室の床は、かなりの上げ底だとわかります。

高度な工業製品は、スペースを無駄なく使う事に特化しています。例えば乗用車の場合、エンジンルームには整備性を確保しながらビッシリと機器が詰め込まれ、室内でもわずかな隙間を利用して小物入れがあったり、後部のラゲッジスペースでも車載工具類が巧みに搭載されていたりします。デッドスペースの有効利用です。
これは航空機でも同じであり、無駄なスペースを徹底排除すべく最適化された設計になります。我々が慣れ親しんでいる旅客機は、客室スペースの床は上げ底です。その理由は、胴体の下部に主翼が付いた、いわゆる「低翼機」だからです。
客室の床下には貨物の収納スペース等が設けられ、空間が無駄なく活用されています。

そして対潜哨戒機の場合、ソノブイや各種兵装を床下に収納する必要がありますから、旅客機と同様に、床が上げ底になる低翼機が適している事になります。アメリカの同盟国で広く運用されているP-3Cも、日本国産の新鋭機P-1も低翼機ですし、アメリカの新鋭哨戒機たるP-8も旅客機のB737の流用機であり、自ずと低翼機です。
それに対し、中国のY-8Qは主翼が胴体の上に付いた「高翼機」です。この基本レイアウトの違いが、違和感の元だったわけです。高翼機は天井が低くなると同時、床面が下がりますから、これは輸送機に適したレイアウトになります。例えば未だに騒がれるMV-22オスプレイも例外ではなく高翼機です。

しかし対潜哨戒機の場合はソノブイや兵装収納の為に床面も上げざるを得ないですから、室内は随分と上下に窮屈な空間になってしまいます。
また、高翼機は一般的に空気抵抗が大きく、これがY-8Qの航続距離が短い理由の一つでしょう。そして戦闘機とは違い、この手のモノコックボディの航空機は主翼内部に燃料タンクを配置します。哨戒機は水上艦船や潜水艦を監視するのが任務ですから、その多くの時間は洋上を飛行する事になります。万一トラブルが発生した際には洋上に不時着するしかありませんが、十分に燃料を消費していれば主翼がフロートの役目を果たし、この点でも低翼機が有利です。逆に、高翼機では短時間に機体が沈んでしまう確率が高くなります。

上記の事から、中国の国産対潜哨戒機Y-8Qは根本的に基本レイアウトが間違っている事になります。なにがしかの事情があり、既存の輸送機をベースにして場当たり的に開発された機体なのでしょう。
しかしながら、これまでは対潜哨戒能力が著しく低かった中国が、それなりの機体を作って投入している事になります。日米とも、油断は禁物です。
彼らは、まがりなりにも潜水艦の攻撃から守らなくてはならない空母を保有しました。虎の子の空母遼寧を日米潜水艦の魚雷攻撃で沈められてはたまったものではないでしょう。

その空母遼寧ですが、105mの短距離滑走発艦に初成功した、との報道がされています。
http://www.youtube.com/v/_JDls2vNLzM&feature=youtube_gdata
上記を観ると以前公開された動画とは違い、ワンカットで継ぎ目がなく、ごまかしではなく確かに発艦していることが確認出来ると思います。無断劣化コピーとは言え、さすがにロシアのSu-33は優秀だと言えるでしょう。ただし、今回もミサイル等の兵装はなしで、果たしてどれ位の燃料を積んでいるのかも定かでなく、ギリギリ一杯に軽量化した状態の可能性はあります。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/99/Ussr_cv.png
動画は明らかに、上記画像の2の位置から発艦しています。
となると、更なる燃料や兵装を積んで発艦しようとすると、3の位置からに限られます。これはアングルドデッキの着艦スペースと重なる為、苦しい運用になりそうです。
米海軍のカタパルト発艦を見慣れていると、スキージャンプ式はどうしても頼りなさげに見えてしまいます。
いずれにせよ、中国は攻撃型空母の運用に向け、着実に訓練と実績を積み重ねています。

上記のように内海で空母の訓練を実施しながら、中国は沖縄尖閣諸島への領海侵犯を繰り返し、その圧力と同時に尖閣領有権問題の「棚上げ」を提示し、それが日中首脳会談開催の前提条件だと示唆しています。
我々はこれに騙されてはいけません。中国側の言う「棚上げ」とは、その前提として尖閣が中国領土であることです。棚上げを認める事=尖閣が中国領土であると認める事になります。断固として、不法行為に対し徹底抗戦を続けるのみです。

そして、中国がちょっかいを出しているのは日本のみならず、インドのカシミール地方もその舞台です。4月中旬にカシミール地方の国境線を超えた人民解放軍とインド軍の対峙が続き、インドマスコミは大きく取り上げていました。
これは5月上旬に両軍司令官の話し合いにより、一旦解消して撤退が行われました。その間、約3週間。尖閣に対する強硬な態度とは随分違う印象を受けます。勿論、これはインドが核を持っているからでしょう。核を持つ国と対等に話をするには、こちら側も核を所有して同等の立場に立たなければなりません。
我々は今一度、この報復力としての核保有の重要性を認識しなければなりません。

ところが核保有国たるインドに対しても、中国の挑発的無法行為は収まりません。
6月中旬には人民解放軍がまたしてもカシミール地方に侵入し、監視用のシェルターやカメラを破壊し、更には7月に入ってからも3回、インド側支配地域への侵入を繰り返しています。
ここで甘く見られて舐められてはダメだと判断したのでしょう。インド政府は1兆900億円(6500億ルピー)を投じて印中国境沿いに5万人規模の部隊新設を決めました。3個師団として1兆円規模となると最低でも戦車3個連隊、300~400両の戦車調達が含まれるのでしょう。実に適切な判断であり、1兆円を投入出来るとは羨ましい限りです。
インドは核を持ち、老朽化したイギリス製中古空母の更新にロシア製中古空母を調達しながら国産空母を建造し、国産原子力潜水艦も臨界に成功し、着々と中国に対抗する力をつけてきています。

そのインドが日本からの調達を交渉中なのが、海上自衛隊が採用する新鋭飛行艇US-2です。
かねてからインド側はUS-2に興味を示していましたが、2012年6月に日印海軍の共同演習が相模湾で実施された際、海自の投入したUS-2の性能を間近で見て確認しています。波高3mでも離着水でき、最低飛行速度90km/hの短距離離水は驚異的な性能です。
また、タイやインドネシア、ブルネイ等もUS-2に関心を示していますが、1機約100億円という価格を考えれば、なかなか実際には手を出しにくいでしょう。この海自ですら5機しか配備出来ていない高価な飛行艇を、インドは15機前後の購入を検討中です。
日本にとっても、インド洋での海上監視能力が高まり、重要な洋上輸送路の安全確保が期待できるのはメリットとなるでしょう。

そして6月には、US-2の高性能ぶりを証明する出来事がありました。まだ記憶に新しい、辛坊治郎のヨット遭難事故です。
東日本大震災に起因する浮遊物の多い太平洋を、よりによって海の荒れることの多い時期に、全盲のセーラーと組んで横断するリスクは高く、浮遊物等を見張るワッチは24時間辛坊が担当しなくてはなりません。衝突したのは鯨だとされていますが、彼はその時寝ていたわけで、お話にもならない迷惑な冒険です。

それはさておき、遭難地点は宮城県沖1200kmで、通常海難救助に使われるヘリでは全く航続距離が足りません。仮に日本がMV-22オスプレイを保有していたとしても、空中給油なしでは飛ぶことの出来ない遠方です。哨戒用の固定翼機を飛ばせば位置確認は出来ますが、ヘリのようにホバリングが出来ないので救助は不可能です。
となると海上保安庁は足の遅い巡視船で現地へ向かうしか手段がなく、人命救助の為に緊急を要するとなれば、航続距離4500kmを誇る海上自衛隊の救難飛行艇しかありません。
現場海域は風速15m、波高4mとかなりの荒れ模様であり、たとえUS-2でも簡単な任務ではなく、哨戒機とペアで出発したUS-2の第一陣は上空旋回で燃料を消費して帰投、第二陣のUS-2が強行着水して救助に成功しました。

カタログスペックでは最大波高3mとなっていますが、パイロットの技量次第では5mまで対応可能とも言われており、今回もスペックを超えて無理をした使い方だったと思われます。その証拠として、厚木基地に帰投した際の報道動画では右翼内側のエンジンが動作していませんでした。恐らくは着水時に荒波を被って損傷したものの、残りの3発のエンジンのみで問題無く離水・帰投可能だったのでしょう。
飛行艇のエンジンは離着水の度にどうしても海水の飛沫を吸い込みますから、機内にエンジン洗浄用の真水タンクを備えており、4発中2発を止めて洗浄する訓練を実施しているはずです。
やはり4発エンジンはいざという時に頼りになります。

海自が保有する飛行艇は小笠原等の離島で急患が出た場合の緊急搬送にも活躍していますが、本来はトラブル等で着水した哨戒機の乗組員を救助する為のものです。
また、沖縄のF-15CやF-16が洋上に墜落した事故でもパイロット救助の実績があり、今回のヨット遭難救助は米軍ですらすぐには救出手段の確保が難しいレベルです。優秀な飛行艇を作る技術を持った新明和工業を、そして優れたパイロットや乗組員を持つ自衛隊を、我々はもっと誇りにしていいと思います。

そして日本が世界に誇れる技術と言えば、やはりH-2ロケットは外せません。
去る8月4日には、H-2Bロケット4号機が見事な打ち上げに成功し、国際宇宙ステーションに物資を届ける無人輸送機「HTV(こうのとり)」も無事ドッキングに成功しました。
開発当初は打ち上げ失敗もありましたが、今回でH-2AとH-2Bを合わせて20回連続での打ち上げ成功、成功確率は96.2%となり、欧米に対抗できるまでに高まっています。日本が独自の軍事偵察衛星を打ち上げられるのも、国産のロケットを独自運用しているからに他なりません。
ただし、円高もあって打ち上げコストはどうしても高くなり、商業的な国際競争力は劣るのが現状です。これに対処すべく、打ち上げコストの半減を目指した新型液体燃料ロケットH-3の開発が来年より始まり、2020年の1号機打ち上げを目指します。

ロケットの心臓部と言えばやはりエンジンですが、H-2ロケットのLE-7Aは2段燃焼サイクルと呼ばれる方式の為、高温高圧に耐える強度と複雑な構造を持ち、チタン合金の溶接は職人技が要求される芸術的なものです。量産効果も出にくく、良くも悪くも日本ならではの一品かと思います。
これに対し、H-3のLE-Xは2段燃焼サイクルを廃し、構造を大幅に簡略化すると共に1段目と2段目を共通化して量産効果を狙う構想です。
また、将来の有人飛行も視野に入れた安全性と加速プロファイルの実現も目指しています。順調に開発が進み、空高く上がる日を楽しみにしたいと思います。

そして、今我々が注目すべきは、8月27日に打ち上げが迫ったイプシロンロケットでしょう。
日本は独自開発の三段式全段固体燃料ロケットM-V(ミュー・ファイブ)を実用化していましたが、打ち上げコストが高く、7号機で運用が終了していました。イプシロンはその後継であり、比較的小型の衛星をM-Vの約1/3のコストで打ち上げる事を目指して開発されました。
1段目はH-2A/B用固体ロケットブースター(SRB-A3)を流用し、2段目はM-V用2段目(M-34c)を流用、3段目はM-V用キックモータ(KM-V2b)を流用、という構成です。

大きなペイロード、すなわち搭載能力や複数個の衛星を軌道へ投入するには再点火の可能な液体燃料式のH-2やH-3が最適でしょう。
そんな中、何故三段式固体燃料のイプシロンが注目に値するかと言えば、それは大陸間弾道弾(ICBM)への転用が可能だからです。例えば北朝鮮のテポドン2のように液体燃料式のミサイルならば、まずは発射台に設置し、燃料を注入する必要があります。燃料を予め注入しておいてロケットを起こすと、燃料の重みにタンクボディが耐えきれずに折れてしまいます。また、燃料に含まれる酸化剤によるタンク腐食の問題もあり、長期保存に問題があります。
その点、固体燃料ロケットは乱暴に言えばロケット花火のような構造ですから、いつでも短時間で発射態勢に移行することが出来ます。日本のロケット研究・開発は固体燃料で始まっていますし、その独自ノウハウは定評があります。このアドバンテージは、世界的に見ても優秀な各種軍事用ミサイルの開発にも現れています。

北朝鮮がミサイルを転用したロケットで自称人工衛星の打ち上げに成功しても、世界はまだアメリカ本土を狙える弾道弾の開発が完了したとは見ていません。何故なら、一旦大気圏を離脱した弾頭は再び大気圏へ突入しなければならず、その際の空気断熱圧縮と空気摩擦による高温から核弾頭を守る技術を確立しているとは考えにくいからです。
では日本はどうなのかというと、これはM-Vで打ち上げた探査機「はやぶさ」を思い出して下さい。度重なる故障や障害に見舞われながらも、はやぶさは小惑星いとかわに着陸してサンプルを採り、惑星間航行速度で地球へと戻って来ました。その際の大気圏突入速度はマッハ30超と凄まじく、1万度の高熱に耐えたカプセル内部温度は50度、無事目標地点から400mの位置に着地しました。

この事実をもって日本に弾道弾の再突入技術があると断言はしませんが、それを実現する為の周辺技術があるのは間違いないでしょう。
また、M-Vに比べて小型化及びコストダウンしたイプシロンロケットにしても、まだICBMとして使うにはオーバースペックであり、贅沢すぎます。転用しようとすれば可能ですが、性能やコストに無駄が出てしまいます。更に小型化し、垂直発射管を備えた潜水艦に積んでSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル:Submarine-Launched Ballistic Missile)として運用出来れば大きな抑止力になります。
中国やロシア、北朝鮮といった周辺国が核を保有してミサイルの照準を合わせているのですから、対等な立場で話し合いがしたければ、日本も抑止力として核を持たざるを得ません。日本に多くの原発があるのも、理由の一つはプルトニウム保有の為と考えられます。
IAEAやNPTといった国際的な縛りがありますから即座に核保有は難しいでしょうが、いつでも核を持てる可能性と核技術力、弾頭を敵地に投射できるミサイル技術を保有する事は重要です。
その為の大きな要素であるイプシロンロケットの打ち上げ成功を願います。

日本が世界に誇る技術と言えば、身近なところでは、やはり高速鉄道の新幹線も外せません。
日本の高速鉄道技術は既に台湾と中国へ輸出されていますが、中国には丸々コピーされた挙げ句、好き勝手に国際特許まで出願されてしまう馬鹿さ加減です。JR東日本と川崎重工は実に愚かであり、国を売るに等しい行為なのは元より明らかでした。
しかし、鉄道網の優秀さは車両の性能だけで決まるのではなく、その運用も含めて評価すべきです。中国では2011年に衝突脱線事故を起こして死者40名を出しながら、ろくな原因調査もせずに重機で掘った穴に事故車両を埋めてしまうという凄まじい対応です。
それに対し日本の新幹線は開業以来50年にわたり、乗客の死者はゼロを誇っています。在来線では大きな事故も起こしていますが、新幹線に関しては安全性に絶対の配慮をしている事がわかります。よって他国が高速鉄道の輸入・導入を考える際、日本の運行実績は大きな売りとなります。

インドに対しては日本と中国が高速鉄道の売り込みをしていましたが、インドは日本を選びました。これは上記の安全運行面での実績を見れば明らかに日本が有利ですが、実際の理由はそれだけでは無いでしょう。
それはつまり、鉄道が本来軍事的な側面を持つからです。いざ有事となれば兵士や武器弾薬を満載し、紛争戦闘地域に輸送せねばなりません。鉄道のイニシャルコストは高いですが、輸送能力は極めて高く、平時も有事も重要な基幹インフラとなります。
ご存じのとおりインドと中国には国境紛争があり、今も度々衝突が起きています。そんな中国から高速鉄道を導入すれば、いざという時に使えなくされてしまったり、必要なメンテナンスを受けられなくなり、軍事行動に大きな影響が出る恐れがあります。しかし、少なくとも近未来において戦争状態になる可能性が低い日本からの導入であれば、この問題はクリアできます。
それに加え、インドでは既にデリーの地下鉄に日本製の車両と運行システムが採用されており、インド人の手によって一定以上の水準を維持して運行されています。この実績も判断材料の一つとなったのは間違いないでしょう。

さて、次に中国が傍若無人な侵略行為を繰り広げている南シナ海絡みについてです。
まずはベトナムからの中古巡視船10隻の供与要請に対し、日本は新造船をODA供与する方向で検討しています。ただし、ベトナムの場合には大きな問題があります。
ベトナムの海上警察(沿岸警備隊)は海軍とは別組織にはなっていますが、軍直下の一組織の位置づけです。これに軍への援助を禁じたODAが引っかかってしまいます。よって、日本側は海上警察を軍から切り離し、独立した組織に改編する事を打診しています。
ベトナムは中国の脅威に対処する為、アメリカから対潜哨戒機P-3Cの購入を予定していますし、米軍の寄港地も作るとしています。つまり、軍事はアメリカが、警察は日本が支援する分業体制になっており、これは明らかに日米が示し合わせて動いているとしか思えません。
また、ベトナム海軍はインド海軍からの技術支援を受けていたり、潜水艦購入を巡ってロシアとのパイプも構築しています。他に日本が協力できるとすれば、外国海軍の寄港できる港湾設備の建設あたりでしょう。

そして同じく日本から新造巡視船10隻のODA供与が決まっているフィリピンですが、実物の受け渡しにはまだ時間がかかります。そんな中、8月にはアメリカが供与する中古のハミルトン級巡視船がマニラに到着します。これもベトナムの件と同じく、日米の連携した動きでしょう。つまり、日米は対中戦略を同じくしている事を示すものと思われます。
この中古のハミルトン級は76mm単装速射砲×1基、25mm単装機銃×2基を主な装備とする船であり、十二分に強力な武装を持っています。中古故に寿命は短いでしょうが、即戦力としてこれを使い、日本からの新造船を待つ態勢になりそうです。

中国とベトナム・フィリピン等が領有権を争っている南シナ海の西沙諸島(パラセル諸島)において、6月から大量の中国漁船がセメントや鉄筋、石材等を運び込んで軍事施設の建造を開始しました。この事案は7月下旬には5000トンクラスの船が停泊できる大型埠頭が完成し、中国メディアは「南シナ海で最初の大型民間総合埠頭」と喧伝し、爆竹を鳴らして完成を祝う様子が報道されました。
フィリピン外務省が中国との二国間協議を行わないと表明する中、中国政府は西沙、南沙、中沙の3諸島を「三沙市」に格上げし、中国中央軍事委員会は3諸島を統治するため「軍事区」を設置することを決めており、「住民」の身分証発行や国家図書館の分室設置など、実効支配を強める動きを加速させています。

さすがに中国、弱い者には徹底的に強硬に出ます。この海域が中国の影響下に入ると、日本のシーレーン確保が不味い事になります。台湾とフィリピン間のバシー海峡を中国のいいようにされてしまう恐れがあるからです。
http://media.hotair.com/greenroom/wp-content/uploads/2011/07/45552694_south_china-sea_466a.gif
上記地図の赤点線が、中国が主張する自国領海です。フィリピン・ベトナム・ブルネイ・マレーシア・インドネシアの領有権を全く無視した、実に無理のある強引すぎる主張です。無法者国家たる中共自身が拒否権のある安保理常任理事国なのですから、国連という国際機関が何の意味もなさないことは明らかです。南沙戦争勃発ともなれば、国連の崩壊・分裂の序章になるかもしれません。

フィリピンが米軍を追い出した辺りから一気に雲行きが怪しくなってきた南シナ海の領有権問題ですが、外国軍の駐留を禁止する法律まで作っておきながら、再びフィリピンはスービック港に米軍を受け入れる方向へ舵を切りました。事態はそこまで切迫しており、背に腹は代えられないのでしょう。
日本もここで黙っていてはダメです。国際的な輸送海路の安全確保の為にも、武器輸出三原則が云々などと妄想平和的な事に拘っている場合ではありません。
東南アジア各国を支援し、連携して中国の横暴を抑止しなければなりません。南シナ海が中国の思うままに落ちれば、次なるターゲットは海上保安庁が懸命に耐えている尖閣諸島、そして沖縄へと本格的に魔の手が伸びるでしょう。

日本が68回目の終戦の日を迎えた8月15日、中国共産党中央委員会の機関紙たる人民日報は「尖閣諸島はおろか、沖縄すら日本の領土ではない」と言い切り、「米国は勝手に沖縄を日本に戻す権利はない」と報道しました。
人民日報はこれまでも「清は日清戦争後の下関条約で沖縄を奪われた。日本はポツダム宣言を受諾した以上、沖縄の帰属について議論すべき」とする論説を掲載してきましたが、今回は中国共産党中央委員会の公式見解として沖縄の領有まで明確に主張しているわけで、もはや宣戦布告に等しい侵略予告だと言えます。

多くの保守派が以前から「こうなるぞ」と指摘していたとおりになった訳です。南シナ海にしても、東シナ海の尖閣にしても、各国が個別対応していては不味い事になります。アメリカを巻き込みつつ、多国間で共同対処する必要があります。
この図式は、かつて短命に終わった大東亜共栄圏にアメリカが加わる形であり、21世紀の大東亜共栄圏をまとめて引っ張っていける国は日本以外にありません。もういい加減に、日本の戦後は終わらせる時が来ています。
そして経済面でも活発な交流を行い、東南アジア諸国が中国に拮抗するだけの投資価値を持つ市場に発展すれば、台湾や香港を取り込むことも可能となるでしょう。これが対中包囲網の最終形態に近いと考えます。

さて、拙稿では中国絡みの事案を扱う事が多かった為、今までに取り上げなかったアジアの国の話題を加えてみようと思います。
去る4月の中旬、タイ南部のスラタニ空軍基地にスウェーデン製の戦闘機「サーブ39(JAS39)グリペン」3機が納機されました。これはタイ空軍が購入した計12機のうち、バンコクのドムアン基地に配備された6機に続くもので、残る3機は9月に納機の予定です。
アメリカの戦闘機を採用する日本では一般に聞き慣れない機種だと思います。サーブはかつて自動車メーカーとして知られていましたが、本業は軍用機や軍需品のメーカーです。

JAS39グリペンは日本でも一部の軍事マニアには人気の機種で、チェコやハンガリー、南アフリカ等にも輸出されていますが、タイにとっていい買い物だったのではないでしょうか。この機体の特徴の一つが整備性であり、徴兵した促成整備員5人で全ての整備が簡単に出来るように作られています。
タイ空軍の主力戦闘機はアメリカから導入したもの及びシンガポールから無償譲渡された中古のF-16ですが、墜落事故が相次いだことや整備力不足により、いわゆる共食い整備になって稼働率が低下しています。繊細で工芸品的なアメリカ製戦闘機よりも、ある意味大雑把で粗雑な整備でも運用出来るグリペンは発展途上国には適していると言えます。

国民人口が1000万人を切るスウェーデンが独自の戦闘機を開発し、輸出までしているのは率直に言って凄いですね。小型機故に航続距離が短いこと、搭載できる兵装量が限られる事等、中国やロシアと対峙しなければならない日本で運用するには辛いですが、対空、対艦、対地攻撃がこなせるマルチロール機であり、隣国との間で国境線を巡った小競り合いがある程度のタイには十分なスペックです。
そして、北欧の小国ながら長らく武装中立政策を守ってきたスウェーデン、その空軍のドクトリンは「ゲリラ戦」です。国力に勝る大国の侵略を受けたとき、それを正面から受け止めるのではなく、残存性を高めて維持した兵力でゲリラ戦を行う事が想定されています。
その為に航空基地は半地下化や要塞化され、国土に分散して航空兵力が配備されています。当然ながら空港の滑走路は破壊されることを前提にしており、幅7m、長さ400mの直線道路があれば短距離離陸が出来、同じく500mの直線道路に短距離着陸が可能です。
タイにおいても首都バンコクだけでなく、地方都市のスラタニなどでも近年は郊外に立派な道路が整備されていますから、いざ有事の際にはその短距離離着陸の性能が大いに役立つでしょう。

さて、タイは古くから日本の良き友人であり、タイ王室との皇室外交も行われ、東南アジア諸国では唯一白人国家による植民地化を逃れて独立を守った、外交に長けた国です。大東亜戦争においては日本の側に付き、米英に対して宣戦布告を行いつつも裏では外交ルートを保ち、日本の敗戦が避けられないと判断すると連合国側に鞍替えするという身の軽さを持ちます。
とは言え、終戦後は日本の借金を棒引きにしてくれるなど、基本的に親日国だと考えていいでしょう。
東南アジア諸国に共通することですが、やはり華僑勢力が経済的に力を持っており、軍備の面でも海軍が中国製のフリゲイト艦を導入したりしています。ですが軍事的なスタンスはアメリカ側であり、米軍との合同軍事演習も毎年のように実施されています。

陸海空の軍備全般に関しては発展途上国にありがちな、色々な国の兵器が混在した状態ながらも、国力相応の装備は持っています。
その中で特徴的なのは、タイは東南アジア諸国で唯一の空母保有国であることです。スペインに発注して建造された「チャクリ・ナルエベト」は、全長180m強のスキージャンプ式飛行甲板を備えた軽空母です。
艦載機はこれもスペインから中古で購入したAV-8S マタドール、すなわちイギリスのハリアー垂直・短距離離着陸機(V/STOL機)計6機です。

しかし、就役時に起こったアジア通貨危機により予算不足に陥り、艦載機は整備もままならずに陸上保管状態となり、実際にはヘリ空母として運用されるに留まっています。
そしてチャクリ・ナルエベトの一番の特徴と言えるのが、艦内に豪華な装飾を施した王室専用の貴賓室を備えていることです。王族が近隣諸国を訪問する際に用いる想定ですが、まがりなりにも戦闘機を積んだ空母で他国に乗り付けるというのですから、その感覚には驚いてしまいます。
現代の空母はかつての戦艦に代わる水上戦闘艦の主役ですから、王族が空母に乗って他国を訪れる行為は、威嚇の為の砲艦外交に他なりません。
いずれにせよ、タイは「我こそは東南アジアの盟主なり」と自負しているのでしょう。

そして、国土の大きさや人口、経済規模などを勘案すれば、東南アジアの盟主争いをしているライバルは、タイとマレーシアでしょう。シンガポールは東南アジアでは飛び抜けて近代的な国家ですが、如何せん国土が狭すぎます。
近代国家として産業を発展させて盟主の座に着くには、自動車産業は重要な位置づけとなります。高品質な自動車を生産して輸出してこそ、一人前の工業国を名乗れます。
1980年代、タイとマレーシアは自動車産業の育成を推し進めました。タイはトヨタやいすず、ホンダ等、日本メーカーの自動車工場を積極的に誘致しました。それに対しマレーシアは、三菱自動車と資本・技術提携し、国産自動車メーカーのプロトンを立ち上げました。三菱の型落ち大衆車をそのままノックダウン生産しただけとはいえ、まがりなりにも国産車ブランドを持ったわけです。

これらの政策が成功するかどうかはともかく、どちらの志が高いかは一目瞭然です。当時マレーシアを旅すると、マレーシア人は口を揃えて自慢したものです。「タイは日本に魂を売り渡したが、マレーシアには国産車プロトンがある」。そう語る彼らは実に誇らしげでした。
ところが時が流れると、随分と事情が変わってきます。タイ製の自動車はぐんぐんと品質を向上させ、今日では広く世界へ輸出されるに至っています。日産のマーチや三菱のミラージュは全てタイ製であり、それを日本にも輸入して低価格を売りに販売されています。
それに対し、プロトン車の品質は向上せず、マレーシア国内ですら購入する人は激減し、輸出も一部のアフリカ諸国にしか売れない事態になってしまいました。
近年では逆にタイ人が誇らしげに語ります。「タイの自動車産業は発展し、今やタイで作った車を世界中に輸出している。それに比べ、マレーシアのプロトンを買う国は無い」と。
これには様々な要因があり、複雑に絡み合っていると思われますが、大きな要因の一つに心当たりがあります。

円高が進む中、N社は半導体生産装置の増産とグローバル展開を目指し、マレーシアに現地法人を立ち上げ、首都クアラルンプール郊外の工業地帯に生産工場を作りました。
単なる生産工場としてではなく、客先仕様に対応する最終の細かな設計も現地で行う方針となり、機械設計や電気設計、ソフトウェア設計の技術者を採用する事になりました。彼らは総計20名程度で、将来の幹部候補でもあり、まずは日本国内で3ヶ月間の研修・実習を実施することになりました。
その際、日本側の技術者の中で英語が出来る者が選別され、私は通訳として彼らの研修に付き合うことを命じられました。多少のマレー語が出来る事もあり、また、連日深夜までの残業に明け暮れる日々から逃れて定時退社でき、それなりに楽しい日々を過ごした記憶があります。

マレーシアの国教はイスラム教であり、多民族国家ながらイスラム教徒のマレー系が7割を占めます。
当然ながら、N社では受け入れ準備が慌ただしく行われました。日に5回のお祈りをする為の部屋が専用に設けられ、天井にはメッカの方角を示す矢印がマーキングされます。社員食堂では、豚肉を食べられない彼らの為に、豚に関わる一切の食材を廃した専用メニューが用意されました。
随分と大変だなと思ったものです。

研修が始まると、彼らが非常に優秀な人材であることがわかりました。それもそのはずで、日系企業の現地法人に技術者として採用されるのですから、彼らは競争を勝ち抜いたバリバリのエリートであり、アメリカに留学して学んだという者すら珍しくありません。
彼らは機械工学、電気工学の基礎は確実に身に付けていて、会社側が用意した研修資料は申し訳ないほどに簡単すぎる内容でした。
彼らと毎日、ほぼ一日中一緒に過ごし、私の適当なマレー語の受けも良く、随分と親しくなりましたが、ふとあることに気づきました。彼らの誰一人として、お祈りの為に席を外す事が無いのです。結局、最後までお祈りの為の部屋が使われることはありませんでした。

そして定時上がりで夕食を共にするときには、彼らは豚肉の料理をオーダーして平然と食べます。そればかりか、ビール等のアルコールも人前で平然と飲み干します。
イスラムではアルコールは「悪魔の水」であり、マレーシアでも中級以上のホテルラウンジなら外国人は飲めますが、安宿に泊まったりするとビールを求めてチャイナタウン探しに奔走する羽目になります。
彼らによれば、日本にいるのだから構わないそうで、マレーシアにいても家の中ではこっそり飲んでいるとも言っていました。

これが意味するのは、国を発展させる為に技術を学べば学ぶほど、国家の根幹をなすイスラムの価値観が色あせるということです。現代の科学は西洋文明発祥のものであり、それを取り入れる事はイスラム的倫理観の崩壊をも意味します。
それに加え、日本的な会社組織にも彼らは馴染めません。年功序列の無能な上司が絶対権力を持ち、最優先だと指示した仕事の上に、更に最優先の案件を無理矢理ねじ込みます。極めて優秀で頭脳明晰、西洋的価値観に目覚めた彼らにとっては馬鹿馬鹿しくてやっていられないでしょう。
現に、彼らが研修を終えてマレーシアに戻った1年後には、華僑系の数人を除く殆どが離職していました。もっと自由で実力主義の、欧米系の企業に移る場合が多いそうです。
まず間違いなく、マレーシアにおいてプロトンの発展を阻害した大きな要因の一つだと思います。

それに対してタイ人の95%は仏教徒であり、宗教的制約事項も少なく、西洋文明や技術を取り入れても宗教的崩壊には至りません。日本の自動車各社の指導を受けながら次第に実力をつけ、現在の高品質と自動車輸出国の地位を手に入れたと言えます。
あくまで日本を筆頭とする他国のブランドで売っているに過ぎませんが、タイの貿易収支を支える産業に成長したことは間違いありません。

では、タイの宗教に全く問題がないかと言えば、そうではありません。彼らは敬虔な仏教徒が多く、早朝に托鉢する僧侶に両手を合わせて拝み、供物を捧げる姿が至るところで見られます。これは葬式仏教と化している日本とは違い、素晴らしく純真で眩しくすらあります。
そして彼らは死後の世界、すなわちあの世や地獄といったものを頑なに信じており、いい大人がちゃちで出来の悪いその手の映画を真剣な眼差しで観ています。更には現世でいかに徳を積むかによって、輪廻転生する来世の境遇が決まるのだと信じきっています。
一体何が問題なのかと思われるかも知れませんが、これがタイの民主化や先進国化を阻害する要因です。金持ちは様々な慈善事業に大金を寄付し、庶民も托鉢の僧侶に施しを欠かしません。ところがこれらの行為は自分が「徳を積む」為であり、決して利他的なものでは無く、あくまで利己的な行為なのです。徳を積み、来世で恵まれた環境に転生するための先行投資でしかありません。

これはすなわち、現世で貧困に生まれた人々は前世で徳を積まなかったからであり、自業自得だという考えと密接に関わり合います。特権階級や金持ちに生まれた人達は前世で徳を積んだ当然の結果であり、貧困に生まれた人達は前世で徳を積まなかった馬鹿な人間に過ぎません。軽蔑の対象であり、愚か者の証であり、彼らに施しをすることは決して彼らの為ではなく、自分の来世をより良くする為の徳を積む行為でしかないのです。
そしてタイには相続税も固定資産税もありません。つまり、特権階級や金持ちの子孫はいつまで経っても金持ちのままであり、貧しい人達の子孫はいつまでも貧困から抜け出せません。富の再分配の仕組みが存在せず、社会福祉の概念は無きに等しく、その事に疑問すら抱かない社会だと言えます。

本質的には上記のような問題をはらんでいるタイですが、先進国から旅行で訪れる分には全く問題にはなりませんし、多くの場合問題に気づきさえしないでしょう。
今日のタイは立派な観光立国でもあり、穏和な性格の人が多い(ように見える)事もあって、「微笑みの国」などと呼ばれていますね。パタヤやプーケット等、ビーチリゾートを訪れた方も多いかと思います。どこへ行っても貧困を原因とする売春婦が多いのが家族連れには難点ですが、リゾートに滞在して観光地を巡る程度であれば治安もかなり良好ですし、楽しい時を過ごせるでしょう。
ただし、これはあくまで「東南アジア諸国の中では比較的治安が良好」ということに過ぎません。当たり前ですが日本とは違いますから、それなりの用心は常に必要です。

ところが実際にタイ人の中へ入って生活してみると、随分と事情が違ってきます。
発展途上国のご多分に漏れず、タイでは登録制で銃器の所持が可能です。当然ながら非合法の銃器を売買するブラックマーケットがあり、誰でも安価に手に入れる事が出来ます。
一般家庭のお茶の間に実弾を装填した拳銃が無造作に転がっているのは日常的な光景ですし、部屋の隅にはショットガンが立て掛けられていたりもします。少し田舎へ行くと、まがりなりにも観光客相手のレストランの片隅で拳銃の手入れをしている光景を見るのも度々です。当然ながら銃器を用いた犯罪が多発し、強盗、殺人、レイプと何でもありの随分とバイオレンスな世界です。
彼らの中には自衛の為に常に拳銃を手放さない人もいますし、それ程ではなくとも夜間に出かける際には拳銃を携行するケースも多いです。足手まといになるなと予備の拳銃を渡され、私までジーンズの腰に飛び道具を隠し持つ羽目になります。
しかしながら、これは極めて合理的な行為でもあります。相手が銃器で武装しているのなら、こちらも同等の銃器を持ち、対等の立場に立って抑止しなければなりません。これは国と国との関係でも同じ事が言えます。

そんな、日本の常識からすればとんでもない世界ですが、逆に利用価値も大いにあります。
前述の戦闘機グリペンが納機されたスラタニは、私にとってなじみ深い場所です。著しい発展を遂げる首都バンコクは高架鉄道スカイトレインの整備で青い空が塞がれてしまいましたが、古くからの商都であるスラタニは、どこか一昔前のバンコクの雰囲気が漂うような、時間の流れがゆっくりとした素敵な街です。ついつい、二ヶ月も長居してしまった事すらあります。
市街から車で30分ほどの郊外に、スラタニのアーミーベースがあります。ゲートには小銃を抱えた衛兵が立っていますが、タイ国籍の成人が全員持っているIDカードを1枚だけ提示すれば、車に同乗しているのが外国人であっても、大人数であっても、ほぼノーチェックで入場することが出来ます。実にいい加減で、タイらしいといえばタイらしい話です。

敷地内を進むと、片隅に四方がオープンエアーの建物があります。最初は信じられないのですが、このいい加減で適当な施設が射撃練習場です。
銃器は自前で持ち込んでも構いませんし、決して新しい型ではありませんが、それなりに手入れされたリボルバーやオートマティックの拳銃、小銃も借りることが出来ます。弾薬は箱買いします。
壁がなく眩しい太陽の光が差し込む開放感の中、拳銃と実弾を持った人間がうろうろ歩いている異様な光景です。適当にブースを決め、ターゲットの同心円が印刷された紙をクリップに挟み、手動でロープを操作して適当な距離にセットします。あとはただひたすら撃つだけです。

海外の観光客相手のシューティングレンジ等で射撃を経験された方も多いかと思いますが、ストックを肩に当てられる小銃はともかく、拳銃は本当に当たりませんね。少なくとも、私の筋力では38口径の反動を無理矢理押さえ込むのは不可能で、当初は何とも情けない結果でした。
アメリカFBIの統計によれば、捜査官と容疑者が拳銃の銃撃戦になる距離は7~8mが一般的だとされています。銃社会のアメリカですらそうなのですから、海外でホールドアップに遭遇した場合、距離が5m以上離れていれば走って逃げろと言われるのも頷けます。
とにかくひたすらに、色々と工夫して試しながら一箱の弾薬を撃ち尽くすと、もう一箱買い足して撃ちますが、最後には手が痺れてきてその日は終了となります。拳銃のレンタルと二箱の弾薬で、合計1500円程度の支払いです。

悔しいので毎日のように通うことになりますが、タイ人にとっては日給を上回る金額でも、日本の物価感覚からすれば大した金額ではなく、撃ち続けるうちに徐々に当たるようになってきます。
遂には、笑みを浮かべた軍人のおっさんが歩み寄り、「おい、日本人。随分マシになったじゃないか」と声をかけてきます。まあ、Tシャツに短パンにゴム草履で毎日バンバン撃っていれば目立つのは仕方ありません。多少のタイ語が使えると、冗談も弾んで彼らの私物の高級な拳銃を貸して貰えたりもします。
慣れてくれば当たるのは当然ですが、ゆっくりと構えて慎重に照準を定めているようでは実戦で役に立ちません。撃たれる前に撃たなければ、自分が死ぬことになります。
よって次なるステップは、素早く狙いを定めて撃つこと。それに加え、確実に敵を仕留める為に必ず2発連射しろと軍人のおっさんに教えて貰いました。

またしてもスラタニ基地に通い詰めの日々が続きましたが、その甲斐あって随分と上達しましたし、素早い照準と2発連射も体が覚え込みました。
ある時、ドイツ人の友人とスラタニの街で落ち合う事があったのですが、彼と射撃の腕を競うことになりました。ドイツは2011年まで徴兵制がありましたから、彼は軍隊で銃器取り扱いの訓練を受けており、身長2mの軍事マニアでもあるので相手に不足はありません。
果たして、南国の発展途上国で行われた日独対決は、僅差ながらチビの日本人勝利となりました。私にとって通い慣れたスラタニ基地の射撃場は有利だったと思いますが、満足いく結果が得られました。
射撃の命中率は消費した火薬の量に比例する、という法則が実証されたとも言えます。

近い将来、尖閣諸島を巡って日中の局地戦が勃発する可能性は高いと思われます。全面戦争はないにしても、日本国内では在日中国マフィアや工作員、不良滞在者達がテロやゲリラ行為に及ぶのは必至でしょう。陸上自衛隊及び警察組織は原発を始めとする重要インフラの警備が任務となり、警官の配置が手薄となった市街地では情勢混乱目的の無差別殺戮が行われると予想されます。反日教育を受けて育った彼らは、丸腰の民間人であろうが日本人を一人でも多く殺害する事を誇りにすら思うでしょう。
敵と味方が銃撃戦になれば、どちらかが倒れて持ち主を失った銃器が残されます。それらを鹵獲して使うのはゲリラ戦は元より、正規軍の戦闘でもありふれた行為です。
ですが、仮に目の前に銃器が転がっていても、厳しい銃刀法と良好な治安に守られ、徴兵経験もない一般の日本人は殺されるのを待つしかありません。これは有事における、日本のアキレス腱となるでしょう。

私はむざむざ殺されるのは御免です。有事の際には銃器を鹵獲し、自分の身は自分で守るつもりです。ゴルゴ13にはなれませんが、定期的に射撃訓練を継続しつつ、来るべき日に備えます。
本来ならば政府の責任において、成人への射撃訓練を義務づけるべきだと考えますが、事実上それは難しいでしょう。よって、我々一般人が銃器の扱いを習得しようとすれば、自ら海外でそれを実施するしかありません。グアムやハワイでも構いませんが、例えばタイのような発展途上国で軍施設を利用出来れば、費用面のメリットは大いにあります。
素早い照準と2発連射、これは必ず忘れずに習得して下さい。

さて、鬱陶しい梅雨が明けると、暑い8月が毎年やってきます。そして8月6日の広島、8月9日の長崎、8月15日の終戦の日。
もう68年も経っているのに、毎年のように繰り広げられる侵略戦争への謝罪と不戦の誓い、そして原爆と原発を同一視する馬鹿げた反核マスコミ報道。
幼い小学生の子供が洗脳され、大人に押し付けられた宣誓文を読み上げる茶番劇もお決まりです。

戦火に散った英霊を慰霊するのは重要な事ですが、いい加減に戦勝国によって植え付けられた自虐史観は捨て去り、真実を、誇りを取り戻すべきです。
我々はかつての大日本帝国を、そして白人支配を拒否した自衛戦争たる大東亜戦争を、アジアの国々を独立へと導いた大東亜共栄圏の理想を、大いに誇っていいのです。正しい歴史観と自信を取り戻すべきです。
終戦時に2歳だった人はもう70歳です。12歳だった人なら80歳。我々はこれら先人の言葉を尊敬をもって受け取るべきですが、「戦争は絶対に繰り返してはならない」と唱えるばかりの言葉はあまりにも無責任だと思います。

戦後の焼け野が原の日本には、守るべきは国体しか残されていなかったでしょう。しかし、産業が復興・発達し、技術力が上がり、国が富めば富むほどに、守るべきものが増えていきます。欠かせない資源の輸送路しかり、輸出品の輸送路もしかり、海外進出した企業の権益や日本人の安全確保もしかり、様々な国際貢献もしかり。
貧しい中で身を粉にして懸命に働き、子供を育て、国を豊かにしてきたのは他ならぬ先人達です。その結果として日本は経済大国になり、守るべきものがどんどん増えていきました。もう、日本は敗戦の頃とは何もかもが違うのです。

それらが今、深刻な危機に晒される時が来ています。やりたい放題の中共から国土を守るだけでなく、日本は東アジア全体をまとめ、引っ張っていける唯一の国であり、その責任があります。豊かな国を次の世代に引き継ぐ責務があります。
だれも戦争がしたいなどとは思っていません。可能な限り戦争を回避する為の、抑止力としての軍備増強が必要であり、それに伴い憲法改正を含む法制度の整備が必要です。それに加えて、自虐史観を捨てて国家に誇りを持つ事も大切です。
21世紀の東アジアの安定と繁栄は、今まさに我々が立ち上がれるかどうかにかかっているのです。堂々と、胸を張って前へと進みましょう。

(2013年8月18日記)



*******************************************************

黒井執斗様、お忙しい中いつも本当にありがとうございます。
心より感謝申し上げます。



最後までご覧下さった皆様、誠にありがとうございました。





一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるために、“拍手”と“人気ブログランキング”をそれぞれクリック願います。

人気ブログランキングへ

『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート6 』 - 2013.06.07 Fri


当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。
一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるため、何卒“人気ブログランキング”にクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ





当会ブログのオススメ記事「軍事アナリストの最新軍事情勢レポート」
その第6弾を軍事研究家の黒井執斗様が御執筆下さいました。

実は黒井様は、日本が世界に誇るハイテク最先端分野において世界2位のシェアを持つ大企業で、技術開発の総責任者を努めておられました。
同社の社運を賭けた新製品開発において黒井様が責任者として開発した技術は、現在世界主要国のハイテク技術や最新軍事技術に不可欠なパーツとして導入されています。
その黒井様ならではの目線で綴られた今回のレポートはこれまで以上に非常に重要な指摘が多い論文となっております。

タイトルは『 皇国の興廃この一戦にあり 』です。

冒頭に、作家・国際政治学者の深田 匠先生からの短評コメント『日本人よ、刮目せよ!真の敵との戦いは始まっている』も掲載しております。

一人でも多くの日本人に必ず最後まで読んでいただきたい内容です!ぜひとも拡散にご協力ください。



※過去の軍事情勢レポートにまだ目を通しておられない方は、ぜひ併せてご覧下さい。
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート1  今、試される日本の覚悟~牙を剥く中国と暴走する北朝鮮~』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-4.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート2  開戦前夜は近し 』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-7.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート3  核の拡散と日本の決断 』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-11.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート4  空軍力の谷間と防衛産業のゆくえ、そして緊迫の朝鮮半島』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-22.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート5  中華人民共和国の野望と日本の未来』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

*******************************************************

『日本人よ、刮目せよ!真の敵との戦いは始まっている』
(作家・国際政治学者 / 深田 匠)

韓国は愚かである。
自由主義国陣営に属する自国の地政学的意味を理解できず、日本が施した多くの恩恵を仇で返し、幼稚な反日感情で対中包囲網構築の足を引っ張っている。
韓国には冷静に国家戦略を考える政治学者やシンクタンクは存在しないのかと呆れてしまう状態だ。
日韓離反を推し進める中国の世論扇動工作が根強く仕掛けられていることも、韓国の無思慮な反日的暴走の一因であろう。

しかしそれはここ数年来の日本においても同じことがいえる。明確な中長期戦略も持たないまま日本が韓国との対立を深めることは、日本が中国の覇権に完全に呑み込まれる未来へとつながる。100%確実につながるのだ。
そのことに気付かない愚かな人々が今この瞬間にもネットで盛んに反韓を煽っている。果ては日韓断交を主張する狂気の妄想まで登場するありさまだ。
国益に害を為す人物を国賊というのであれば、彼らは紛れもなく国賊である。中国の対日併呑戦略に協力する人物を売国奴というなら、彼らは立派な売国奴である。
そして彼らを扇動するその背後には中国工作機関による対日ネット世論工作が存在しているのだ。

黒井氏は今回の論文において、軍事学の観点から日本にとって中国・韓国がどのような位置づけになるのかを明確に指摘されている。
真の敵は中国であり、日韓離反は中国の対日併呑戦略に寄与することでしかない。日本を愛する私たちが戦うべき敵は韓国ではなく、日韓にそのような離反工作を仕掛けている中国なのだ。真の敵を見誤っていては勝てる戦も勝てない。

日本が採るべき対韓戦略については機を改めて述べるつもりだが、反韓に狂奔している日本人は幼稚な感情論を捨てて戦略的現実をしっかり見つめるべきである。
慰安婦問題など歴史認識では譲ってはならないだけに、あえてそれ以外の面においては日本は韓国の懐柔に全力で取り組まねばならないときなのだ。
沖縄独立を公言する国会議員まで現れているときに、中国そっちのけで日韓通貨スワップ延長に反対して大騒ぎするなど愚の骨頂というより他はない。なぜ中国から目を逸らして韓国ばかり過剰に意識するのか。

黒井氏の論文の結びには『もし貴方が真の「愛国者」であるならば、韓国などという雑魚にばかり気を取られず、既に始まっている真の敵との戦いに注力すべきです。この戦いに負ければ、日本は間違いなく中国の属国になるでしょう。主権国家の誇りをかけた、二度と負けられない戦いなのです。』とある。まさに慧眼である。
私は黒井氏のこの指摘に満腔の同意を呈したい。日本国民の多くがこの現実に気付かなければ、この戦いにおいて日本は負ける。中国の属国となり下がり、長期的には亡国の憂き目にあうことすら考えられる。

かつて日米は真の敵である共産主義と戦わずに、敵を見誤って自由主義国同士で相討ちの戦争を戦った。ソ連コミンテルンの謀略にまんまと嵌められたのだ。
本来は手を組むべき日米が互いに憎みあい、敵を見誤ったその戦いの結果、実質的な戦利を手中におさめたのはソ連であり中国共産党であった。日本の世論はふたたび同じ過ちを繰り返そうとしている。

黒井氏は日本が世界に誇る最先端分野でその技術革新を先頭に立ってリードしてきた超一流の技術者である。その黒井氏が徹底したリアリズム視点で喝破された今回の論文が、一人でも多くの日本人の目に触れることを祈ってやまない。
そして一人でも多くの日本人が真の敵に気付くことを願うものである。

*******************************************************



『 皇国の興廃この一戦にあり 』
(軍事研究家 / 黒井執斗)

「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の発言が物議を醸し、韓国・中国ばかりかアメリカまでがバッシングしました。ここぞとばかりの左翼マスコミ報道は勿論、多くの保守系Webサイトでも取り上げられ、擁護や批判がなされています。
よって私があれこれ言うこともないのですが、「日本は戦争に負けたのだから侵略を認めなければならない」との発言は致命的ですね。これは彼が自虐史観に囚われていることを明確に示しており、これを脱しない限り保守政党の共同代表たる資格はありません。

そして「沖縄の米軍司令官に対し風俗産業を活用するように進言した」というのも、随分とずれた話です。世界に駐留する米軍が風俗を全く利用していないはずもありませんが、当然ながらアメリカにもプライドや建前があります。国政政党の代表がそれを理解できず、必死になって主張すべき事ではないでしょう。中東での任務を終えた米軍艦艇はよくタイのプーケットに寄港しますが、入港時には売春婦の大群が押し寄せることぐらい、私でも知っています。
そもそも彼は弁護士芸人であり、自分の敵を徹底的にこき下ろすトークの芸風が売りです。しかしそれは地方政治だからこそ通用してきただけで、国政には力不足なのでしょう。

また、朝日新聞の報道では潘基文(パンギムン)国連事務総長が「国際社会は納得しない」と批判し、「過去の歴史への正しい理解」を求めるとして「靖国神社参拝」にも言及していますが、これは中韓の歴史捏造反日主張と完全に一致しますね。
時代遅れの戦勝国クラブたる国連も地に落ちたものです。もはや国連事務総長の見解でも何でも無く、単に韓国人の思考回路で中国様の意向を代弁したに過ぎません。国連という国際組織の腐り具合が実に明確になりました。

さて、韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領は5月初旬に訪米し、オバマ大統領との会談で「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と発言し、米上下両院合同会議では「北東アジアでは国家間の経済依存が高まる一方で、歴史問題に端を発した対立が一層深刻になっている。歴史に正しい認識を持てなければ明日はない」と演説しました。
随伴の報道官がセクハラで訴えられるという韓国らしい出来事もありましたが、去る3月の「加害者と被害者という立場は、千年過ぎても変わらない」発言と合わせ、朴槿惠は初っ端から反日捏造発言を繰り返しています。
通常、この手のカードを切るのは支持率が低下した大統領任期末期に見られる現象です。国内の不満を外敵に転嫁し、支持率を上げる為です。しかし朴槿惠は就任直後から最終カードを切ってしまっている。低かった支持率が訪米時の発言で随分と上がったそうですが、何とも単純でコントロールしやすい国民性ですね。他人事ながら、もう次に切るカードが残されていない事を心配してしまいます。

近年の韓国は国民の年金積み立てを溶かしつつ、為替相場に闇介入してウォン安を誘導してきました。それに対し、日本は円高がどんどん進みました。その結果として国際競争の非健全化が進み、韓国製品は価格面で優位な展開を享受してきました。
しかし、第二次安倍政権によって大胆な金融緩和がなされ、またアメリカの景気に明るい兆しが見え始めた事から円安が進んでいます。これは韓国製品の価格的優位が失われる事を意味します。そして日本と韓国は輸出製品の多くが競合しますから、どちらかが勝てばもう一方は負けることになります。
では、何故輸出製品が極東の隣り合わせの国でバッティングするのでしょうか。

前回の拙稿でも書きましたが、1910年(明治43年)に日本は朝鮮を併合しました。その頃の朝鮮はまさに未開の地であり、民衆は乞食同然の状態でした。帝国主義花盛りの当時、力なき者は力ある者に蹂躙され、ただ搾取される一方の植民地国民は支配者たる白人の奴隷でしかありませんでした。
そんな時代において日本が台湾・朝鮮、そして満州で実施したインフラ整備や生活水準の向上政策、教育制度の改革等は極めて特異であり、これらの地域が後に発展する大きな礎となりました。

戦後の焼け野が原から再出発した日本は1980年代には「Japan as No.1」などと言われ、日本製の工業製品は世界を席巻するに至ります。
その大きな柱の一つが、「産業の米」と呼ばれた半導体です。特にコンピューターのメモリーを始め様々な電子機器に用いられるDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)では圧倒的な世界シェアを誇っていました。
半導体製品を作る時、そこには「歩留まり」という言葉が出てきます。わかりやすく言えば「良品率」で、「歩留まりが高い」と言えば不良が少なく、良品率が高いことを表します。
半導体を作る行程ではどうしても不良が出てしまいますが、日本は様々な工夫やノウハウの積み重ねにより、断トツに高い歩留まりを実現していました。仮に日本の歩留まりが90%で他国の歩留まりが50%であれば、不良品は廃棄するしかありませんから、圧倒的に製造コストが違ってきます。そしてその高い歩留まりを得る為のノウハウは企業秘密であり、日本の半導体各社は圧勝を続けました。

その独占状態に割って入ったのがサムスンやハイニックス等の韓国の半導体企業です。
彼らは日本の独自ノウハウを盗む為、高給を餌に技術者を釣り上げました。このスパイ工作は主に某社の技術者に対して実施され、目先の金に目がくらんだ連中は金曜の夜便で韓国へ飛び、土曜・日曜に工場で「指導」を行い、日曜の夜便で日本へ帰国するというパターンです。
これを繰り返すうち、日本側のノウハウは全て韓国側に盗まれ、結果として歩留まりでの優位性は失われます。そして生産装置は同様でも、従業員の人件費は韓国が圧倒的に安いのですから勝負は目に見えています。
某社の技術者は裏切り者だとか、売国奴などと罵られていましたが、これは企業体質にも問題があります。多くの技術者は毎日深夜までサービス残業をして身をすり減らしながらも、報酬面でそれが報われることはありません。欧米の先進国と比べても日本の技術者軽視は明らかで、これは是正される気配すらありません。

近年においては半導体生産装置の進歩が著しく、かつてのように運用ノウハウに頼る部分が減少しています。
これが意味するのは、韓国が同じ生産装置を買って半導体製品を作れば価格面で日本に勝てるという事です。そして日本側の企業が民間であるのに対し、韓国のサムスン等は国策企業です。国費を融通して大量の生産装置を買い、大量生産すれば更にコストが下げられます。日本側は各社半導体事業の合併化を進めて投資規模の拡大に努めましたが、さすがに国費には勝てません。
こうして投資合戦に敗れ、かつて隆盛を極めた日の丸半導体は衰退を迎えました。

似たようなことは日本が世界に先行していた液晶業界でも起こっています。
液晶生産の歩留まりを支配していたのはノウハウでしたが、韓国側は親善の「工場見学」と称してスパイ活動を行い、製造ノウハウを盗んでは、より大きな投資をして追撃します。
そして遂に頭に来たシャープは新鋭の亀山工場に部外者が一切入れないようにして機密を守る作戦に出ますが、時既に遅し。液晶生産設備の進歩により、製造ノウハウのウエイトは減少します。
後はDRAMと同じく、いかに巨額の投資をして大量の設備を買い集めるかが勝負の分かれ目となります。結果どうなったかは、今現在のシャープの状態を見れば明らかです。
また、業績によって開発投資出来る規模が決まりますから、次世代の有機ELにおいても日本は後れを取っています。

一流の工業国であるか否かの指標の一つが自動車産業です。日本・ドイツ・アメリカ・フランス等々、優れた自動車を作り、他国へ輸出する事は工業先進国の証でもあります。
かつての日本の自動車業界がそうであったように、韓国は日本車やドイツ車を模倣し、ヒュンダイは三菱自動車からの技術供与で自動車を作っていました。作るとは言っても、肝心なエンジンやミッションは作れず、三菱から型落ちを供給してもらっていました。
またメルセデス・ベンツと技術提携を結んだ時期もありましたが、ベンツのミディアムクラスに極めて酷似したコピー車を作ってオリジナルだと言い張り、ベンツを激怒させました。
ドイツ車はアウトバーンの存在もあり、高速性能や安全性が重視されます。サスペンションやブレーキを含めた機械的な設計に関しては、常にアドバンテージを保っていると言えます。それに対し、日本車は安くて低燃費で壊れないのが売りです。電子装備においてもリードする事が多く、日本車が世界を席巻しているのはご存じの通りです、

中東やアフリカ等の反体制ゲリラ軍は日本製ピックアップトラックの荷台に重機関銃等を据え付けて戦っています。このような改造戦闘車両を「テクニカル」と呼びますが、安く手に入る中国車ではなく、トヨタのハイラックス等を好んで使うのも、過酷な使用状況下での信頼性を高く評価しているからです。

この数十年間、韓国車は日本車よりも品質の低い劣化コピーでしかありませんでした。輸出先の欧米において韓国車を購入するのは低収入層やレンタカー用途が主であり、評価は安かろう悪かろうでした。ですが、それも近年では変わりつつあります。その変化要因は円高です。
トヨタを筆頭とする日本の自動車メーカーは、円高が進む度に傘下の下請け部品業界にコストダウンを要求してきました。円高分をコストダウンで埋め、価格的な国際競争力を維持する為です。しかし、実体経済とかけ離れた極端な円高となり、遂に下請けの中小企業が音を上げます。
国内自動車メーカーとの取引だけでは経営が成り立たず、韓国自動車メーカーからの受注を取り始めたのです。その結果として韓国車の品質は向上し、日本車と肩を並べるまでになったと評価されています。日本車の品質を支えている日本の部品を使っているのですから、当たり前と言えば当たり前ですね。

こうして見てくると、共に資源の乏しい日本と韓国は加工貿易で外貨を稼ぐ必要がありますから、輸出製品がバッティングするのは何の不思議もありません。スパイ行為のような卑劣な手が使われているのは大いに気に入りませんが、日韓はライバル関係にならざるを得ないのです。
ライバル同士が競い合えば、それによって製品の性能や品質が向上しますから、アジア全体の工業レベルを引き上げる事にも繋がり、企業活動においては健全かつ有意義なことです。
韓国だけではなく、新興アジア諸国もやがて追従するでしょうから、日本はどんどん追われる立場になっていきます。この「経済戦争」に打ち勝つ為には、更なるコストダウンと品質向上は勿論のこと、新技術の先行開発が必須です。

その成功例の一つが、トヨタのハイブリッド車開発でしょう。
1997年、トヨタは世界に先駆けてハイブリッド車・プリウスの販売を開始しました。これは実に画期的で、走行中の車体は質量に比例し、速度の2乗に比例する運動エネルギーを持っています。しかし運転には常に加減速が伴い、いずれは停まらなければなりませんから、ガソリンを燃やして得た出力で作り出した運動エネルギーはブレーキによって主に熱エネルギーに変換されて消費されます。
この今までは捨てていた運動エネルギーを電車のように回生してバッテリーに蓄え、次回加速時にモーター駆動するわけですから、当然燃費は良くなります。一言にハイブリッドといっても色々な方式がありますが、トヨタのTHSは複雑な機構ながら実に良く出来ています。

自動車業界では、ライバル車を買ってバラバラに分解して調べるのは常套手段です。
かつてのベンツの哲学は「最善か、無か」でした。これは「妥協するなら作る意味がない」といった意味です。さすがは技術大国ドイツ、さすがは最古の自動車メーカーであり、拘りの技術者魂を感じます。しかしやがて過剰品質によって企業利益が圧迫され、経営難に陥ってしまいます。
そこでトヨタ車を買って分解し、そのコストダウン手法を多く取り入れました。しかし、トヨタには安物を上等に見せるノウハウがありましたが簡単には真似出来ず、一時期のベンツの内装は見るからに「安物」になり、顧客を失いました。

当然世界の自動車各社はプリウスを買い、分解して全ての調査を終えているでしょう。
しかし、トヨタはTHSに関する周辺技術特許を徹底的に押さえていますから、特許に抵触する機構は使えません。特許を避けて別の方法を使うか、トヨタに金を払って特許を使わせてもらうか、若しくは特許が切れるまで待つかの選択肢です。実際、国内・欧米共に何社かはライセンスを取得しています。

特許は実に大きな力を持っており、日本が戦闘機用の小型で高出力のジェットエンジン(ターボファンエンジン)を作れないのも同じ理由です。
アメリカのGEやP&W、イギリスのロールスロイス等が肝心なところを特許でガチガチに固めている為、ライセンス生産しかできません。IHIは予算さえ付けてくれれば開発できると言っていますから、資金と時間があれば既存特許を避けた高出力エンジンを独自開発出来る目処はあるのでしょう。
真の日本製エンジンを積んだジェット戦闘機が領空を守る。そんな日が来るといいですね。

すっかりかつての勢いを無くしてしまった日本の半導体業界ですが、円安になれば復活の日も来るでしょう。業界の牽引力となっているのは世界的なスマートフォン旋風ですが、重要基幹部品には日本製も多く、価格競争力を取り戻せば勢いを増すでしょう。韓国に首位の座を奪われたリチウムイオンバッテリーも盛り返しが期待されます。
そして何よりも、半導体製造装置に関してはまだまだ日本は強く、素材産業も力を持っています。例えば半導体の回路を作る為の最重要素材であるシリコンウェハーでは、上位2社の世界シェアは65%にも及びます。つまり、日本製の機械を買って日本製の材料を使って作らざるを得ない部分があるのです。
この優位な支配力を崩されることなく、高めて行かなくてはなりません。そして痛い経験を生かし、産業スパイを防がねばならないのは言うまでもないでしょう。

機械設計において技術者が図面を引くとき、特に高い精度が必要だと判断した部分には「公差」と呼ばれる精度指示を書き加えます。馬鹿な者ほど不要な部分にまで公差を付けますが、本当に設計構造を理解している技術者は最低限の部分にしか公差指定をしません。
そして、図面というバーチャルな「紙の上」ではいくらでも公差を厳しく出来ますが、それを実際の部品に反映する為には高い精度の工作機械と熟練工の技が必要です。

かつての大東亜戦争時、日本は戦前にアメリカやドイツから輸入した工作機械を使っていました。つまり、アメリカと戦う兵器の部品製作をアメリカの機械に頼っていたわけで、当然ながら必要なメンテナンスサービスは受けられません。
戦争末期に至ってはメンテ無しに酷使した工作機械はガタガタになり、いくら熟練工の技を持ってしても部品精度は悪くなり、兵器の品質・性能はどんどん落ちていきました。そんな頃、アメリカでは戦時徴用された女子高生がボタンを押すだけで、自動化された工作機械によって精度のいい部品が出来ていたのです。これでは勝てるものも勝てません。

しかし、時代は変わりました。日本製の工作機械は世界を席巻しています。
惑星探査機等を設計・製作するNASAのラボには日本製の最新工作機械がずらりと並び、次々に部品を作り出しています。今現在活動している火星探査機キュリオシティにも、自ずと日本製の工作機械によって作られた部品が多く使われているでしょう。最先端の宇宙惑星探査の一翼を日本の技術が担っているのです。
機械を作る為の機械、すなわちマザーマシンが作れてこそ、本物の工業先進国だと言えるでしょう。

かつての大日本帝国は間違いなく世界五大強国でした。
そして、今の日本はそれを遙かに上回る、地に足を付けた総合力のある技術大国です。アベノミクスが明確な効果を見せ始めるとき、日本は間違いなく復活するでしょう。大丈夫、日本経済は韓国には負けません。

ここまで見てきて明らかなように、適切な円レートと日本経済の復活は、競合する韓国が沈む事を意味します。日本の外需依存度がGDP比で約15%なのに対し、韓国は36%を超えており、より深刻な経済ダメージを受ける体質です。
当然韓国内では不満が高まり、それを外部に転嫁する為の捏造反日キャンペーンがより一層展開されるでしょう。とは言ってもネタは限られており、使い古された感のある「歴史教科書」「靖国神社参拝」「慰安婦問題」「竹島問題」あたりでしょうか。
かつて軍事クーデターを起こして韓国の大統領になった朴正煕(パク・チョンヒ)は日韓基本条約締結以降、日本から巨額の支援金をせしめた実績がありますから、その娘である現大統領の朴槿惠が同じ手を使うのは容易に予想できます。朴正煕はかつて高木正雄という名前の「日本人」であり、日本の陸軍士官学校を出て職業軍人になり、満州国軍中尉だったのですから、捏造反日主張を云々されても苦笑いするしかありません。

そして早速、5月23日には「竹島は韓国のものだ」と主張する日本人の元大学講師や僧侶ら3名が韓国の民族団体と共に竹島に上陸し、「独島は韓国の地だ」と叫んで拍手喝采を浴びる事案が発生しています。
http://www.youtube.com/watch?v=ceJpx2O_LaE
「独島は韓国の領土」と書いたシャツを着て、「日韓」を「韓日」と言い、わざわざ韓国に入国してから不法占拠の竹島に上陸して韓国の主張通りに叫ぶとは、凄まじいまでの狂信的自虐左翼っぷりです。大日本帝国時代なら速攻で特高に逮捕されて拷問でしょうが、今の日本は言論の自由がありますから罪には問えません。

韓国は竹島を長らく実効支配しているのですから、今更このようなパフォーマンスを演出する必要性は低いはずですが、それでもやらずにいられないのは、不法占拠の後ろめたさと奪還される恐怖に怯えているからでしょう。
そして我々が注視しなければならないのは、中国人が同行して中国国旗が持ち込まれている事です。これは作家・国際政治学者の深田匠氏が先の論文で指摘されているとおり、中国の工作機関が暗躍して韓国内の反日世論を煽り立てている事の証左でしょう。
中国が日韓両国において工作活動を行うのは日韓離反が目的であり、それは間違いなく中国の国益に利するものです。

では、近代史において日本にとっての朝鮮半島とはどんな存在だったのかを見てみましょう。
半島に位置する国家は大陸国家と海洋国家の両方の要素を持ちます。軍事的に見れば陸から攻められる可能性も、海から攻められる可能性もある国防の難しい立地条件です。それに加えて朝鮮は最貧国の一つでしたから、自力で国の主権を守るのは不可能でした。
だからこそ中国の属国として生きながらえてきたのですが、清の衰えとロシアの南下圧力により、侵略のリスクが非常に高まりました。極論すれば、侵略勢力を排除して朝鮮を守る為に日本が行ったのが、日清戦争であり日露戦争だったわけです。
その後日本は両国の合意の元に朝鮮併合を行い、朝鮮半島の近代化や教育に莫大な資金とリソースを割きますが、結果として経済的にも人的にも殆ど目に見えるメリットはありませんでした。では、当時の大日本帝国は大馬鹿者の集まりだったのでしょうか。決してそうではありません。

やがて日本は追い込まれ、やむを得ず大東亜戦争へと突入していきました。主権国家としての存亡をかけた、自衛戦争の始まりです。戦争に勝ったか負けたかは、「戦争目的」が達せられたかどうかで決まります。開戦当時の戦争目的は「自存自衛」及び、それに伴う「大東亜新秩序建設」でした。
緒戦こそ破竹の快進撃を続けたものの、やがて戦争が長期化するとアメリカとの国力差はいかんともしがたく、帝国陸海軍は敗退を続けます。帝国海軍の太平洋拠点だったトラック島を失い、続いてマリアナ諸島が占領された結果、アメリカの潜水艦基地はハワイから6000km近く西進し、日本全土がB-29戦略爆撃機の作戦行動半径に入りました。
この時点での戦争目的は「皇土保衛」と「国体護持」に変更されています。つまり、とことん追い込まれて大東亜共栄圏構想を捨ててなお、朝鮮半島を放棄していないのです。やがて沖縄戦が始まり、戦艦大和は沖縄を目指した海上特攻作戦において撃沈され、西太平洋の覇者だった帝国海軍は壊滅同然となります。そして決定打として、広島・長崎への原爆投下により日本は無条件降伏に至った。これが一般論です。

しかし我々は、更に深い真実を追究する必要があります。
確かに原爆の威力は凄まじく、タイミング的にも符合してわかりやすい解釈です。ですが戦史を紐解いてみると、沖縄戦を挟んだ1945年(昭和20年)の3月から6月にかけて決定的な出来事が起こっています。
既に南方資源の海上輸送路を絶たれていた日本は、中華民国の占領地域、満州、朝鮮半島、そして本土の限られた資源で戦争を継続しなければなりませんでした。ところが対馬海峡と関門海峡にB-29による機雷の空中敷設が行われてしまったのです。
これにより大連など外地からの海上航路は封鎖されてしまい、米軍による「飢餓作戦」が完遂します。当時の日本が朝鮮半島に依存していた食塩の供給ラインも絶たれ、敗戦は決定的となりました。
そして更にB-29による機雷敷設は日本海側を含む大小の港湾にまで及び、総計で1万個以上が投下敷設され、国内間の洋上輸送ラインも壊滅します。
日露戦争において、世界最強と謳われたロシア・バルチック艦隊を葬り去った日本海海戦もまた対馬海峡沖での戦いであり、近代日本史に刻まれた勝利の栄光も敗北の屈辱も、この海域が重要なキーだったのです。

不沈空母などとも呼ばれる日本列島ですが、本物の空母とは違って移動する事は出来ません。そして朝鮮半島はあまりにも近く、海洋国家日本の海運の重要海域である対馬海峡を守る為、韓国を同盟国として確保するのは安全保障上極めて重要です。対馬海峡が重要だからこそ、対馬には陸上自衛隊を対馬警備隊として配備し、海上自衛隊の対馬防備隊も配置しています。
日米同盟にとって韓国は中国・北朝鮮・ロシアに対する緩衝地帯であり、敵対勢力の手に落ちないよう保護する必要があります。また、中国人民解放軍海軍が黄海へ本格進出すれば太平洋への出入り口を与えることに繋がり、何としても阻止せねばなりません。
だからこそ日本は数々の支援を韓国に対して実施しており、アメリカは大規模な在韓米軍を駐留させ、韓国軍への積極的な新鋭兵器の売却も行っています。

新潟の土地が中国人によって買い占められている事が問題になっています。
新潟と言えば、ミサイル発射実験に対する制裁措置として2006年(平成18年)に禁止されるまで、北朝鮮の万景峰号が入港していました。北朝鮮から見れば、新潟は最短のルートが取れる日本の玄関口です。
強行な核実験や弾道ミサイル発射等、最近の北朝鮮は中国の意向に従っていないようですが、エネルギー資源や食料の供給は中国が一手に握っている状態であり、宗主国は間違いなく中国です。そして中国は清津や羅津等、北朝鮮の港の権益を押さえており、新潟を日本乗っ取りの拠点にしようと画策しているのでしょう。新潟は東京にも一直線で近く、非常に危険です。
日本人は中国の土地を買えませんが、中国人は日本の土地を買えます。更に、新潟の知事や市長は中国シンパであり、土地購入の斡旋に便宜を図っています。このままだともう新潟はダメかも知れません。
北朝鮮ですらこんな状態なのですから、より日本に近い韓国が中国の配下になれば更なる脅威に晒されることになります。

先の北朝鮮によるミサイル恫喝事案において、アメリカは中東に展開していた原子力空母ジョン・C・ステニスを西太平洋に移動させました。これは北朝鮮への圧力であると同時、中国への牽制でもあります。
ところがミサイル恫喝が長期戦となり、ステニスは作戦任務期間を終えようかというタイミングだった為、代わりに空母ニミッツを派遣して交代させました。
そのニミッツが米韓合同演習の為5月11日に釜山に寄港しましたが、これは秘匿された行動だったわけです。

にも関わらず、一般公表前に北朝鮮は「海上訓練を口実にニミッツの打撃群が釜山港に押し寄せる」などと報道して反発を示しました。
米軍はかねてから韓国軍部を通じて情報が漏れ放題な事は気づいており、複数のルートに少しずつ異なる情報を与えて漏洩ルートを確定しようとしましたが、何と全てのルートから全ての情報が漏れていた。
これを大問題とした米軍は、予定していた軍部・報道陣の空母乗艦と艦内の公開を「安全上の理由」として急遽中止しました。

2003年(平成15年)から2008年(平成20年)の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、韓国は親北朝鮮・親ロシア政策をとり、アメリカとの関係が冷え込みました。この間に韓国軍中枢部は北朝鮮シンパに乗っ取られており、未だにその粛清が出来ていないことが証明されてしまったわけで、当然ながら同様の情報は中国へも漏れているとされています。
中国は2020年(平成32年)を目処に国産空母4隻の建造を公言していますが、既に一隻目の鋼材切りだしが始まったとの情報もあります。このタイミングで米空母の内部構造や運用内容を中国に知られるのは極めて不味く、乗艦公開を取りやめたのは当然かつ賢明な措置でしょう。
以前より韓国イージスと米イージスのデータリンクが切られたとの話もありますが、さもありなんです。

日本はスパイ防止法がなく「スパイ天国」などと呼ばれていますから偉そうなことは言えませんが、少なくとも前回の北朝鮮弾道ミサイル発射時には、韓国とは違って適切な情報を貰えていました。
また、横須賀を母港とする空母ジョージ・ワシントンの一般公開も実施されています。
韓国よりはまだマシ、という事なのかも知れません。

中国は高性能対空レーダーを備えた新鋭防空艦の配備を進めていますが、これを「中華イージス」と呼んで笑い、馬鹿にする向きがあります。
確かにブラックボックス化された高度なデータリンクシステムはそう簡単にはコピーできないと思われますが、決して侮ってはいけません。それはつまり、イージス艦に関する情報が韓国軍部から中国へ漏れているのは確実であり、韓国がイージス艦を保有した時期と中華イージスが作られ始めた時期が符合するからでもあります。
恐らくは、韓国側がわかる範囲の事は全て漏れ、中国はそれを模倣しているでしょう。

そして運用コストの極めて高い米空母打撃軍がわざわざやって来て合同演習をするのですから、その目的は明らかに韓国イージスによる米空母の護衛訓練でしょう。そもそもイージス艦は空母打撃軍の防空艦として開発されたからです。
韓国は3隻のイージス艦を保有していますから、任務・保守・訓練、のローテーションから言えば2隻は参加できるはずですし、そうすべきです。ところが、1隻は肝心なSPY-1レーダーの故障、もう1隻はソナーの故障でドック入りしており、世宗大王(セジョンデワン)1隻のみが参加しました。
その世宗大王もまたソナーに不具合がある状態で参加していたことが判明し、対潜任務の訓練にはならなかったであろうと推察されます。韓国三軍の兵器稼働率の低さは今に始まった事ではありませんが、同盟国として新鋭兵器を売却しているアメリカにとっては大問題でしょう。
情報漏れの件と合わせ、韓国側にはもっとしっかりしてもらわなければ困ります。

更に付け加えるならば、韓国側は訓練海域を示す米軍の資料が「日本海」表記だった事を問題視し、「我が軍だけなく韓国人の感情を考慮しない行為だ」と非難しています。
はっきり言えば、アメリカも持て余しているのではないでしょうか。

李明博(イ・ミョンバク)政権時の2012年6月には、アメリカ主導で進められた日韓情報協定(日韓軍事協定)が議会承認されましたが、これは重要情報を日本というフィルターを通して韓国へ伝えれば、漏れたとしても被害は少なくなるだろうとの目的だったとされています。
ところが韓国は協定署名の1時間前になって突如これをキャンセルし、非難を浴びました。土壇場で反旗を翻した張本人が、現在の大統領たる朴槿惠です。
更にドタキャンの翌週には中国との間で「中韓軍事協定」の交渉を開始しています。既に締結されたとの噂もありますが、私は公式にはそれを確認していません。アメリカが黙っているはずはありませんが、もし中韓軍事協定が結ばれるとすれば、武器弾薬等の相互融通も視野に入るでしょう。

弾薬やミサイルには消費期限がありますから、どの国も平時は最小限の備蓄で済ませています。よって、いざ有事となれば一気に供給量を増やす必要があり、自衛隊に砲弾を納入しているダイキン工業なども、普段は遊んでいる生産ラインを多く確保しているはずです。
かつての朝鮮戦争においてアメリカは多大な犠牲を払って韓国を死守しましたが、その兵站を支えたのは日本でした。GHQは閉鎖を命じていた各地の砲弾工場を再開させ、大量の弾薬を買い上げました。弾薬を筆頭とする各種物資は、物資輸送主体の戦時編制ダイヤに切り替わった国鉄によってノンストップで佐世保に入り、船積みされて佐世保港から釜山港へ海上輸送・陸揚げされました。その連携の素晴らしさには、監督役の米軍も舌を巻いたとされています。
近未来において尖閣で日中の局地戦が始まれば、まずは在日米軍は後方支援に回り、自衛隊に弾薬類の供給をするでしょう。
そしてもし中国が韓国備蓄の武器弾薬を使うとなれば、日本は同盟国であるはずの韓国の軍事物資によって攻撃される事態もあり得ます。
韓国が中国の懐柔策に呑み込まれないよう、日米は注意を払う必要があります。

そして韓国の国防には重大な転換期が迫っています。2015年(平成27年)12月に米軍から戦時指揮統帥権が返還される予定です。
朝鮮戦争以来、韓国軍は在韓米軍(国連軍)の指揮下に組み込まれていましたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時に親北朝鮮・反米政策が執られ、2012年(平成24年)の指揮統帥権返還が決まっていました。しかし次の李明博(イ・ミョンバク)政権になって「国防の危機」論が持ち上がり、アメリカに泣きついて2015年に延期されました。

韓国のマスコミは「遂に米軍が韓国の指揮下に入る」などとお花畑妄想的な報道をしていますが、そんな馬鹿げた事があるはずはなく、米韓両軍はそれぞれの指揮下で動くだけのことでしょう。
それどころか2015年には在韓米陸軍の撤退が始まり、2016年ないし2017年には陸軍兵力の撤退が完了します。それに合わせ、米軍は日本の横田基地に陸軍の司令部を作っています。在韓海空軍は残るとされていますが、規模が縮小される可能性はあります。要は、米軍が撤退・縮小するから指揮権を返すだけのことです。韓国の士官学校でのアンケート結果によれば、一番の敵はアメリカ合衆国だそうです。馬鹿馬鹿しすぎて撤退もやむを得ません。
つまり、今までは在韓米軍のおかげで北朝鮮の南進が抑止されていましたが、撤退する米陸上兵力の穴埋めは韓国自身が行わなければなりません。日米との同盟関係を適切に保たなければ、北朝鮮に攻め込まれたり、中国の支配下に呑み込まれる危険性が高まります。

そして在韓米軍削減は、日本にとっても他人事ではありません。
中国人民解放軍は「A2AD」(Anti-Access/Area Denial)戦略を推し進めています。直訳すれば「接近阻止・領域拒否」です。これは軍備の近代化・増強により、アジア・西太平洋における軍事行動に対するアメリカの介入を阻止する「接近阻止戦略」、そして第2列島線以内の海域においてアメリカの作戦展開を阻害する「領域拒否作戦」を示します。
それに対するアメリカの戦略は「エアシーバトル」(AirSea Battle)です。アジアでの空軍及び海軍の攻撃力を増強し、中国のA2AD戦略を打ち破ろうというものです。
この米中両国の戦略を合わせて見ると、韓国は中国のA2AD戦略の影響下になりますし、エアシーバトル戦略をとるアメリカが在韓陸軍を引き上げるのは既定路線だとわかります。

韓国や日本、とりわけ沖縄は米軍を配置して中国を牽制するのに最適な立地でした。ですが、中国の軍拡や各種兵器の近代化によってその攻撃距離は大きく伸びており、もはや韓国や日本は中国に近すぎる、攻撃を受けやすい危険なエリアへと変わりつつあります。
よってアメリカは軍事力配備の後退を計画しており、その移転先がグアムやハワイ、更にはオーストラリアです。つまり、中期的に見て沖縄の米軍兵力が削減されるのは避けられず、日本もまた韓国と同じように自らの力で国を守らねばならない日が近づいているのです。
自衛隊を国軍とし、自立した軍隊組織として機能するようにしなければなりません。

さて、韓国絡みの話はこの辺りで一旦置いて、日本にとって遙かに重大な局面を迎えている沖縄方面の話題へ移ります。
沖縄周辺領海のすぐ外縁、いわゆる接続水域において、「国籍不明の潜水艦」が3度にわたり潜航するのが確認されました。5月2日には鹿児島県・奄美大島の西の海域にて、12・13日には沖縄県・久米島南方にて、19日には沖縄県・南大東島近海にてです。

かつての大東亜戦争において日本は幾つもの戦訓を得ましたが、その一つが海上輸送路安全確保の重要性です。ろくに護衛も付けずに徴用商船で物資や人員を輸送した為、米潜水艦の魚雷攻撃でことごとく撃沈されて多大な損失を被りました。
この潜水艦に関してはトラウマのようなものがあり、海上自衛隊は多数のP-3C対潜哨戒機やSH-60対潜ヘリを保有・運用し、絶えず機器のアップデートも行い、世界トップレベルの哨戒任務を日々行っています。米ソ冷戦時代にはソ連の潜水艦を太平洋に出さないのが海自の任務の一つでしたが、オホーツク海や日本海でソ連原潜部隊を追い回し、経験を積んできています。
また、新型の国産哨戒機P-1が完成し、納入が始まった事も以前にご紹介したと思います。

潜水艦が作戦任務に就くとき、すなわち潜行行動するときには隠密行動が大原則になります。敵に見つからず潜んでこその潜水艦であり、見つかってしまった時点で恥ずべき大失態なのです。
海自が設置・運用しているとされる水中固定聴音装置か、それとも米海軍が設置しているとされるSOSUS(ソーサス)と呼ばれるソナー監視ラインか、はたまたP-3Cによる哨戒活動で磁気検知に成功したのか定かではありませんが、いずれにせよ潜水艦の存在が明らかになりました。

おおよその位置を特定した後、哨戒機は「ソノブイ」と呼ばれる音響探知用のブイを海面に投下します。まずはパッシブソナーで海中の音を収集し、更に位置を絞り込んでいきます。
海中では周波数の高いレーダー波や一般の通信電波は著しく減衰してしまいますから、潜水艦側も、それを見つける側も音波を用いてセンシングする事になります。
潜水艦の位置を絞り込むと同時、潜水艦の発する音、いわゆる「音紋」が収集されます。音紋は船体及びスクリューの形状や表面の細かな傷、動力及び伝達機構のベアリング等が発するノイズの集合体です。得られた音紋は過去に収集・蓄積されたデータベースに照合され、潜水艦の型式ばかりでなく、場合によってはどの個艦かまで識別できます。
しかし、識別結果を公表するのは自国の潜水艦探知能力を教えることになりますから必ずしも得策ではなく、あえて公表しないことも多くあります。

ですが、どの国の潜水艦かは私でも見当がつきます。
アメリカ・ロシア・北朝鮮・韓国・台湾・中国、この辺りが候補としてあげられますが、アメリカは国籍を明かさない理由がありません。ロシアはそもそも沖縄付近に出てくる理由が思い浮かびません。北朝鮮は老朽艦ばかりですし、韓国も沖縄まで運用するような能力は持っていないでしょう。台湾はわざわざ沖縄近海の接続水域を通る必要がありません。
となると、消去法で「中国艦」だと推測出来ます。

パッシブソナーで潜水艦の位置を特定し、対象が移動すれば更にソノブイを投下して追跡を続けます。
そして次なる段階が、アクティブモードに切り替えての精密な位置の測定です。俗に「ピンガー」とか「ピン」と呼ばれていますが、音波を発し、それが潜水艦に反射して返ってくる方位と所要時間を拾います。
ソノブイが発したアクティブソナーの音波は当然ながら潜水艦側のパッシブソナーでも拾えますから、この時点で追尾されていることが潜水艦側にも確実にわかります。それと同時、既に精密な位置を知られてしまっているのですから、もう勝負は決まっています。

そして戦時においては、次のステップへと進みます。哨戒機から対潜魚雷を投下し、敵潜水艦を撃沈する攻撃行動です。「哨戒機」と聞くと船や潜水艦を探してパトロールするだけの航空機だと思いがちですが、対潜魚雷や対艦ミサイルも搭載できますから、味方戦闘機が制空権を確保してさえいれば対艦対潜攻撃機としての活躍も出来ます。
「それなら沈めてしまえ」との意見もあるでしょうが、国連海洋法条約では他国の接続水域での潜行は明確に禁止されておらず、アクティブソナーを打って「いつでも沈められる」事を示しながら追跡を続け、追い払うことが事実上最大限の威嚇となります。ですが接続水域は公海ではなく領海に準じるエリアですから、無害通航、すなわち浮上して国籍を明らかにするのがルールです。
参考までに記すと、米ソ冷戦時においても対潜魚雷でのソ連潜水艦攻撃は行われませんでした。

2004年(平成16年)にも「国籍不明の潜水艦」が石垣島近海の「領海」を侵犯する事案がありましたが、この時は海上警備行動が発令され、海自のP-3C哨戒機は次々にソノブイを投下してアクティブソナーを打ち続け、50時間以上にわたって追跡を続けました。潜水艦艦長にとっては極めて屈辱的な事ですし、ソナー員はピンガーの音をずっと聞かされ続け、気が狂いそうになった事でしょう。
この事案は漢(ハン)級原子力潜水艦だった事がわかっていますが、この型は原子炉からの温排水が垂れ流しの為、軍事偵察衛星に赤外線探知されてしまう欠陥があります。よって、中国の北海艦隊青島海軍基地を出航した時点からアメリカの衛星に全てをトレースされていたわけです。
また、鋭い方は「投下したソノブイを敵に回収されたら不味いのでは?」と思われるでしょう。確かに探知機器の情報が漏れてしまいます。それを考慮し、一定時間経つと沈んで海底の藻屑となるように設計されています。

そして5月26日の追加報道により、海自の「ひびき」と米海軍の「インペッカブル」、2隻の音響測定艦が投入されていた事が明らかになりました。
音響測定艦は潜水艦の航行音の収集に特化した艦で、曳航アレイ探知装置を投入・曳航して海中の音を拾います。自らの発するノイズは最小限に留める必要がありますから、「ディーゼル・エレクトリック方式」機関を採用しており、予めディーゼルで発電してバッテリーを充電しておき、その電力でモーターを回して推進します。通常動力型と呼ばれる潜水艦と同じ方式です。
その為に速力が10ノット前後と遅く、ひびきは横須賀や呉に係留されていることが多いはずですから、すぐに駆けつけるのは難しいと思われます。米インペッカブルにおいても同様であり、これは中国潜水艦の活動が活発化していることを予め察知していて、沖縄に向かわせていたと推察されます。

この日米の特殊艦が同時投入されているのですから、ソノブイよりも遙かに精緻な音紋が採取されているでしょう。つまり、もうこの潜水艦の隠密性は失われました。詳細な音紋データがあると余分な雑音を取り除く際のフィルタ精度が格段に上がり、対象潜水艦の発見が容易になります。
そして今回は中国に釘を刺す事を優先したのでしょう。対象潜水艦は元級潜水艦(039A型)だったことが開示されました。元級はロシア製のキロ級潜水艦をベースに宋級を組み合わせた中国国産艦であり、ディーゼル・エレクトリックとAIP機関(非大気依存推進機関)を組み合わせた通常動力艦です。推進方式で言えば、日本の最新潜水艦「そうりゅう型」と同じであり、中国にとっても2006年から就役を開始した新鋭艦です。AIP機関についてはフランスの技術をパキスタン経由で入手したとされています。
元級は現在8隻が運用中と見られており、最終的には20隻態勢になると推測されています。そんな新鋭潜水艦の詳細な音紋を取られては中国もたまりませんから、当然ながら妨害工作に出ます。海自のひびきはヤンナン級水上艦に追尾されていましたが、排水量2000トン未満の小型艦艇とはいえ、非武装のひびきには脅威となり得ます。睨みを利かす為、海自護衛艦がエスコートしていたでしょう。

更に別報において、長崎の佐世保にアメリカの「潜水艦母艦」が入港していた事が明らかになりました。潜水艦母艦は潜水艦に物資を補給したり、広い艦内で潜水艦乗組員を休息させるのが任務であり、補給物資を補充積載する為に佐世保に来たのでしょう。
現在の米潜水艦は全て原子力推進であり、攻撃型潜水艦は空母打撃軍に随伴して一気に太平洋を横断してペルシャ湾まで移動する事もありますから、水中最大速力は30ノットを超えます。よって通常の態勢なら搭載食料ギリギリまで任務を継続した後、別の潜水艦と交代して基地に帰ればいいわけで、潜水艦母艦の出番はなく、普段はグアムに係留されています。よってこれは、グアム往復の時間すら惜しい程の潜水艦運用状態を意味します。

そしてアメリカが現在運用している潜水艦母艦は2隻だけであり、その姿はフィリピンのスービック港でも確認されています。潜水艦母艦1隻で最大4隻の潜水艦に対する同時支援が可能であり、相当数の米潜水艦が南シナ海の西沙諸島から南沙諸島あたりの深い海で活動していると見るべきでしょう。
それは沖縄・尖閣の東シナ海においても同様だと考えられます。まず間違いなく、日米中の潜水艦が集結しているわけです。これはかつての米ソ冷戦におけるソ連が中国に入れ替わった図式であり、新たな冷戦が既に始まっている事を意味します。

かつての大東亜戦争緒戦において日本の航空機戦力が米英戦艦を沈め、海軍の主役は長年の戦艦から空母へとバトンタッチされました。
ですが、空母戦力が強大なのはその艦載機の力であり、イージス艦等の護衛がなければ空母自体は対艦ミサイルや魚雷の格好の的でしかありません。戦艦自身が強力な攻撃力を持っていたのとは随分違うわけです。
また、水上艦は二次元の機動しか出来ませんが、潜水艦は「深度」を加えての三次元機動が可能であり、攻撃するにせよ、回避運動するにせよ、より自由度が高いと言えます。
そんな事もあり、潜水艦は「現代の戦艦」とも呼ばれます。大東亜戦争当時の潜水艦は魚雷で敵艦を攻撃できるだけでしたが、現代の潜水艦は大きな進歩を遂げています。魚雷は勿論のこと、機雷の敷設や対地・対艦巡航ミサイルの発射も可能ですし、垂直発射管を備えた戦略原潜は核弾道ミサイルを搭載しています。

米戦略原潜は核弾頭を積んだ弾道ミサイルを搭載し、アメリカ本土近海に沈んで待機するのが任務です。本土が核攻撃を受けた際の報復力を担保するのが目的であり、残存性の高さ故に大きな核抑止力となります。
勘のいい方は「海中では電波が減衰し、報復攻撃命令が受けられないのでは?」と思われるでしょう。確かにそうです。攻撃命令にはELF(極々々超長波)という波長の長い通信波が使われ、水深100m程度まで届くとされています。ただし波長が極めて長いのですから自ずと通信情報量は少なく、陸上基地側に数キロに及ぶアンテナ設備の設置が必要で、どこでも利用できるわけではありません。

そしてSTART2(第2次戦略兵器削減条約)の影響を受け、計18隻を保有するオハイオ級戦略原潜も削減対象となり、1から4番艦までが非核搭載の巡航ミサイル原潜へと改造・運用されています。
そのトマホーク巡航ミサイル搭載数は垂直発射筒22基合計で154発と凄まじく、仮に2隻の巡航ミサイル原潜が敵地近くへ忍び込んで総攻撃をかければ、300発以上のトマホークが6分以内に放たれる事になります。
この飽和攻撃を防ぎきれるとは考えにくく、レーダーサイトを始めとする重要軍事拠点は破壊され、敵国は一気に無力化されてしまうでしょう。

このように、現代海軍力において潜水艦は極めて重要ですが、空母やイージス艦等の水上艦に比べると目に見える派手さはありませんから、一般の認識は低いと言えます。
その重要性は海洋覇権国家を目指す中国も当然理解しており、70隻弱の潜水艦を保有しているとされています。また、本土海岸線に多数ある潜水艦基地の改修・増強を進めており、海南島にも大規模な拠点を新設しています。そして2020年(平成32年)までに更に30隻を確保して老朽艦のリプレイスをしつつ、2030年には100隻態勢を整えると予測されています。
質・量共に世界最強とされる米潜水艦の保有数は75隻であり、このままでは数においては中国が世界最大となるでしょう。

日本にとって潜水艦は尖閣諸島を含む南西諸島防衛の重要な切り札であり、長年に渡って「周辺国への配慮」として16隻態勢を維持していましたが、これを2021年(平成33年)度までに22隻態勢に増強する予定です。
ただ中国の数の力は脅威であり、いくら海自の潜水艦が新鋭艦揃いだとわかっていても厳しいものがあります。更なる増強を期待したいところです。

そして中国潜水艦の脅威度が増し、日本以外のアジア太平洋諸国も潜水艦戦力の増強を予定しています。
オーストラリアは6隻の潜水艦を保有・運用していますが、これを12隻態勢へと増強する予定で、日本側に対して技術供与を打診しています。
ベトナムは今現在潜水艦を保有していませんが、ロシア製キロ級潜水艦6隻の購入を決めており、2016年(平成28年)までに納入される予定です。ベトナムは南沙諸島において最も多くの島や岩礁を占有しており、その防衛が重要な課題です。
マレーシアはフランス製スコルピオン型潜水艦2隻を購入し、既に受領を完了しています。
インドネシアはドイツ製チャクラ級潜水艦2隻を保有しており、2024年(平成36年)までに12隻態勢を確立する計画です。既に3隻の韓国製チャン・ポゴ級潜水艦の購入を決めていますが、これはドイツの設計した209型潜水艦を韓国が製造するものです。ドイツは潜水艦先進国として定番ですが、果たして韓国に輸出レベルの潜水艦製造が可能なのかどうかは疑問符がつきます。何しろ自国においてすら「原因不明の不調」としてドックに入りっぱなしの潜水艦があるぐらいですから。
シンガポールは4隻の中古スウェーデン製スヨルメン級潜水艦を保有しており、更に4隻の中古スウェーデン製潜水艦を購入予定です。
タイは今現在潜水艦を保有していませんが、ベトナムを睨んで同程度の潜水艦を導入するだろうと見られています。

このように、今現在東南アジア諸国で稼働している潜水艦はたった8隻に過ぎませんが、近い将来には32隻前後に増える事になり、無視できない勢力となります。
欧州とアジア間でやり取りされる貨物の約半数は南シナ海を経て輸送されていますから、シーレーンを守る事にも繋がるでしょう。
そして特にベトナムが潜水艦の購入を決めたのは大きく、南シナ海を押さえたい中国にとって痛い一手でしょう。中国潜水艦が弾道ミサイルでハワイを攻撃するとき、射程の都合上南シナ海に侵入する必要があるからです。
日本は周辺国と協力し、中国を押さえ込んで重要海域を守る態勢を整えなければなりません。

話題は変わり、5月28日の朝、米軍嘉手納基地所属のF-15戦闘機が沖縄本島東側の訓練海域に墜落しました。
エンジンを2機積んだ双発のF-15はエンジン不調に強く、片翼がもげても基地まで帰投できる程の機体安定性を持っています。当然ながら米軍は整備レベルも高いですから、よほど突発的な不具合が発生したのでしょう。
パイロットは墜落前に射出脱出に成功、航空自衛隊のヘリによって洋上救助されました。人命が失われなかった事は勿論、育成に10年はかかるとされるパイロットが助かったのは幸いでした。陸上ではなく海に機体が落ちたことと合わせ、不幸中の幸いだったと言えます。
そしてこの事故のニュースを知った瞬間に、沖縄の自称市民団体が「F-15反対!オスプレイ反対!」と騒ぎ出すことは容易に予想できます。

果たして「琉球新報」の報道によれば、「米軍F-15戦闘機墜落事故糾弾!F-15・オスプレイの即時撤去を求める緊急抗議集会」が開かれ、抗議活動が行われました。
沖縄国公労の白石幸嗣委員長は「なぜわざわざ自衛隊が米軍を救助したのか。自衛隊が米軍に完全に組み込まれ、事故があれば自衛隊が米軍の救助部隊になるよう想定していたのではないか」と怒りの声を上げた、とのことです。
沖縄国公労=沖縄県国家公務員労働組合であり、国民に奉仕する為に国家に雇われている人達が何をやっているのでしょうか。空自のヘリが米パイロットを救助した事に因縁を付けていますが、たとえ戦時中に敵兵が漂流しているのを見つけても救助するのが人道上普通の対応です。ましてや平時において同盟国のパイロットを一刻も早く救助するのは当たり前の事です。この委員長は人として完全に狂っているとしか思えません。
ただ、自衛隊が米軍に組み込まれて云々は、お馬鹿さんの割にはいい着目です。自衛隊は米軍の一部として機能するように組織されていますから、自立して活動できる軍隊へと強化せねばなりません。

そして彼らは未だ執拗に「オスプレイ反対!」と叫び、マスコミも「オスプレイが、オスプレイがぁ!」と連呼していますが、まず我々はこの不自然さに着目せねばなりません。
西側軍用機には本名としての型式があり、別途愛称が付けられます。例えばF-15の愛称はイーグル、F-2の愛称はバイパーゼロ、映画トップガンで有名なF-14はトムキャット、最強ステルス戦闘機のF-22はラプター、日本も導入を決めているステルス戦闘機のF-35はライトニング2、といった具合です。
愛称とは読んで字の如く対象を愛でる為のものであり、反対運動やマスコミ報道では型式が使われます。例えば「航空自衛隊のF-15がスクランブルしました」とは言いますが、「イーグルがスクランブルしました」とは言いません。
そして話題になる事の多いオスプレイの本名たる型式は「V-22」です。一般の殆どの人が知らないのではないでしょうか。では何故V-22だけが「オスプレイ」と愛称で呼ばれるのか。それは無機質な型式よりも覚えやすく、配備阻止の運動を広く知らしめる為でしょう。反対運動団体だけでなく反日マスコミも連んでいる事になり、もうこの時点で胡散臭さが漂ってきます。

V-22オスプレイは画期的な航空機で、プロペラを地面と水平にして垂直離着陸するヘリモードと、プロペラを90度前に倒して飛ぶ固定翼モードが切り替えられる「ティルトローター機」です。また、プロペラを斜めにして短距離滑走離陸も出来ます。昔からSFやアニメには同様の機体がよく登場していましたが、長い開発期間を経て現実の世界へデビューしました。
そしてV-22は単なる輸送機であり、戦闘機や攻撃機、爆撃機のような戦闘力は持ちません。普通なら、やり玉に挙がるのはおかしいのです。

では、反対派の主張が正当なものなのかどうか、検証してみましょう。
彼らは「オスプレイは事故が多く危険」だと訴えていますが、本当でしょうか。確かに開発段階では大きな事故を起こしていますし、ヘリモードと固定翼モードでは特性が大きく異なります。よってパイロットはヘリの特性も固定翼機の特性も知った上で操縦しなければなりません。相応の練度が要求されるでしょう。
そしてオスプレイには2つの仕様があり、一つは海兵隊仕様のMV-22、もう一つが特殊作戦仕様のCV-22です。普天間基地に配備されたオスプレイは海兵隊仕様のMV-22であり、その事故率は米軍運用航空機の平均以下です。つまり、他機種より事故が多いという主張は明らかな間違いです。
ただし、特殊作戦仕様のCV-22は事故率が高くなります。
従来のヘリでも同じですが、特殊部隊を敵地へ送り込んだり回収したり、敵地で脱出した戦闘機パイロットを救出する戦闘捜索救難が用途なのですから、過酷な任務で使えば当然数字は悪くなります。

海兵隊仕様のMV-22はホワイトハウスのスタッフや報道陣、警備員の移動に使われることが決まっており、既に飛行訓練を開始しています。もし事故の危険性が高い機体ならば、ホワイトハウスで使われないでしょう。
また、特殊作戦仕様のCV-22はイスラエルの購入が決まっています。戦闘捜索救難が主用途だと思われますが、1機約100億円ともされる高価な機体を周りが敵だらけのイスラエルが採用するのですから、その性能の高さは確実でしょう。また、国民人口の少ないイスラエル軍の装備は人命重視で知られていますから、高い安全性も評価したのだと思われます。
そもそも航空機は科学の力で空を飛んでいるわけで、民間のヘリや航空機も落ちるときは落ちます。そうならないように整備し、様々な努力をしても事故率は決してゼロにはなりません。

次に、反対派が声高に叫ぶ「オスプレイは騒音が大きい」です。
そもそもこれは、軍事評論家のT氏がテレビや雑誌等で繰り返し主張した為に広まった話です。軍事評論家の肩書きで飯を食っている人は沢山いますが、嘘っぱちばかりを並べたり、ずれた焦点の主張ばかりをする人達も少なくありません。T氏はそのブラックリストに載っている一人です。
T氏の主張は、「オスプレイはエンジン出力が現在普天間にあるCH-46ヘリの4.4倍で騒音が大きい」というものです。これはまさに噴飯ものであり、「レクサスは軽自動車の5倍の出力があるからうるさい」と主張するのと同じです。エンジン出力と騒音は必ずしも比例しません。

今時、民間や消防のヘリはどこでも飛んでいますから、その飛行音を聞いたことのない人はいないでしょう。「バタバタバタ」とか「バラバラバラ」といった感じの耳障りな騒音です。これは回転するローターブレードの発する音であり、エンジン音はかき消されて聞こえません。ローターブレードが回転すると空気の渦が発生し、それが後続のブレードに当たって衝撃音が発生します。この「スラップ音」がヘリ特有の騒音の正体です。
そしてスラップ音はローターの直径が大きくなる程うるさくなりますが、V-22オスプレイのローター径はCH-46シーナイトのローター径の約2/3ですから、騒音は低くなって当たり前です。また、ブレード枚数3枚のツインローターというスペックはV-22、CH-46共通です。

実際に騒音レベルを測定したデータによると、V-22オスプレイはCH-46シーナイトより5~9dB(デシベル)静かだと報告されています。9dBは音圧換算で6倍の違いになります。
また、プロペラを倒して固定翼モードで飛ぶと、ブレードで発生した空気の渦は即座に後方へ遠ざかる為、明確なスラップ音自体が発生しません。更に騒音レベルは下がるわけです。
こうして検証すると、米軍のCH-46シーナイトからV-22オスプレイへの置き換えが進めば、どんどん騒音が減っていきます。老朽化したCH-46を使い続ければ当然墜落事故は増えますが、新品のV-22は事故率も平均以下です。
市民団体からすれば大きな現状改善のはずですが、彼らはオスプレイ断固反対と譲りません。一体、何が彼らを突き動かしているのでしょうか。

画期的な航空機V-22オスプレイは、従来型ヘリコプターの2倍近い約520km/hの速度で飛び、4倍強の約650kmに及ぶ作戦行動半径を持ちます。
沖縄を中心にして半径650kmの円を描いてみると、真相が見えてきます。つまり、今までは揚陸艦の運用が必要だった尖閣への海兵隊投入が、空路を使って1時間以内に出来るようになります。これは中国にとって尖閣直接占拠の大きな妨げになります。
そして中国は台湾海峡近くに陸海空の新鋭兵器を集結させていますが、これはいざとなれば台湾を一気に制圧し、アメリカが駆けつける前に占領してしまおうという目論見です。ですが、台湾島北部の首都台北がV-22オスプレイの行動半径に入りますから、強力な抑止力となります。
また、空中給油を一回実施すれば、フィリピンの一部と中国東岸が作戦エリアとなります。実際にV-22オスプレイは沖縄からフィリピンへ飛んで軍事演習に参加し、その足でタイまで飛んで軍事演習に参加するなど、運用実績を積み上げています。

こうして見ると、「沖縄の市民団体」が必死に抗議し続けている裏には、中国の工作活動があるとしか判断できません。
その傍証として、同時期に普天間には新型汎用ヘリコプターUH-1Yべノムが配備されましたが、これは全く話題になりませんでした。また、新型攻撃ヘリコプターAH-1Zバイパーも普天間配備が決定していますが、こちらも何ら反対の声は聞こえてきません。理由は中国にとって直接大きな脅威にはならないからでしょう。

そして、沖縄を巡って中国の工作活動が活発化しています。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の「環球時報」や沖縄の地方紙「琉球新報」は、沖縄で日本からの独立を目指す「琉球民族独立総合研究学会」が発足した事を大々的に伝えています。
政治家、大学教授、社会活動家や市民団体で構成されたこのグループは、設立記者会見を「沖縄県庁」で開いています。地方自治体が片棒を担ぐ程に中国の力が及んでいるわけです。彼らの声が決して県民の総意ではないでしょうが、県庁が荷担したとなれば、沖縄の民意を疑う声も出てくるでしょう。
グループ代表は「中国に属するのではなく、平和国家として自立した沖縄を目指す」と語っていますが、沖縄の規模と地理条件で独立を守る事など不可能ですから、仮に琉球国として独立を果たしたとしても、「琉球を日米の魔の手から守る為」と称して人民解放軍が送り込まれ、即座に中国に呑み込まれてしまうでしょう。中国の狙いは明らかにそこにあります。そして待っているのはチベットやウイグルと同じく民族浄化であり、全ては中国人に乗っ取られる事になります。
沖縄が落ちれば、その先に続くのは日本が中国の属国となる暗黒の未来になるでしょう。

この「琉球民族独立総合研究学会」設立に呼応して、衆院沖縄2区選出の社民党の照屋寛徳国対委員長は「沖縄は日本国から独立した方が良い」との主張をしています。何と国会議員までが堂々と琉球独立運動を支持しているわけです。
また人民日報は「琉球は清の属国だったが、日清戦争後の下関条約で日本に奪われた」と主張する論文を掲載し、「歴史的に解決していない琉球の問題を再び議論する時が来た」と沖縄の主権に踏み込んでいます。下関条約云々は全くのデタラメですし、過去の都合のいい時期に遡って領土が主張できるなら世界は滅茶苦茶になってしまいます。

中国人民解放軍政治工作条例に「三戦戦略」というものがあります。恐らくご存じの方もおられるでしょう。
三戦は、世論戦、心理戦、法律戦の3つで構成されます。「世論戦」はインターネットを含む各種メディアに情報を流し、国内外の世論を都合のいいように誘導します。「心理戦」は恫喝と懐柔で敵の戦意を喪失させます。「法律戦」は国際法や国内法を都合のいいように作ったり解釈して優位を得ます。
例えば沖縄の独立運動に関しては明らかに世論戦が実施されていますし、尖閣で繰り返される領海侵犯と「棚上げ」の提示は心理戦の実施でしょう。中国の国内法では尖閣は中国領土と規定済みですから、これは法律戦に該当します。下関条約云々も同様でしょう。
三戦戦略のバックには軍事力による圧力が絶えず存在しますが、軍事行動そのものではなく、戦わずして勝つ為の兵法と言えます。

かつてインターネット上の情報は「便所の落書き」などと小馬鹿にされていましたが、今や無視できないメデイアになっています。一部のSNSを除けばハンドルネームや匿名でも情報発信が出来ますし、掲示板やBlogのコメント等で手軽に自分の意見を書き込む事も出来ます。
先のアメリカ大統領選挙はツイッター選挙などと言われ、日本でも遂にネットでの選挙運動が解禁になります。これはインターネットが社会に不可欠なメディアに成長した証でしょう。
ただし、匿名やハンドルネームが使えるからこそ、溢れかえる情報の中には嘘や間違いもあり、世論操作や扇動等の工作活動も容易となります。そして工作活動は広大なネット空間の津々浦々に及び、例えばマイナーな軍事を扱ったサイトにまで明らかに工作員による物だと判断できる書き込みが繰り返されています。
勿論、黒井執斗なるペンネームで書かれた文章も、彼が工作員かもしれない可能性はゼロではありません(笑)。小学生の時点で大東亜戦争の戦記物を片っ端から読み漁り、「鬼畜米英!」と叫んでいたわけですから思想的に偏りがある可能性もあります。十二分に注意が必要です(笑)。

生きることは知ることであり、人間は宇宙の全てを知りたいと願う生き物だと思います。しかし、「少年老いやすく学なりがたし」です。人間の一生はあまりにも短く、全ての事象を細かに紐解いて学ぶのは到底不可能です。
だからこそ専門分野があり、足りないところは他の専門家によって集約された情報で補完します。
本の情報はネット上の情報より信憑度が高いですが、本にも間違いはあります。そして今も無限に膨張し続けるネット情報は玉石混淆ではありますが、正しい判断が出来れば「玉」を見つけることも可能でしょう。また、電子書籍が本格的に普及すれば誰でも簡単に出版が出来る様になりますから、本とネットの世界は限りなく接近・融合する時代が来るでしょう。

我々はインターネットを便利に利用しても、逆に利用されてはいけません。
韓国にはVANKという情報宣伝工作活動の為の組織があり、政府からの公金で運用され、様々な工作活動を行っています。中国には共産党配下のネット工作員が数十万人規模で存在するとされています。

それを知った上で、我々は情報を取捨選択して正しい判断を下す必要があります。
前回の拙稿と合わせてご理解頂けると思いますが、軍事・安全保障から見た場合、韓国は押さえておかなくてはならない半島国家です。彼らの捏造歴史に基づく反日行為に対しては、必要に応じて反論をするのもいいでしょう。私も随分と好き放題に書いています。

ですが、ネットに溢れる「日韓断交」の主張は明らかに間違っています。日韓分断の世論形成で利するのは中国ですから、明らかに三戦戦略の中の世論戦が実施されています。
また、真の敵は明らかに中国です。「中国と手を組んで日韓断交」などという主張は二重の意味で間違っています。尖閣では日々領海侵犯が続き、沖縄独立を煽る世論戦も勢いを増し、日本は一方的に押されています。仮に軍事力の拮抗を保って直接的な侵略を防げたとしても、このままでは戦わずして負けてしまう事態もあり得ます。
この事態は既に待ったなしであり、日露戦争日本海海戦時の東郷平八郎大将の言葉を借りれば、「敵艦見ゆ」でしょう。

戦争とは直接的・間接的方法を用いて国益や大義を主張しあう行為ですから、人民解放軍と自衛隊が戦火を交えていなくとも、既に間接的な手段での戦争は始まっています。
かつて大東亜戦争に敗北したのは戦略的失敗です。そしてもう一つの大きな失敗は、戦後の反日的・自虐的な教育でしょう。その結果として愛国心が失われ、誇りを持った日本人が減ってしまいました。

もし貴方が真の「愛国者」であるならば、韓国などという雑魚にばかり気を取られず、既に始まっている真の敵との戦いに注力すべきです。この戦いに負ければ、日本は間違いなく中国の属国になるでしょう。主権国家の誇りをかけた、二度と負けられない戦いなのです。
最後にもう一度、東郷大将の言葉を借りましょう。
「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」

(2013年6月5日記)

*******************************************************

黒井執斗様、深田 匠先生、いつも本当にありがとうございます。
最後までご覧下さった皆様、誠にありがとうございました。

心より感謝申し上げます。





一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるために、“拍手”と“人気ブログランキング”をそれぞれクリック願います。

人気ブログランキングへ

『 日本人よ、真の敵を見誤ることなかれ 』 - 2013.05.07 Tue


当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。
一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるため、何卒“人気ブログランキング”にクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ





保守派のバイブルといわれる名著『日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略』の著者で国際政治学者の深田匠先生が昨年、田母神俊雄元航空幕僚長の公式ブログにて『第二次安倍政権待望論』続けて『第二次安倍政権待望論Ⅱ日出づる国の光芒』を発表されました。
それからしばらく後に、当会のためだけにわざわざ『第二次安倍政権待望論・番外編 2012総選挙論~日本興亡の分岐に立ちて~』を御執筆下さいました。

そしてなんとこの度また当会専用にオリジナル論文を書き下ろしていただきました!
タイトルは『 日本人よ、真の敵を見誤ることなかれ 』です。

当会のブログ記事だけに留めおくだけでなく、一人でも多くの方にご熟読いただきたい重厚な内容です。
Twitter、Facebookなどでぜひ拡散にご協力下さい。


※ぜひこちらも併せてご覧下さい。
・第二次安倍政権待望論
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11362799354.html
・第二次安倍政権待望論Ⅱ(前編)
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11375744948.html
・第二次安倍政権待望論Ⅱ(中編)
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11375845109.html
・第二次安倍政権待望論Ⅱ(後編)
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11375845451.html
・第二次安倍政権待望論・番外編
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-2.html


*******************************************************

日本人よ、真の敵を見誤ることなかれ
(作家・国際政治学者 / 深田匠)



- 急増する中韓の反日ロビー工作 -
米国内における中韓の安倍政権攻撃のロビー工作が最近急激に増加している。共和党筋から私のもとに届く情報提供メールによると、本年2月の安倍・オバマ会談の直後から急速に増加したという。従来は米民主党の親中派議員中心に行われてきたロビー工作は、今や共和党の親日派までも工作対象に加えて拡大しつつあるとのことだ。
そのロビー活動で専ら行われていることは、「安倍は危険な軍国主義者であり、日本の侵略や戦争犯罪(SEX SLAVE=慰安婦の強制連行、南京虐殺など)を否定し、第二次世界大戦の結果である戦後秩序を覆そうとしている。アメリカは危険人物である安倍を警戒せよ」という主張を米国内でも行えという要請だ。

議員相手のロビー工作だけではない。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど、米民主党系のリベラルメディアに対しても広告その他の名目で中国から多大な金が流れ、中国の意に沿って安倍政権を危険視するバッシング記事が何かにつけて掲載されている。
ニューヨーク・タイムズは、「日本の不必要な軍国主義」と題した社説で麻生副総理ら閣僚の靖国参拝を批判したが、野田政権下で松原仁氏ら閣僚が靖国参拝した際には米リベラル系メディアはほぼ黙殺に近い反応だったのだ。これは安倍政権を過度に敵視する中国のロビー工作および米世論プロパガンダ工作が、かつてない勢いで活発に行われだしていることを示している。

中国がここまで安倍政権を敵視する理由は一つである。それは安倍政権の目指す方向性、すなわち日本の「戦後体制」からの脱却こそが中国の世界覇権の野望を阻止することに直結するからだ。

- 「二つのアメリカ」の歴史認識 -
元来、米民主党は伝統的に反日親中の傾向がある。それはこの百年来変わっていない。それに対して共和党は伝統的に日本への理解が深く、共産党独裁の中国に対する警戒感が強い。
オバマと競った共和党大統領候補をみても、マケインは「中朝に対抗するためにも日本は核武装するべきだ」と公言しており、ロムニーは「私が大統領に就任すればその日のうちに中国を為替操作国に認定する」と公約していた。為替操作国に認定するということは「経済制裁を加えて中国経済を潰してやる」と宣言するにも等しい。

歴史認識においても共和党と民主党には大きな開きがある。マッカーサー元帥が「日本の戦争は安全保障目的であった」という主旨の議会証言を行ったのも、マッカーサーが共和党系の人物であったからだ。
交戦当事国である以上、たとえ共和党であってもさすがに日本を全面擁護することはできないが、少なくとも日本の立場に対して一定の理解を示してきたことは事実である。共和党歴代大統領の中でも屈指の親日派であったブッシュにいたっては、小泉総理の援護のために一緒に靖国参拝しようと打診していたぐらいなのだ。

私と爾来交流がある共和党関係者たちも、私の主張する大東亜戦争肯定論までは同意しなくとも「東京裁判のパール判決が最も公正な判決だ」という点では完全に意見が一致している。パール史観であれば、共和党を中心とする米国保守勢力との歴史観の共有は可能であると私が信じる所以である。

一方、対日戦争を実行したルーズベルトおよびトルーマンの両政権が民主党であったことも影響して、米民主党にははるかに中国寄りの歴史認識を持つ人物が多い。つまり米民主党を中心とする米リベラル勢力にとっては「日本は一方的に悪の侵略国であった」という歴史観が主軸となっている。

安倍政権誕生後、中国のロビー工作によって米民主党議員を通じてもたらされたネガティブイメージにより、オバマとその周辺は「安倍は右翼的な危険人物だ」という先入観を持っていた。共和党議員からは私のもとへ「鳩山のせいでオバマはすっかり日本嫌いになっている。ケリーは筋金入りの親中派だ。安倍は非常に苦労するだろう」と警告するメールも届いていた。
ケリーは2010年12月7日の米中関係演説において「中国の経済力増大はアメリカの国益に適っている。アメリカはこれまで以上に中国と親密になり、新しい経済協力関係を築くことがアジア発展につながる」と述べている。まさに米国の親中派の代表格の一人がケリーなのだ。

ヒラリー・クリントンも上院議員時代にたっぷりと中国筋からの献金を受け取っていたが、在米華僑から直接受け取るなど脇が甘く、また夫のクリントン大統領も中国から秘密献金を受けていたことを共和党にリークされ、夫妻揃って共和党系メディアに批判された過去があった。そのような状況もあって一種のアリバイ作りのためにヒラリーは、国務長官在任中はあえて対中強固姿勢を示していたのであろう。
しかし中国のケリーへの献金はもっと巧妙に、人民解放軍系企業から米国企業を経由させた迂回ルートで行われてきた。それゆえケリーは金銭的な面での中国とのつながりを批判される心配がヒラリーよりも少ない。第二次オバマ政権の外交を担うケリーは、日中関係の問題においては中国のエージェントと言ってもおかしくないほど中国寄りの人物なのである。

このような要素も災いして安倍総理が最初の外国訪問に米国を希望しても、オバマ政権はその希望を受け入れようとはしなかった。ところが実際に安倍総理と会談したオバマは、安倍氏の誠実な人間性や優れた国際戦略観に感銘を受け、安倍氏に対して「あなたの在任中、(自分という)力強いパートナーがついている。安心してもらっていい」と明言した。安倍氏本人と会ったことでオバマの安倍氏への先入観は覆されたのである。

安倍総理の志向する憲法改正による国防軍創設、集団的自衛権の行使、防衛予算の拡大などは、財政難のアメリカにとっても好都合である。歓迎こそすれども反対する理由はない。オバマはこれまで相対してきた日本の民主党政権の総理たちとは違って安倍氏は信頼できると感じたのだろう。
オバマが安倍氏を信頼し日米同盟が強化されることは、中国の覇権拡大の野望を妨げることにつながる。しかし米国の国益にも資する日本の国防軍創設(憲法改正)や集団的自衛権の行使は、米国において安倍政権を攻撃するロビー工作のネタにはならない。そこで中韓が狙いを定めたのが歴史認識問題なのである。


- 中韓のロビー工作はそれぞれ狙いが異なる -
米国内で行われている反日ロビー活動の量的なウェイトとしては、私の見るところでは、中国が8割、韓国が2割といったところだ。この両国はどちらも慰安婦問題など歴史認識をネタに安倍政権攻撃のロビー工作を行いつつも、実はその目的はまったく異なっている。

中国の目的はオバマが安倍政権を信用しないように仕向け、日米の溝を大きくして離反を進め、日米同盟を骨抜きにして尖閣強奪や沖縄独立工作をスムーズに進めることにある。従って中国が何もせずとも勝手に日米離反を進めていた鳩山政権の時期には、このような政権バッシングの米国内ロビー工作は一切行われていなかった。野田政権の時期になって少しは行われたものの現在の安倍政権に対する工作量の比ではない。

現代における国際覇権とは海洋覇権のことである。中国が太平洋へ侵出しようとする時、その出入り口を遮断しているのが離島も含めた日本列島であり、沖縄・尖閣・台湾のラインを手中に収めて太平洋への出入り口を確保しなければ中国は海洋覇権大国たりえない。
地政学的に古来より日本はシナを大陸に封じ込める「海からの包囲陣」であり続けてきた。これは地政学的な宿命であり、従って日中は永久に共栄不可能な不倶戴天の敵なのである。両国の国力に大きな差があれば衝突は生じないが、同等の国力を持つようになった場合、ランドパワーとシーパワーの衝突は不可避であることは歴史が証明している。
日本を屈服させて海への出入り口を手中に収めないかぎり中国の野望である世界覇権は実現しないのだ。国力を増した中国にとって日本ほど邪魔な国は他には存在しないのである。

世界覇権を得るために日本を必ず潰すという意思を固めた中国は、日本に冷戦を仕掛けてきている。尖閣海域での軍事衝突も将来必ず起こりうると私は確信しているが、冷戦とは軍事面での競争だけではない。対外プロパガンダ戦・世論工作戦・外交戦・経済戦などあらゆる戦術を用いて中国は日本を弱体化させようとしている。そして中国のその日本潰し戦略の一環として行われているのが、米国におけるプロパガンダ戦なのである。

一方、韓国が安倍政権バッシングの米国ロビー工作を急に加速させているのは、もっと単純な目先の理由である。一言でいえば安倍政権を潰すことでアベノミクスを頓挫させたいのである。
朴槿惠大統領は対北朝鮮における安全保障での日本の役割は理解しており、過去に親しく面談したこともある安倍氏に対して個人的な敵意はない。安倍氏が対中牽制のために韓国に気配りした政策を採っていることも朴槿惠はよく理解している。そもそも韓国は中国のように日本をその覇権下に組み込もうとする意思もなければ、それだけの国力もない。

しかし日本経済と韓国経済はウィンウィンの関係にはなく、どちらかが上がればどちらかが沈む構造になっている。アベノミクスが成功して強い日本経済が甦れば、韓国経済は沈んでしまうのだ。
米国がアベノミクスを支持すると公言した以上、韓国がそれに反対しても米国は相手にしない。そこで歴史認識を材料にして安倍政権に言いがかりをつけ、米国でロビー工作を行ってオバマが安倍政権を見離すように仕向けようとしているのである。
安倍総理自身が靖国参拝を控えたのに、韓国外相派遣の中止など韓国が過剰にヒステリックな対応を行うのは、そこしか攻めるところがないからなのだ。韓国の反日ロビー工作は、大局的な国家戦略によるものではなく自国経済を守るために苦し紛れに必死になっているにすぎない。

アベノミクスが成功して日本経済が蘇り韓国経済がガタガタになれば、日本からの支援欲しさに韓国は尻尾を振ってくる。米国の同盟国である韓国を中国が助けることはなく、韓国を助けてくれる国は結局日本しか存在しないからだ。
近年韓国が日本に対して急に居丈高になりだしたのは、日本のGDPが中国に抜かれたことがその大きな要因である。日本の国力が甦れば、韓国は半島国家の習性である事大主義が必ず頭をもたげてくる。従って日本を呑み込む意図を持つ中国とは異なり、日和見的な存在であることを理解しておく必要がある。

米国における議員相手のロビー工作とは、端的に言って金か利権誘導である。米国人ロビイストを通じて話を持ち掛け、(表か迂回かはケースによって異なるが)相手の望むだけの献金を行い、またはその議員の選挙区に雇用を生む工場等を建設するなど、さまざまな手法を用いての利益が供与される。
例えば執拗に反日法案を提出し続けるマイク・ホンダ民主党下院議員などは中韓からの献金をたっぷり受け取っている。そして中国の経済力拡大を背景に人民解放軍系の企業の米国進出も急増しており、これらは迂回献金の格好の隠れ蓑になっているのだ。

汚職が日常茶飯事である中韓は米議員に金や利権を供与することに何ら抵抗はないが、日本人は奇妙な潔癖症があって正攻法で反論しようとする傾向が強い。しかし中国や韓国からたっぷり献金をもらって慰安婦非難決議案を議会提出している議員に対して、外務省職員が面会して淡々と「強制連行の証拠はないのです」と説明したところで一体何の役に立つであろうか。
金には金、利権には利権で対抗しなければ勝負にならない。外交を担う者は国益を守るには泥水に浸かるべきなのだ。そのためには日本は諜報機関を持たねばならない。先進国で諜報機関を持たない唯一の国が日本である。


- 対米プロパガンダ戦に敗北し続ける日本 -
日本は米国内におけるロビー工作やプロパガンダ工作において、中国・韓国に完全に遅れをとっている。とりわけ中国には完敗している。それは戦前の国家体制を全て悪とする「戦後体制」のせいで、日本にはCIAや中国国家安全部のような諜報工作機関が存在していないことが大きい。
さらに日本は米ソ冷戦下の甘えがいまだ抜けず、「アメリカは日本の味方だ」と無邪気に思い込んで楽観視している人々も多く、米国内でのプロパガンダの重要性に気付いていない時期が長かった。確かにソ連が存在した時期はアメリカは無条件で日本を庇護した。日本を対ソ包囲網の主軸に置くことがアメリカの国益であったからだ。

しかし時代は変わった。日本の主敵は中国であり、中国はソ連のような米国敵視ではなく米国懐柔を対米戦略の要にしている。米国にも民主党を中心とする親中派の呼応勢力があり、この政治勢力は経済的利益を目的に対中融和政策を進めようとする傾向にある。米ソ間には経済的な結びつきがほぼ皆無であったが、米中間の経済的な結びつきは非常に大きくなっており、米ソ冷戦とは異なる「新しいタイプの冷戦」が生じているということだ。
その新冷戦の当事国となる一方は米国ではなくむしろ日本なのである。それは言い換えれば、現在の覇権国であるアメリカを含めて、日中いずれがより多くの「味方」を得るかの競争でもある。

中国の工作は米政界相手のロビー活動だけではない。中国は米国で年間500万ドル以上の予算を割いて衛星放送のテレビを4チャンネル運営し親中反日番組を放送し、中国共産党国務院直轄の中国語学校「孔子学院」を全米80箇所以上設け(児童向けの「孔子教室」は300箇所以上)、さらには主に「日本軍の戦争犯罪」なるものを宣伝するイベント・演劇・パネル展・シンポジウムなどを全米で開催し、その他アメリカ国民を「親中反日」へと仕向けるための世論工作は大小無数に展開されており枚挙するにキリがない。

対外プロパガンダ工作を重視する中国は「対外広報予算」として年間およそ一兆円をプロパガンダ工作やロビー工作につぎ込んでいるが、一方の日本の予算はわずか二百億円足らずである。これではとても勝負にならない。
日中間はまだそれほど大きな国力の差はないのにこの対外広報予算のあまりにも大きな開きは、プロパガンダの重要性に対する認識差であるとしか考えられない。

中国はアメリカの世論を味方につけて日本への潜在的反感をかきたてさせ、日本との溝を深めさせて、いずれ将来は日米同盟の破棄に持ち込もうと狙っている。実際、朝鮮半島有事が起こった際に日本が集団的自衛権を行使できず米軍が戦うのを漫然と傍観していれば、激怒した米国世論に押されて日米同盟は破棄される可能性も十分にあるのだ。まさに宋美齢の対米プロパガンダによって米国が中国に同情し日本敵視に至った戦前の歴史が繰り返されようとしているのだ。


- 日本を侵食する中国工作機関・中国人スパイ・潜入帰化人 -
日本が対外プロパガンダ戦で一方的にやられっ放しなのは、プロパガンダ予算や諜報機関の有無の問題だけではない。日本国内に中国の対日戦略に加担する一大勢力があることもその大きな一因だ。中国が靖国参拝をネタにして反日的国際プロパガンダを起こすと、それに呼応する動きで自国政権をバッシングする日本国内の媚中勢力および媚中左翼メディアの存在がある。
中国の国内には日本の主張に呼応する勢力など存在していないが、日本には存在する。有力な利敵勢力が存在するか否かの差は大きい。そしてそれらの国内媚中勢力は中国の工作機関と結びついているケースが極めて多いのだ。

例えば朝日新聞は人民日報と提携しており社内に人民日報の支局があるが、中国国営紙である人民日報の関係者が日本支局に派遣される場合は、言うまでもなく中国の対日工作機関に関係する人物が派遣されてくる。さらに朝日新聞は同時に米リベラル系のニューヨーク・タイムズとも提携しており、同タイムズ紙の東京支局は朝日新聞社内にある。つまり中国が靖国参拝を批判すればすぐに、国内では朝日新聞が、米国ではニューヨーク・タイムズがそれに呼応するという反日親中ネットワークの仕組みができあがっているのだ。
問題はメディアだけではない。詳しくは機会を改めて述べることにするが、現在沖縄で起きている主権回復記念式典やオスプレイ追加配備などをめぐる反対の動きにも、実は中国の工作機関が深く関与している。

日本国内における中国の工作機関関係者は、一般の日本人が想像するよりもはるかに多くの膨大な人数がすでに各界に浸透している。在日中国人は外国人登録されているだけでも70万人、不法入国や不法滞在も含めれば100万人を超えており、さらに日本国籍に帰化した中国人は12万人を超える。在日韓国・朝鮮人の人口をはるかに上回る数の中国人がすでに日本に入り込み住み着いているのだ。ちなみに2007年の時点で東京の人口の百人に一人は中国人である。
中国共産党は百万人を超えた在日中国人による情報収集や対日工作を一元的統括するシステムを作り上げている。職域や階級に応じた多くの組織(私が把握しているだけでも50団体以上)が作られているが、それらを統合するポジションにある大手6団体が「日本華僑華人連合総会」「日本新華僑華人会」「全国日籍華僑総会」「日本中華総商会」「在日中国企業協会」「日籍華人連誼会」であり、これらの団体の上部に存在しているのは人民解放軍情報部である。
人民解放軍情報部直轄ともいえるこの6団体に所属する人数を合わせると実に60万人以上。すなわち60万人を超える在日中国人が大なれ小なれ情報収集や対日工作などに何らかの関与を行っているということだ。李春光事件など氷山の一角のそのまた一角にすぎない。

これら日本国内の中国人(帰化人多数を含む)の多くは、情報収集(スパイ行為)のみならず、駐日中国大使館および中国共産党から派遣されている対日工作機関員の指示に沿って様々な対日工作にも励んでいる。政治家や財界人に対するハニートラップや献金買収・利権提供など日常茶飯事であり、帰化人からの献金であれば政治資金規正法にも問われない。

さらに近年は中国籍からの帰化人を純粋な日本人のように装わせて、日本の各界中枢に送り込む潜入工作も顕著である。中央か地方かを問わず役人・政治家秘書・マスコミ関係者には驚くほど多数の中国帰化人が入り込んでいる。
政界潜入工作は議員秘書だけが対象ではない。「全国日籍華僑総会」という組織が中心となって日本の政界に帰化人を送り込む戦略を推進している。ここでは実名は伏せるが中国帰化人の国会議員はすでに両手の指を折っても足りない。ちなみに民主党政権で準閣僚ポストにあった某氏、地政学的に重要な位置にある某県の知事なども中国籍からの帰化人である。

読者諸氏は「仏光会」という宗教団体をご存知だろうか。近年、日本と韓国において怒涛の勢いで信徒数を増やしている台湾の宗教団体だ。東京にも東京仏光寺という寺院があり、その寺院で開かれる会合などには現役国会議員も多数出席している。台湾の宗教団体ということで保守派もあまり警戒していないようだが、「仏光会」の教祖である星雲大師なる人物は台湾出身ではなく南京出身であり江沢民の懐刀といわれている人物なのだ。
江沢民政権時代にその全面的な後押しを得て「仏光会」は台湾仏教界をほぼ制圧して牛耳るようになり、票目当ての国民党と密接な政治的関係を築いて今や「台湾の創価学会」とでもいうべき大きな政治的影響力を持つに至っている。台湾本国での「仏光会」の総会には副総統・行政院長まで出席しているのだ。
星雲大師は中国共産党に直結する政治的工作員であり、日韓台において南京虐殺などを喧伝する反日プロパガンダや日韓離反・日台離反の世論工作を仕掛けている。帰化人を政界に送り込む工作を進めている「全国日籍華僑総会」の会長も何かにつけて東京仏光寺を訪れているという情報があるが、おそらく中国本国から来た情報部員を交えての対日工作の会議でも開いているのだろう。
れっきとした日本人であっても「仏光会」の信徒になってしまえば、徹底した反日親中思想の洗脳を施されて事実上の中国の工作員に育てられていく。オウムを見ればわかるように宗教的洗脳を受けた信者は何でもやるのだ。政界潜入工作のために議員に立候補することなどお安いご用だ。中国共産党直系の政治工作員が教祖をつとめる宗教の信者数が日本国内でも凄い勢いで急増しつつある今、もはや創価学会の媚中姿勢を批判しているだけでは済まない大変な事態が進行中なのだ。

CIAを上回る世界最大数の諜報工作員をかかえるといわれる中国のその工作対象は、スパイ防止法すらない無防備な日本においては、まさかと思うほど広範囲の津々浦々にまで及んでいる。
実は私のような在野の一作家のところにまで某県立大学教授を務める中国人が「ご著書に感銘を受けました」などと言って接近してきたことがある。国際政治学を専門にする教授で「中国の民主化運動の活動家」という触れ込みでの接近であったが、私が中国共産党を激しく批判しても曖昧な返答しかしないため不審に思い、公安筋に調べてもらったところ案の定「中国共産党が組織させた日本華人教授会議のメンバーであり、間違いなく中国情報機関のヒモ付き。民主化運動に関わった形跡は一切ない」とのことであった。
私がハニートラップには引っかからないとでも思って学者を寄越したのであろうが、オッサンの中国人工作員に接近してこられても嬉しくもなんともない。私のところへ工作員を寄越す場合は次回はジョイ・ウォンみたいな美人をお願いしたい。
しかし私の反中的主張に目をつけたのか田中正明氏の弟子であるからかは知らないが、私のような無名作家のところにまで懐柔工作の手が伸びたということは、もはや工作対象は政治家・財界人・マスコミにとどまらず、何らかの影響力を持つ日本国民は全てが工作対象になりうるのだと考えておかねばならない。

政治家や財界トップが中国滞在中に飲んで食って抱いて籠絡されていたのはもはや過去の話。今は日本国内で買収・ハニートラップ・利権供与・脅迫などあらゆる手段を駆使しての籠絡工作が推進されている。
反中的な有力者が失踪(おそらく拉致され殺されている可能性が高い)したという話も近年たびたび耳にしているので、殺人や拉致などを行う非合法工作員までもが相当数潜入しているのだろう。

最近中国の工作機関が力を入れているのは保守派・民族派など右側への懐柔や潜入だ。ちなみに某大手右翼団体のトップが中国に招待され国賓級の歓待を受け、飲んで食って女工作員を抱いて裏金を握らされてすっかり懐柔されてしまったという話すらある。この右翼団体はそれを境にぱったりと中国批判をやめて専ら韓国・北朝鮮への批判に軸を移している。このような事例は氷山の一角どころか、砂浜の中の一粒の砂粒にすぎない。
中国の最大仮想敵国にしてスパイ防止法すらない日本は、中国の工作機関や中国人スパイの手でまるで玩具のように弄ばれているのだ。


- 国際政治学から見た「ネットと愛国」 -
この中国による対日工作の件に関して日本の保守派が大いに警戒しておくべきことがある。これは保守を自認する全ての人に対する重要な警鐘なので、読者の方はぜひとも念頭に留め置いてもらいたい。

ご存知のように、在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチが社会問題視されている自称「保守系市民運動」なる一派がある。「行動する保守」などとも自称しているようだ。ネット上の一部の保守系ブログなどにも彼らとまったく同様の主張を行っているケースが多くみられる。

保守派のイメージを貶める、日本の対外イメージを貶める、社会的秩序を乱す、民族平等を唱えて大東亜戦争を戦った英霊を貶める、靖国に祀られる朝鮮半島出身の英霊への侮蔑に等しいなど、私の目から見ても非常に問題が多いことは確かだ。だが本稿ではそれらの問題とその悪影響についてはあえて述べない。それらについては現在執筆中の次著で採り上げることにする。
また私は「レイシズムはいけない」という人道やヒューマニズムの観点で論じることも敢えてしない。それは社会学者や人権問題の専門家がやればいいことだ。私は私の分をわきまえて国際政治学の観点で、私の得た情報およびそれに基く中国の狙いについて指摘・分析する。

私のもとには米国の共和党筋・情報機関筋・保守系シンクタンクなどから連日様々な情報メールが届く。それらは私が国際情勢を分析する上で重要な情報源となっている。
米国の情報機関が私に接触してきたのは拙著「二つのアメリカの世界戦略」がヒットした直後だった。俗にフィクサーと呼ばれている東京の某人物を通じて私に面会依頼があったのだ。情報機関員が言うには「アメリカ関係の戦略論(拙著)がamazon.co.jpのランキング上位になっていたので入手して読んだ。その結果、アメリカはこの著者とパイプを持っておくべきだと判断した」とのこと。米国情報機関の情報網羅力はさすがに凄いと感心したものだ。
私はその情報機関員に「私は日本の国益に不利になる情報は一切教えない。ブッシュ政権が日本を後押ししてくれている間は協力するが、米民主党政権になって再びクリントンのような対日戦略をとれば私は米国批判するがそれでも構わないか」と尋ねたところ、それでOKとのことであった。

爾来、定期的にその情報機関は何かリークしたい情報があるときは私のもとにメール送信ないし電話をしてくるようになった。その情報の一端を垣間見ても、東京や大阪などの大都市を舞台に米国と中国の諜報工作員の熾烈な諜報戦が繰り広げられている実態が伝わってくる。残念ながら諜報機関のない日本は蚊帳の外だ。ちなみにその情報機関はエシュロンを利用できるセクションでもあり、これまで私のもとに届いた情報内容に間違いがあったことは一度もない。
私はその情報内容に応じて、国益に資するかどうかを判断基準にして、ある情報は公表し、ある情報はマスコミに流し、ある情報は然るべき立場の人物に伝達し、ある情報は私の手で握りつぶしてきた。

この米国情報機関から入った情報によると、ヘイトスピーチが問題視されている自称「保守系市民運動」なる一派の中心に、中国の工作機関の関係者が相当多く入り込んでいるとのことである。
中国工作機関筋から金をもらって指示通りに動いている人間もいれば、中国国籍から日本国籍に帰化した人物も相当数いるという。米国情報機関からの情報には実は中国の帰化人である数名の人物の実名も記されていた。
中国の工作機関がそのようなヘイト活動をコントロールしようとする意図は、日韓対立を進めるマッチポンプにあるというのがその米国情報機関の分析である。

実際にその類いのヘイト運動においては中国批判の言及は極めて少なく、稀にアリバイ作りのような無難な範囲の中国批判が為される程度だ。ヘイトはもっぱら韓国と在日韓国人を標的にしている。韓流ドラマやKポップまで目の仇にしており、とにかく韓国と在日韓国人しか目に入らないようだ。彼らの主張を見ると、まるで中国ではなく韓国が日本の主敵であるかのようにみえる。
もちろんネットや街頭活動で韓国や在日韓国人を罵っている人たち全員が中国の工作機関とつながっているわけではない。中国の対日工作機関の意図に従って動いている人物はその中心にいる一部ではあるが、残りのほとんどの人々も無知ゆえにその煽動に踊らされているのだから実質的には対中協力者と同じである。

中国の工作機関の意図するところは、まず韓国および在日韓国人への憎悪を煽りたてることによって、真の敵である中国へ向けられるべき日本人の怒りの矛先を韓国へとすり替えようとすることだ。そのためには名前や身元を明かさずに虚偽情報を流布できるネット言論を操ることが最も手っ取り早い。
例えば上述の中国帰化人である元準閣僚もネット上では何故か「在日韓国人からの帰化人」と決め付けされている。同様に中国国籍からの帰化人であることを私が把握している他の著名人や政治家も、ネットではことごとく「在日韓国人からの帰化」だという虚偽情報が流布されている。
ネットでの彼らの主張ではあたかもマスコミから政治から何から何まで日本がまるで在日韓国人に支配されているかのようで、「中国」を「韓国」に、「中国人」を「韓国人」に、「在日中国人」を「在日韓国人」にことごとくすり替えが行われている。そして日本の国家戦略にとってはどうでもいい韓流ドラマだのパチンコだの何でもかんでもが、強引に韓国および在日韓国人への憎悪へと誘導されている。

中国はサイバー工作の先進国であり、本国には人民解放軍のサイバー部隊が5万人以上いる。共産党政権批判の書き込みを検閲するインターネットポリスは3万人以上。さらに中国共産党に雇われている「五毛」と呼ばれるネット世論工作員が約30万人いる。これだけサイバー戦を重視してインターネット工作に力を入れている中国が、日本のネット世論には工作の手を伸ばさずにいると思うほうがどうかしている。
日本国内に百万人以上いる在日中国人の一部、仮にその1%であっても1万人だが、それらの在日中国人が対日世論操作を目的にして、中国へ矛先が向かないようにわざと韓国や在日韓国人へ敵意が向くように仕向けるネット喧伝工作に励んでいても不思議はないだろう。

私はいわゆるネトウヨ(ネットで保守的言論を行っている人のことではなく、私が言うネトウヨとは韓国および在日韓国人を標的に執拗に攻撃している人物を指す)の中には相当多数の中国人の対日ネット世論工作員が蠢いていると確信している。米国情報機関筋も私と同じ見解だ。
さらに件のヘイト運動は偽名とメールアドレスだけで参加でき、住所や素性を明らかせずともよい。メールアドレス1つあれば偽名で潜入して日韓対立を煽ることができる格好の「材料」が目の前に転がっているのだから、「百年先の戦略まで考えて動く」といわれる中国の工作機関が手をこまねいて傍観している筈がない。日韓を対立させるために中国があらゆる工作を進めるのは当たり前のことなのだ。

ネットでの対韓憎悪への世論誘導だけではなく、現実行動におけるマッチポンプも行われている。彼らのヘイト運動の街頭デモ活動が動画投稿サイトで公開されることで、そのヘイトスピーチを韓国メディアが大きく報じる。それを見た韓国国民の反日感情はさらに高まることになる。韓国人が反日感情をエスカレートさせると、それによってさらに日本人の反韓感情を煽ることができる。日韓は民主主義ゆえに政権も国民感情は無視できず、ますます両国の溝は深まっていく。
もちろん言うまでもなく韓国国内でも中国のネット世論工作員が大量に活動していて対日憎悪をひたすら煽っているのだ。このマッチポンプによって、日本にとって地政学的に重要な韓国との間に民心の感情的対立を導き、本来は日本の主敵であるはずの中国から目を逸らさせることができる。

「地政学的に重要な韓国」という意味を簡単に説明しよう。大陸国家と海洋国家の国力が均衡して衝突するとき、その中間にある半島国家の動向が勝敗の行方の大きな鍵を握る。これは地政学のイロハのイ、国際政治学を学ぶ者の常識である。
日清・日露の両戦争は朝鮮半島をいずれの勢力圏下に置くかの戦いであった。大東亜戦争で日本軍がシナ戦線で敗れなかったのも朝鮮半島が日本領土であったからだ。もし仮に日韓が断交して韓国が完全に中国陣営に組み込まれてしまえば、対馬沖が日本にとっての38度線になる。ほんの目と鼻の先の位置に先進国級の軍事力を持つ敵対国が生じれば日本は本土防御に追われ、とても中国と対峙する余力はなくなる。その結果、尖閣は間違いなく中国に奪われてしまうだろう。
国の存する位置だけは動かしようがない。引っ越すわけにはいかないのだ。好むと好まざるとに関係なく、韓国の地政学的なポジションは日中冷戦の帰趨を左右する重要なファクターになっているのだ。

そして中国が世界覇権を得るには太平洋へ侵出する「海への出入り口」が不可欠だが、世界地図を広げればわかるように、その出入り口となるのは東シナ海・南シナ海・黄海の3海域しか存在しない。
南シナ海ではフィリピンやベトナムと紛争を起こしているが、これは小さな島が欲しいのではなく「出入り口」となる領海を確保したいのだ。東シナ海は沖縄・尖閣・台湾のラインだ。尖閣侵略・沖縄独立工作・台湾懐柔工作などは全て「海への出入り口」を確保することが狙いである。
残る1箇所である黄海は朝鮮半島がせり出している。中国海軍は北朝鮮の海域までは出られても、南半分にある韓国はアメリカの同盟国であり米海軍もウヨウヨしていて中国が勝手に出入りできない。中国はいずれこの黄海もなんとかして手中に収めたい。そのためには韓国を中国側に一段と引き寄せる必要がある。
そこで韓国の反日教育の産物である反日史観を利用して焚きつけ、中国の反日包囲網の中に引き込んでいきたいのだ。韓国は案の定その戦略に踊らされ、さらに日本国内で中国のその戦略を実質的援護しているのが反韓・在日差別運動という位置づけになる。

韓国は米国の同盟国であり、とりわけ北朝鮮の核保有問題が深刻さを増す中での日韓の対立は、米国の東アジア戦略上においても大きなマイナス要因となる。米国の同盟国同士を分断することは、東アジアにおける米国のヘゲモニーを弱めることになる。
国際力学においては1つのパワーの衰退があれば、その「力の空白」を埋める新たなパワーが台頭する。その新たなパワーが中国であることは言うまでもない。日韓対立の深刻化は国際政治の観点では日本も韓国も米国も大きな損をするが、それによって最大の利益を得るのが中国と北朝鮮なのである。
日韓対立が進めば進むほど、国際力学のパワーバランスは中国に有利に傾く。こんなことは子供でもわかる国際政治の基礎知識である。

従って中国の工作機関は日本のみならず韓国内においても盛んに反日世論を煽り立てる工作を推進している。中国が韓国内で行っている反日世論醸成工作については詳細な情報を得ているので、詳しいことは次著において記すつもりだ。
日韓両国内における中国の世論誘導工作の実態を見るにつけ私は絶望感に襲われる。中国の手のひらの上で踊らされて罵り合っている愚かな日韓両国民がいかに多いことか。全ては「真の敵」を見誤ったことが原因であろう。

たとえ慰安婦問題や竹島問題はあっても、対中戦略において韓国は絶対に日本側の陣営に確保しておかなければならない国である。そして両国は民主主義ゆえに国民感情に変化が起これば政権の対応も軟化する。
従って近年の日本の韓流ブームは日韓の民間融和を進める意味で、国際政治の観点からみても大いに歓迎すべきことだと私は考えていた。日本にも韓国に親近感を持つ国民が増え、また韓国にしても自国のドラマや歌手が日本で人気を得るのは嬉しいことに違いない。国際政治オンチの李明博が馬鹿な人気取りパフォーマンスをしたせいで、せっかくの韓流ブームが下火になったことは残念である。

そしてさらに厄介なことにこの問題は日韓両国内だけにはとどまらなくなっている。現在、米国ロビー工作において中韓の依頼を受けたロビイストたちは、そのヘイトスピーチ動画を焼いた英語字幕付きDVDをロビー活動に持ち込み、「日本が右傾化している証拠。安倍政権を支持しているのはこのような在日韓国人蔑視のレイシストたちである」と主張しているのだ。

欧米においてはレイシズムは絶対悪とされる。とりわけ黒人差別問題を超克した米国はレイシズムに敏感であり、議員がレイシズムを公言することは政治生命の終わりを意味する。
そのような国で「朝鮮人を叩き殺せ」などと白昼公然と連呼する動画を見せられた米国議員の反応は想像するに易い。「このような勢力が安倍政権を熱狂的に支持しているのか。やはり安倍政権は危険な右翼政権だ」という方向へと感情誘導することは簡単であろう。

安倍政権をいかに「危険なナショナリスト政権」だと思わせるか、これは中国が対米ロビー工作で最も重点をおいているポイントであり、そのためにはありとあらゆる材料を利用するのが中国のやり方だ。日本の反韓・在日差別のヘイトスピーチ活動は、安倍政権を潰したい中国の対米ロビー工作の材料の一つとして大いに活用されているのである。

また慰安婦問題においても、米国では歴史認識問題としてではなく人権問題だと認識されている。米国は世界で最も人権問題にうるさい国だ。そんなところへ在日韓国人の人権を無視するがごときヘイトスピーチ動画を持ち込まれれて、「このように日本人は韓国人を差別しているからこそ、戦時中も韓国人をSEX SLAVEにしたのだ」と主張されれば、慰安婦問題では米国議員はますます韓国の肩を持つようになる。
つまり自称「保守系市民運動」の在日差別のヘイトスピーチ活動は、実質的には米国内における慰安婦問題についての韓国側の主張を援護しているに等しい。これによって河野談話の修正はますます困難になった。

米国情報機関が日本国内のヘイト運動一派の背景を調べたきっかけは、中国による米国ロビー活動にそのヘイトスピーチ動画が持ち込まれたからである。米国情報機関はこのヘイト運動が中国の一種の自作自演による日韓離反工作であることを疑ったのだ。その結果、反韓や在日差別を煽る活動の中心には中国の工作機関関係者や中国からの帰化人が多数入り込んでいる事実が判明したということだ。この事実はおそらく既に日本政府の情報関係当局にも伝えられているものと思う。
(なお中国工作機関が日本のどのような組織にどのような形で潜入・浸透しているのか、この問題については現在執筆中の次著にて詳しい情報を徹底暴露するつもりでいる。)

現在いわゆるネトウヨと呼ばれる層の間では、反韓および在日韓国人差別が花盛りである。それに反論すれば「在日韓国人」だのと根拠なく決め付けされることが多い。ネットで「愛国者」だのともてはやされたいなら韓国の悪口を書いておけばいいのだろう。そして本稿で指摘したような米国情報機関筋からの情報は、反韓と在日韓国人差別に固執するネトウヨにとっては都合が悪いことだろう。
しかしたとえ反発する人が多かろうが、私は日本を愛する政治学者の端くれとして、日本のために本当に正しい国家戦略のみを提言する。中国工作機関の思惑に踊らされて日本の国益を阻害する言動を取るべきではない。戦略も持たずに感情だけでむやみに日韓対立を煽ることは中国の覇権拡大に加勢するに等しいのだ。

この世のものごとは全て何かに連鎖していく。それ単独で存在するものはない。必ずそれを原因として派生する「次」の現象を導くのである。物理学でいう因果律だ。国際政治学の観点において、反韓および在日韓国人差別の運動がどのような「次」の現象につながっていくのかはすでに述べた。
もし「韓国と在日を叩いて憂さ晴らしできれば日本の未来などどうなってもいい。中国の利益になる利敵行為になってもいい」と思うのなら自由にすればいい。しかし「日本のために」と思ってやっているのであれば、過ちては改むるに憚ることなかれだ。


- そこに真実があれば孤立を恐れるなかれ -
イラク戦争の頃、左翼は言うまでもなく保守陣営においても西部邁氏や小林よしのり氏を筆頭に反米的言論が盛んに唱えられていた。なにしろ少しでもアメリカを擁護しようものなら「親米ポチ」と罵られたものだ。現在韓国を少しでも擁護すれば「在日」と決め付けされるのとよく似た状況であった。

その中であえて私はブッシュ政権を全面的に支持した。拙著に「保守陣営の反米主義者に問う」という章を設け、米国を一括りに見る反米主義を批判し、共和党政権下における反米は日本の国益に反することを主張した。ブッシュ共和党政権は日本の再生を後押ししてくれる存在であることを訴えたのだ。「戦後体制」打破の必要性も訴え、媚中派を徹底的に断罪した。

その当時は反米論の本がよく売れていた。私の「二つのアメリカの世界戦略」の最初の原稿は1500ページを超えており、上・下巻に分けないと無理に製本すると本が割けるといわれた。出版社も「あまり売れないであろう本を2冊に分けるとさらに売れないだろう」と考え、500ページ以上の原稿を削除し、さらに文中の小見出しも全てはずし、文字フォントも小さくして1ページの行数も増やし、1000ページ分ぐらいの原稿をむりやり600ページにして1冊に詰め込んで発行することになった。読者にとってはさぞや目の疲れる読みにくい体裁であったろうと思う。

物書き専業で飯を食うとなると、本の売れ行きを気にして筆を抑えねばならないこともある。だから印税など一切アテにせず誰に遠慮することもなく歯に衣を着せぬ指摘を書けるように、会社を経営して生活費を得つつ、日本の国益のために、そして中国との冷戦に打ち勝つために、自分が正しいと信じる国家戦略論を執筆したつもりだ。
出版直後はむしろ批判や反論のほうが多かった。新左翼のイデオローグであった太田竜は自身のブログで拙著をとりあげて「白痴のたわごと」と罵倒した。反米ブームのような様相にあった保守派の中でも「イラク侵略したブッシュを褒めるなどとんでもない」という声が多かったのも事実だ。
挙句には拙著で猛批判した親中派の某大物元代議士の怒りをかい、その元代議士の意を受けた某公的機関から刑事・民事の両方で名誉毀損で訴えられもした。(幸いにして情報提供者である公安関係者の証言のおかげで記述が真実であると証明されて刑事は不起訴となった。)

反米ブームの中で孤立覚悟で書いた拙著であったが、ありがたいことに、勝岡寛次先生がSAPIOに、入江隆則先生が産経新聞に書評を書いてくださったおかげで、拙著は私や出版社の予想をはるかに上回るヒットになった。
次第に私の見解を支持してくださる読者が増えていき、多くの読者カードやFAXが届くようになった。その読者カードは私の宝物である。さらに拙著を読んでいただいた方々がネットなどで紹介してくださったおかげで、共和党と民主党の対日スタンスの相違も少しは日本国内において認識が広まったようだ。
そしてその後に登場した第一次安倍政権によって戦後初めて高らかに「戦後レジームからの脱却」が唱えられるに至った。実は安倍氏も小泉政権当時に拙著をお読みいただいていたらしく、拙著を参考にされたなどと不遜な思い上がりをのたまう気は毛頭ないが、拙著で提言したことの多くが第一次・第二次安倍政権の手で現実の政策として進められていることに感慨は尽きない。そこに真実があれば、必ずや心ある人に通じるものと私は信じている。

イラク戦争当時は反米ブームの様相であったが、現在は反韓ブームのようである。しかしたとえ保守派の中に反韓派が多かろうとも、私は迎合して筆を曲げることはしない。
拙著をお読みいただいた読者ならご存知だろうが、私は韓国の捏造史観を誰よりも厳しく批判してきた。何があっても歴史観だけは譲ってはならないという持論は変わらない。日本の戦後体制とは中国や韓国の主張する反日史観(日本人からすれば自虐史観)の上に成り立っているからだ。これを譲ってしまえば日本は立ち直れない。
しかし韓国に腹が立つからといって感情的になって「真の敵」を見誤ることも許されないのである。戦うべき「敵」を間違っていては勝てるはずがないではないか。私の唯一の判断基準はそれが国益に適うかどうかだけである。日本に生まれ、日本で生き、日本で死んでいく者にとって、かけがえのない祖国日本の国益より大事なものなど有ろう筈がない。私はそう思うのだ。

ネットなどで保守言論活動をしている方々に申し上げたい。自分の真意を曲げて多数派に迎合してはいけない。たとえ少数派であっても孤立しても、真実は必ずいつか世に理解されるときがくる。
反韓ブームだからといって多数派に迎合して韓国や在日韓国人の悪口を書いて「愛国者」気分に浸っても、所詮は無意味な自己満足にすぎない。自分が多数派の一員であることに安心してしまうのは愚民のすることだ。往々にして真実の多くはむしろ少数派意見の中にこそあるものだ。

ネットだけではなく多くの本を読んでみてほしい。著者が本名で書いている本では安易にデタラメは書けないものだ。どこの誰が書いたかも定かではない匿名のネット情報を鵜呑みにしてはいけない。確かにネットの中にも真実はあるだろう。しかしデタラメの虚偽情報も多いのだ。
ネットではよく「在日特権」などという言葉が流布されているが、朝鮮総連の圧力による朝鮮商工会の脱税が容認されなくなった現在、とりたてて問題視するほどの在日特権などどこにも存在していない。マスコミも在日韓国・朝鮮人に支配されているわけではない。近年マスコミ関係者の多くは中国に招待されて歓待され買収や便宜供与を受けている。左派マスコミと手を組んでいるのは在日韓国人ではなく中国の工作機関なのだ。
外国人に参政権や生活保護を与えるべきではないというのは当然の「区別」だ。だが「ゴキブリ在日朝鮮人を叩きだせ」というのは「差別」である。かつては左翼が「区別」を「差別」にすり替えてきた。私はそれを拙著や講演で厳しく批判してきた。しかし今は保守派の一部が「差別」を「区別」だと強弁している。そこに真実はない。

日本のために役立ちたいという思いが本物なら、まず多くの本を読んで知識を身につけ、その上で自分が責任を持てる真実のみを発信してもらいたい。せっかくの愛国心が間違った方向に向いては意味がない。ましてや中国の対日工作に踊らされることなど絶対有ってはならない。日本のためにこそ惜しむのである。


- 日本人よ、真の敵は中国である -
日本は今、国家の盛衰を分けるターニングポイントにある。日本人は本当の敵を見誤ってはならない。敵は韓国ではない。いわんやロシアでもない。北朝鮮は安全保障的には敵であるが国際戦略上の敵と呼ぶには小さすぎる。
日本の敵は中国である。中国だけが日本を滅ぼす意思と国力を持っている唯一の国である。

上述のように最早アメリカに多くを当てにはできない。4月13日、北京を訪れたケリー国務長官は「(米中という)世界最強の2カ国、世界最強の2大経済国、2大エネルギー消費国、国連安保理の2大国が、国際社会の隅々まで目配りすることで相乗作用が生じる」と述べた。まるで米中2カ国が世界覇権を分け合おうと言わんばかりの発言である。ケリーの視界にはもはや日本など入っていないのだ。伝統的親中反日の米民主党要人の本領発揮である。
小泉総理がプレスリーの物真似をしてブッシュを笑わせていた頃の緊密な日米関係はもう昔話になった。ケリーあたりが主導して日本の頭越しに米中がG2を唱えて手を結ぶことすら十分有り得る。民主党政権下の米国を信用してはならない。

この冷戦は日本自らが中国と対決しなければならない冷戦である。それは地政学上の日本の宿命だ。米国に頼っても米国は代わりに戦ってはくれない。対中包囲網にせよ、中国を抑えこむに足る均衡軍事力にせよ、対中経済戦争にせよ、国際プロパガンダ戦にせよ、全て日本自身が先頭に立って推進するしか途はないのである。米国への甘えを捨てて日本が自らの足で立ち、国家として自立して熾烈な時代を乗り越えていかねばならない。

幸いにして安倍政権は正確な対中認識と正しい方向性の国家戦略観を有している。安倍総理は「あと2年で日中の軍事バランスが崩れる」と述べられた。軍事バランスが崩れ中国が優位に立ったとき、間違いなく中国による対日攻撃の戦端は近づいてくる。もうあまり時間はないのだ。
日本国民は一丸となって、全ての国力を中国との対決に一極集中しなければならない。中国もその態勢で日本に挑んでいるからだ。日本はあらゆる戦略戦術を駆使して中国と対決しなければならないが、そのためには迅速なる「戦後体制」からの脱却が不可欠である。
国内のメディアや政治家による媚中の動きも看過してはならない。国に害を為す者を国賊というならば、中国に媚びた言説を為す者は国賊であり、中国以外の国(韓国)に矛先を逸らそうと画策する者も国賊であり、中国と対峙する安倍政権の足を引っ張ろうとする勢力も国賊である。

私たちのかけがえのない祖国がこれからも大国として繁栄を続けられるのか、中国の事実上の属国にされ沖縄まで奪われて亡国へと追い詰められていくのか、その全ては日中冷戦の勝敗如何、中国の封じ込め如何にかかっている。
ターニングポイントとなるこの重要な時期に安倍政権が再び登場したことは、まさしく天佑というより他はない。

元寇弘安の役で軍船4千隻14万人の軍勢で博多湾を埋め尽くした蒙古軍は、神風によって一夜にして壊滅し、海軍力の3分の2以上を失った元はその敗北をきっかけに内乱が相次いでやがて滅亡に至った。
日本が危機に見舞われたとき、必ずや救国の神風が吹く。安倍政権こそが平成の世の神風になると私は信じている。

同胞よ、後世の日本人に恥じることのなきよう、真の敵をその目に見据え、ひるむことなく果敢に戦おう。大和民族の気概を世界に示そうではないか。敵は中国である。
(平成25年5月5日記)

*******************************************************


深田先生、次作御執筆中のお忙しい中にもかかわらず本当に有難うございました。

最後までご覧いただいた皆様、誠に有難うございました。
深田匠先生への暖かい応援のコメントもお待ちしております。





一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるために、“拍手”と“人気ブログランキング”をそれぞれクリック願います。

人気ブログランキングへ

『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート5 』 - 2013.05.06 Mon


当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。
一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるため、何卒“人気ブログランキング”にクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ





軍事研究家の黒井執斗様が、当会専用書き下ろし最新軍事情勢レポートの第5弾を御執筆下さいました。
今回のタイトルは『 中華人民共和国の野望と日本の未来 』です。

日本にとって一番警戒しなければならない「最大仮想敵国」とは?
ロシア・韓国・北朝鮮の最新軍事情勢も踏まえつつ、その姿を本質から知ることができます。
- 敵を知り己を知れば百戦殆うからず -
惨めな敗北を避けるため、我々は敵を知り現状を把握しておかなければなりません。

一人でも多くの方に、必ず最後まで読んでいただきたい内容です!
ぜひとも拡散にご協力ください。



※過去の軍事情勢レポートにまだ目を通しておられない方は、ぜひ併せてご覧下さい。
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート1  今、試される日本の覚悟~牙を剥く中国と暴走する北朝鮮~』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-4.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート2  開戦前夜は近し 』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-7.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート3  核の拡散と日本の決断 』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-11.html
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート4  空軍力の谷間と防衛産業のゆくえ、そして緊迫の朝鮮半島』
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-22.html

*******************************************************
『 中華人民共和国の野望と日本の未来 』
(軍事研究家 / 黒井執斗)

2013年(平成25年)4月23日の朝、計8隻もの中国海洋監視船「海監」が尖閣諸島の領海を侵犯する事案が発生しました。
言うまでもなく、これは昨年来最大の規模であり、数グループに分かれて侵入した後に隊列を組んで魚釣島を周回する挑発行動に出ました。海上保安庁巡視船の警告に対しては、「海監船隊は中華人民共和国の管轄海域でパトロールを行っている」と応じ、例によって自国の領土・領海であるとの姿勢を見せています。

そして同日午前、保守系政治団体のメンバーを乗せた日本漁船9隻が尖閣付近の領海に達すると、中国海監船は漁船の追跡を開始しました。
TVニュースで報じられた空撮動画をご覧になった方も多いかと思いますが、中国公船が漁船を追い回しながら加速して回り込もうとした所に、海保の巡視船が割り込んで漁船を逃がしていました。近接距離での実に見事な操船技術でした。
漁船団は危うく難を逃れた結果となりましたが、もし停船・臨検・拿捕等に至っていれば、中国は「自国領海を侵犯した日本漁船と活動家を逮捕した」と大ニュースにして世界へアピールしていたことでしょう。

この事案の計8隻が同時侵犯という事実はインパクトのあることです。
現在、海上保安庁は全国11の管区から排水量1000トン以上の中・大型巡視船を51隻かき集め、ローテーションを組んで常時6隻前後を尖閣周辺海域に張り付かせています。大型の船が必要な理由は、東シナ海は大しけの日も多く、波高が5m以上になる事も珍しくない為です。
しかしながら耐用年数を超えた老朽艦が16隻含まれていること、また、長期間に渡る対応が予想されることから、尖閣警備専従チームを第11管区(那覇)に設ける計画です。
荒天下での航行能力と夜間監視能力を備えた1000トン級の巡視船は建造中と建造予定を合わせて14隻、それらが揃う2015年に体制を移行するとしています。

ここで根本的な問題となるのは、海保の想定している中国公船の最大数が5隻であることです。今回8隻もの中国公船が一気に押し寄せたことにより、計画そのものを見直す必要も出てくるでしょう。
そして現在、中国が尖閣に差し向けてくる1000トン級超の公船は約30隻であり、数の上では日本が優位となります。しかし、中国は2015年までに新たに36隻の中・大型船を建造・運用するとしています。数の優位が覆るのは時間の問題でしょう。
更には海軍を退役した軍艦11隻が国家海洋局に引き渡し済みです。この中には誘導ミサイルを装備した3000トン級の駆逐艦2隻も含まれており、海洋監視船の軍事化が始まっています。

日本でも海上自衛隊退役艦の武装を撤去して海保で運用するという案は出ていますが、これはそう簡単にはいきません。
まず、海保が運用する巡視船の主機はディーゼルであり、護衛艦の多くに搭載されているガスタービンの運用能力がありません。そして護衛艦は被弾時のダメージコントロールを考え、艦内が小さな水密区画に仕切られており、使い勝手も全く異なります。
更には艦を運用する為に必要な人員も海保巡視船より多く必要となり、ただでさえ人手不足の海保には荷が重すぎます。
海自から応援を出そうにも、海自側も人手不足であり、これを解決するには退官した自衛官を再雇用するなどの思い切った決断が必要でしょう。

そしてこの事案発生から4日後の4月27日になって追加の事実が報道されました。
8隻の中国公船が侵入した4月23日の朝、時を同じくして総計40機以上の中国軍機が尖閣周辺に飛来し、航空自衛隊がスクランブルしていたのです。何故このような重大な事実の発表が遅れるのか全く納得いきませんが、中国空軍機は約1時間の間に入れ代わり立ち代わりに尖閣周辺上空に接近し、その都度、那覇基地の空自F-15Jがスクランブルしています。
かつての東西冷戦時には同様に多数のソ連機が飛来したことはありますが、平時において総計40機以上というのは異常な数字です。中国はこれだけの機数を同時に投入出来ることを証明したわけです。同様の事態が繰り返されるようであれば、もはや現状の那覇基地配備機だけでは対応しきれない事態となるでしょう。

これまでに中国空軍機が飛来したときはJ-10をメインとした機種構成でしたが、今回はSu-27(スホーイ27)及びSu-30(スホーイ30)のロシア機(及びそのコピー)による構成でした。
J-10は中国によれば独自開発となりますが、その実はアメリカのF-16のコピー機です。正確に言えば、F-16のコピーのコピーとなるでしょうか。
中国に対してアメリカはF-16を売却していませんが、大口の顧客であるイスラエルがF-16をコピーした「ラビ」という戦闘機を開発しました。アメリカの圧力がかかり量産はされなかったのですが、ラビの設計や技術が中国へと売り渡され、J-10が作られたと推測されています。そして現在は約200機のJ-10を保有・配備しています。
J-10は比較的小型の軽戦闘機に分類されますから、自ずと航続距離や兵装には制約があります。よって、今回飛来したスホーイ系はより航続距離が長く、滞空時間も長く、兵装も重武装が可能となります。ズバリ言えば、中国空軍の主力機種が差し向けられてきたことになります。
より実戦に近い、過激にエスカレートした挑発行為なのは間違いありません。

次は以前にも拙稿で取り上げた、2013年1月に海自護衛艦及び艦載ヘリが中国海軍フリゲート艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた事案の続報です。
FC(Fire control)レーダー照射は決定的な敵対行為であり、一触即発の事態だったわけですが、4月24日の報道により、それが中国共産党の指示によって行われた行為であったと判明しました。
軍事専門誌等においても、統制の取れていない軍の現場レベルでの独断行為ではないか、と指摘されていましたが、そうではなくて党中央による正規の指示だったわけです。
更にはレーダー照射だけではなく「火砲指向」も許可されており、これは主砲の砲身を向けて威嚇しても構わないと言うことです。該当中国艦は100mm連装砲を装備していますから、まさに目に見える最大限の威嚇行為と言えるでしょう。
また、この案件を中国外務省の副報道局長が知らなかった件ですが、これはあり得る話です。中国人民解放軍は中国共産党の私設軍隊であり、政府に属するのではないからです。
更に呆れたことには、軍内部にこの事案の説明をする際、「艦船同士は3キロ以内には近づかないという国際法に日本側が抵触したため」としているとの報道がありました。勿論そんな国際法は存在せず、完全な捏造です。
中国国防・外務両省の公式見解は「レーダー照射事案は日本による捏造」でしたが、軍内部的には隠し通せない事案だと判断、嘘を作り上げたのでしょう。

そして更に4月26日の報道によれば、中国外務省の副報道局長(よくニュースで映る女性です)は定例記者会見において、「釣魚島問題は中国の領土主権の問題であり、当然中国の核心的利益に属する」と発言しました。
「核心的利益」という言葉は台湾やチベット、新疆ウイグル両自治区の独立問題など、中国がどんな代償を払っても譲歩できない問題に使う外交用語であり、「武力行使も辞さない」という決意を表します。
以前より同様の発言が中国要人によってなされたとの人民日報の記事はありましたが、今回は政府外務省の副報道局長が堂々と宣言したわけです。
また、2012年5月には当時の野田総理に対し、温家宝首相が尖閣諸島に関し、「核心的利益と重大な関心事項を(日本が)尊重することが大事だ」と述べていた事実もあります。
今回は公式会見における、まさに領土的野心剥き出しの侵略宣言と言えます。何というか、19世紀から20世紀前半の帝国主義時代にタイムスリップしたかのような発言ですが、これが21世紀の今現在における中国政府の公式見解なのは間違いありません。

そしてもう一つ、4月15日の夜、インドカシミール地方において、中国人民解放軍の兵士約50名が中国の実効支配線からインド側に約10キロ侵入し、駆けつけたインド軍と今現在も対峙しています。
このパターンは過去に度々繰り返されていますが、この地方は山岳民族が点々と暮らしているエリアであり、近隣部族に武力で圧力をかけつつ、数メートルずつ国境線を前進させる行動を行います。そして近年はインド軍が即座に迎撃姿勢を取るようになった為、膠着しやすくなっています。
四川省の地震で国民が生き埋めになっている中、中国はインドカシミールと尖閣で同時侵略行為を行っていることになります。
インドメディアは「中印国境問題は1986年以降最も厳しい状況に入った」と報道しています。

さて、短期間に色々な事があった為に導入としては少々長くなってしまいましたが、ここ最近の中国絡みの報道に若干の解説を交えつつ列記しました。
今すぐ全面戦争はないにしても、局地戦の勃発がいよいよ現実味を帯び、避けられない戦闘が刻一刻と迫っていると言えるでしょう。
ここまで読まれた皆様はどんな感想をお持ちでしょうか。恐らくは、中国の傍若無人かつ予想を上回るエスカレート具合に対し、理解不能だと感じられているのではないでしょうか。

本年1月に「戦後レジーム脱却サポーターズ」様に初回の拙稿を掲載頂いて以来、コメントを残して下さる方々に励まされつつ、今回で一つの区切りの5本目の寄稿となります。
初稿の掲載にあたっては、私とは旧知でもある作家・国際政治学者の深田匠氏から推薦文を頂戴しました。その文章の締めくくりにおいて深田氏は、「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の兵法を引用しておられました。
これはまさに究極の真理の一つであり、これを怠れば我々には惨めな敗北が待ち構えているでしょう。
そこで今回は「敵を知る」事により、我々の現状への理解を深めたいと思います。そしてどんな国でも同様ですが、仮想敵国は複数存在するのが常です。よって、まずは「最大仮想敵国」の洗い出しから始めましょう。

かつての東西冷戦時代においては、ソ連は間違いなく最大仮想敵国でした。
ですが1991年(平成3年)のソ連崩壊によって冷戦は終わりを告げ、ロシアは取り巻きの衛星国家を失うと同時、経済状態の悪化によって軍備はガタガタの状態に至りました。陸海空の三軍は言うに及ばず、軍事衛星までもが更新の滞りによって使用不能となり、近代的な衛星誘導兵器までが機能しなくなる始末でした。
しかし、21世紀になって国際的な原油価格の高騰によって経済が持ち直し始め、2000年(平成12年)に成立したプーチン政権はまず、陸軍と空軍のテコ入れを開始します。

そのわかりやすい成果の一つが、アメリカの最強ステルス戦闘機F-22ラプターの対抗機種とされる第5世代戦闘機T-50の開発です。
残念ながら日本はF-22の取得に失敗していますから、比較対象とすべきは導入予定のF-35ライトニング2となります。単発エンジンのF-35に対しT-50は双発エンジンの優位性があり、かつ近年ロシア機ならではの機動性においても優れているでしょう。
ただレーダーや電子装備、すなわちアビオニクスにおいてはアメリカに及ばないのが常であり、一番のポイントであるステルス性にも疑問符が付きます。
恐らくは正面からのみのステルス性を備えた機体ではないかと想定されていますが、公開された試作機の写真によればエンジンの空気導入路形状が直線状に見えます。その奥にあるエンジンのタービンブレードはもろにレーダー波を反射してしまう為、アメリカのステルス機は経路を曲げて高速回転するブレードが正面からは見えないように設計されています。
よって、正面からに限定してもステルス性は劣る、というのが私の見解ですが、まだ試作機ですから今後改良が加えられる可能性は大いにあるかと思います。遅延続きのF-35開発がどう進捗するか、いつ日本の戦力となるかにもよりますが、現時点では、まだ重大な脅威にはなり得ないと判断します。

そして近年においては主にEU経済の低迷から資源輸出収入が減少していますが、もう一つの柱である兵器輸出に軸足を移しつつ、海軍力の大幅な増強を開始しています。
プーチンは海都サンクト・ペテルブルグの出身であり、海洋政策を重視した「2020年までの海洋ドクトリン」を策定し、海洋はロシアの死活的な国益を規定するものだと位置づけています。巨費を投じて新造艦の建造と既存艦の近代化改修を急ピッチで進めており、これは海洋国家である日本にとって大きな脅威となり得ます。
ロシアのGDPは日本の1/4程度であり、これら巨額の軍事費が出てくる事自体が凄い話ではありますが、自虐史観にとらわれた日本とは違い、「強いロシア」を望む国民が多い為に無茶が出来るわけです。

しかしながら、近年では日米との共同演習等の交流が実施され、長年の懸案である北方領土問題も動き始めており、ロシアが態度を軟化させているとも言えます。
また、直近の報道では北極海において海上自衛隊とロシア海軍が二国間共同訓練を実施予定との事。かつてのソ連時代からは考えられない事であり、脅威度は低下していると考えてもいいでしょう。
ただし、ロシア(ソ連)はかつての大東亜戦争で日本が降伏した直後、日ソ不可侵条約を破って戦端を開き、北方領土を侵略した国であることは忘れてはいけません。守備隊の奮闘により何とか北海道は守りきりましたが、火事場泥棒はロシアのお家芸であり、継続して要注意の国です。

次に検討する仮想敵国は、極東アジアのお騒がせ国家たる北朝鮮です。
この場合、考えなくてはならない項目は少なく、極めてシンプルです。すなわち、空軍と海軍はあまりにも貧弱であり、大きな脅威とはなり得ません。陸軍兵力は約100万人と強力ですが、これを日本へ上陸させる手段がありませんから、事実上は無視できます。
しかしながら、2001年(平成13年)の不審船追跡事件のように、工作員の侵入・活動やゲリラ的な攻撃には十二分に注意すべきです。

よって、大きな脅威となり得るのは弾道ミサイルと核に絞られます。ほぼ日本全土を射程に収めるノドンの配備数は200発とも300発ともされています。
北朝鮮の核開発は国際的非難を浴びていますが、その強引さや他国を威圧するやり方はともかく、核保有国を目指す事自体は正しい判断だとも言えます。なぜならば、核を保有して初めて、他の核保有国と同じ土俵で対等に話が出来るようになるからです。これはインドが強引に核を保有した後、中国の態度が大きく軟化したことが証明しています。
そしてそれは日本を含む、あまねく世界の国々にとっても同じ事であり、戦勝国連合たる国連の安保理常任理事国のみが核保有を許され、中国のような無法国家が非核保有国を威圧する行為が許されている事自体、大きな矛盾を孕んでいるのです。私見としては、NPT(核拡散防止条約)は将来崩壊に向かう可能性が大でしょう。
さて、対策として今日本がなすべきはMD(ミサイル防衛)の強化ですが、200発もの弾道ミサイルを迎撃する物量は揃えられないでしょうから、発射前に叩く、すなわち敵地攻撃能力を整備する事も重要です。早急にアメリカのトマホーク巡航ミサイルを調達・配備し、独自にも超音速巡航ミサイルの開発を急ぐ必要があるでしょう。
ただし、固定発射台ならともかく、軍事偵察衛星をもってしても移動式発射車両を確実にトレースする事は難しく、それはかつての湾岸戦争でも実証されています。予定されている米無人偵察機グローバルホークの導入を出来るだけ急ぐ等、対策が急務です。

現在4隻のイージス艦に搭載しているSM-3迎撃ミサイルはブロック1Aというバージョンですが、日米共同開発が進められているブロック2Aは、より高々度の弾道ミサイルを迎撃する事が可能になります。最大射高は500kmから1000kmへと伸び、開発計画は遅れてはいますが、完成後には自ずと更新されると思われます。
イージス艦が撃ち漏らしたミサイルを水際で食い止めるのが、陸上配備のパトリオットPAC-3です。このPAC-3は1発の弾道ミサイルに対し2発の迎撃弾を発射する運用により、イラク戦争において発射された敵弾道ミサイルの全弾迎撃に成功した実績の他、この4年間に行われた迎撃実験でも100%の成功率を誇ります。
ただし、その最大射程は約20km(最大射高は15km)と極めて限定的であり、現状は首都圏と自衛隊基地をピンポイントで守る事しか出来ません。
これを補完して更に確実に全土を守る為には、アメリカのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の導入が有効でしょう。昨今のミサイル騒動で米軍が慌ててグアムの基地に持ち込んだのがこのTHAADで、最大射程は200km以上(最大射高は150km以上)となり、遙かに広いエリア防衛が可能となります。

こうして見てみると、北朝鮮も最大仮想敵国とは判断できません。
ただし、38度線を挟んで休戦状態の続く韓国にとっては、北朝鮮人民軍陸軍は脅威となります。100万人の正規軍に加え、いざとなれば約500万人ともされる予備役が控えています。
そして今でこそ北朝鮮と言えば核とミサイルですが、一昔前は地下トンネルがお家芸とされていました。資源に乏しい韓国とは違い、北朝鮮にはレアメタルやウランの鉱脈があり、岩盤掘削機を保有しています。それを使って38度線を越える地下トンネルを幾つも掘り進めておき、いざ開戦となればいきなり韓国領内に兵士が現れるという戦法です。
しかしながら日本海を越えてトンネルを掘り進むことはさすがに不可能であり、我々にとっては脅威とはなり得ません。

そして次の仮想敵国検討対象は韓国です。
韓国は日本と同じくアメリカの同盟国ですが、アメリカに対し、日本を米韓共通の仮想敵国とするよう提案しています。
そして皆様もご存じのとおり、日本との間には領有権問題が存在します。まだ日本が敗戦後GHQ支配下の混乱期にある1952年(昭和27年)、韓国はいきなり公海上に勝手な李承晩ラインを設定し、竹島を含む領海が支配下にあると宣言しました。
韓国側は日本の漁船300隻以上を拿捕し、40人以上を死傷させ、4000人あまりを抑留するという暴挙に出ます。要は国防組織が機能していない状態で人質まで取られて島を強奪されたわけです。
そして韓国は、我が国固有の領土である竹島を不法占拠して今日に至ります。

これはソ連による北方領土侵略と同じく、火事場泥棒的な卑劣な行為です。
今現在までに竹島には灯台やレーダー、ヘリポート等が建設され、観光船までが運航し、韓国は実効支配を強めようとしています。
日本は以前から国際司法裁判所で争う姿勢を見せていますが、韓国側は領土問題は存在しないの一点張りです。これは出るところに出れば負けるのが目に見えているからに他なりません。
そして竹島には独島警備隊なる部隊が常駐していますが、これの実体は武装警察官です。これが軍ではなくて警察官なのがミソで、日本から見れば不法占拠という違法行為に該当します。しかし一旦軍が駐屯すればこれは軍事的侵略行為となり、我が国の自衛権が発動し、自衛隊が対応にあたる事になります。韓国はそれを恐れているからこそ、決して軍隊は送り込みません。
しかしながら2012年8月には李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島に上陸するパフォーマンスを実行しましたから、これは軍の最高司令官が上陸したと見なすことも出来ます。日本側は駐韓国大使を一時帰国させて抗議の姿勢を取るに留まりましたが、何とも生温い限りです。

李明博は在任中に「南北統一に必要な費用を日本に出させる」と勝手な発言をしていましたが、これも馬鹿馬鹿しい限りの話です。
1965年(昭和40年)に結ばれた日韓基本条約において日本からの賠償は全て完結しており、一切の請求は解決済みです。
日本は韓国政府への賠償とは別に韓国国民個人への賠償も支払いましたが、これは政府が代表して受け取って分配するとし、2009年(平成21年)に情報公開されるまで国民には明かされないままでした。その為、韓国国民は日本から個人賠償が受け取れると思い、賠償しろ賠償しろと叫んでいたわけです。
また、日本は北朝鮮への賠償金も支払う用意がありましたが、韓国が朝鮮半島を代表する唯一の政府だと主張し、北朝鮮の分まで代理受領しました。そして呆れたことに、韓国国民個人への分と合わせて全て使ってしまい、手元にはもう残っていないわけです。
21世紀になっても度々賠償請求がなされていますが、これは捏造した歴史カードを使い、日本の金に集る亡者のような行為です。
そして李明博と言えば、やはり2012年8月の天皇謝罪要求でしょう。「天皇(日王)が韓国に来たければ独立運動家に謝罪せよ」との要求発言ですが、前述のとおり日韓基本条約締結時において全ての請求は完結しています。また、このような無礼極まりない国に天皇陛下が出向かれる必要は全くありません。

そして現在の大統領である朴槿惠(パク・クネ)は2013年3月の演説において早速、「加害者と被害者という立場は、千年過ぎても変わらない」と発言しました。
さすがに中国と並んで3世代にわたる捏造反日教育を続けている国だけのことはありますが、もういい加減にうんざりです。この悪循環の大きな原因の一つが、自虐史観に影響された土下座外交を続けてきた日本政府にあるのは間違いないでしょう。

台湾は1895年(明治28年)から大東亜戦争終戦の1945年(昭和20年)までの間、日本の統治下にありました。これは日清戦争の勝利によって割譲された為です。
また、朝鮮半島は1910年(明治43年)から1945年(昭和20年)までの間、日本の統治下にありました。
朝鮮は小国ではありましたが、中国を宗主国とする属国の立場を取って独立を守ってきました。しかし、東南アジア諸国が次々と欧米列強の植民地となり、中国も列強に次々と領土を奪われ、イギリス・フランス・ロシア・ドイツ・アメリカ・日本による半植民地化が進みました。宗主国たる中国の弱体化が進んだ結果、ロシアの脅威に晒された朝鮮内部では日本との併合賛成派の勢力が大きくなりました。
そして日本側には賛否両論がありましたが、朝鮮を併合しても国民の質が劣化するだけだと主張する反対派に対し、当時最大の仮想敵国であったロシアの進出を許して不凍港を与えるのは不味いとの賛成派が押し切り、国際社会の賛同も得て朝鮮併合が実施されました。

日本は台湾と朝鮮を近代国家へと発展させる為、苦しい国家財政の中で借金をしてまで巨額の資金を投じ、インフラ整備や生活水準の向上、教育制度の改革等を推し進めました。これは西欧列強の植民地ではあり得ないことでしたが、台湾と朝鮮は大日本帝国の一部になったわけであり、それら国民はみな日本人と対等である、との考えによるものでした。
また、公共事業に従事した人民に賃金を支払う日本政府に対し、ただ働きが当たり前であった当時の朝鮮人が驚いたという逸話もあります。

こうして大日本帝国の一部として庇護され、共に著しい近代化を遂げた台湾と朝鮮ですが、今現在の姿勢は大きく違っています。台湾国民には大変親日的な人が多いのに対し、韓国は口を開けば謝罪と賠償ばかりを要求する反日国家です。同じ扱いをして正反対の結果となってしまいました。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時には、通称「親日反民族特別法」が制定され、朝鮮併合当時に親日的であったと認定された人物の子孫達は、罪人として資産を没収されました。この法律は更に略して「親日法」とも呼ばれていますが、親日であることが犯罪だとは、何とも凄い話です。
まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ですね。

韓国は口を開けば謝罪と賠償を要求しますが、それらは嘘と捏造で作り上げられたものであり、嘘も言い続ければ真になるがごとくです。
まず朝鮮併合は上述の通り、朝鮮側の意向を受けて実施されたものです。彼らが大日本帝国の国力による庇護を欲したのであり、武力で脅して従わせたのではありません。
当時は労働力余剰で移民を推進していましたし、一番欲しかった原油は朝鮮半島には無く、食料に至っては半島産の安い米が本土に流入して農家が困り果てる事態になりました。そして「日本人と対等」なのですから徴兵されるのは当たり前ですが、敵前で怯え逃げまどう事が多々あり、上官の悩みの種であったとされています。
よって日本にとっては殆どメリットは無く、半島運営に費やした国費を国防力強化に使った方が遙かに有意義であったとの結論になります。
ただし、もし朝鮮併合がなされなかったとすれば、現在の半島には北朝鮮も韓国も存在せず、そこはロシアになっていたことでしょう。

そして韓国が声高に世界にアピールしている従軍慰安婦問題ですが、彼らの主張のように強制連行されて性奴隷にされた一般市民は存在しません。日本の売国左翼マスコミと与して作り上げられた捏造です。
ただ、当時も今も同じですが、戦場にかり出される兵士には血気盛んな若者が多く、戦地の一般女性をレイプから守る為に慰安施設は必要であり、各国で対応がなされています。
少し考えればわかりますが、戦地とは多くの場合すなわち敵国です。敵国の一般女性を守る為に、「日本人」の一般女性を掠って強制的に慰安婦にするでしょうか。明らかに大きな矛盾が生じます。
大東亜戦争当時の従軍慰安婦は軍が現地ブローカーを通して募集をかけ、それに応募してきた売春婦達です。彼女らは兵士達の10倍以上を稼ぐ高給取りであり、一財産を築くことが出来たのです。

GHQ占領下の日本もまた、米軍兵によるレイプから一般女性を守る為に慰安施設を設けています。
そして今現在では世界有数の観光立国となっているタイ王国ですが、最も初期のビーチリゾートはパタヤです。ベトナム戦争当時、ローテーションで休暇となった米軍兵士達の保養・慰安施設として発展したのが始まりです。そして地方の貧しさもあり、未だもって売春婦が異常なまでに多いのがタイの実情でもあります。
逆に、慰安施設を設けなかった為に酷い事態になったのが、ベトナム戦争に参戦した韓国軍です。統制が取れていないことも相まって、兵士達はベトナム人の村を襲っては女性を集団レイプし、事が済めば皆殺しにする暴挙を繰り返しました。
当然ながらベトナム人は韓国を猛烈に恨んでおり、その屈辱を忘れない為の碑が方々に建てられています。勿論、嫌いな国のナンバーワンは韓国です。
韓国政府は歴史捏造で日本に嫌がらせをする前に、まずベトナム国民に謝罪と賠償をする必要があると言えるでしょう。

さて、それでは韓国の軍事力を検討してみましょう。
前述したとおり、韓国と北朝鮮は未だに朝鮮戦争の休戦状態であり、いつ戦闘が再開するかわからない準戦時下にあります。そしてこれも既述のように、北朝鮮の空軍力と海軍力は極めて貧弱です。つまり、韓国が最も重視しなければならないのは陸軍力となり、空海軍力は程々で良いことになります。

ところが、韓国軍の軍備はその論理に従っていません。
韓国空軍はアメリカから購入したF-15Kを40機(一機墜落で残39機)、KF-16を170機保有しています。ちなみに、本来の命名則に従えばKF-16はF-16Kとなるはずですが、韓国を示すKを頭に持ってくることに固執し、変更無くばキャンセルするとまで言いだし、無理矢理名前を変えさせています。私にはよく理解できませんが、それによって自尊心が満足するとのこと。
これら第四世代戦闘機210機だけでも対北朝鮮としては圧倒的な戦力であり、いわゆるオーバーキルの状態です。にもかかわらず、第五世代ステルス戦闘機F-35を60機購入する計画が進んでいます。これも何を考えているのかわかりませんが、要するに日本が買うから自国も買わなければ気が済まない、という事なのでしょう。
ちなみに、日本のF-35購入予定数は42機です。韓国はお金持ちで実に羨ましい限りです。

次に海軍ですが、対北朝鮮にはオーバースペックなイージス艦を3隻保有しており、更にあと3隻の追加調達が計画されています。全く無駄なお金の使い方ですが、これは今現在日本が保有するイージス艦が計6隻であり、対等でなければ気が済まない為だと思われます。
これら3隻は戦術情報処理装置AWS Mk.7、すなわちアメリカのイージスシステムを搭載しています。ただし、対潜システムは売却の許可が出ず、別途フランスから購入したものが装備されています。アメリカ製イージスシステムを搭載しているという事は、計90隻もの米イージス艦とデータリンクで情報共有が出来ますが、同盟国として信用出来ない可能性があるとして米側とのデータリンクが切られたとの情報もあります。
そして韓国のイージス艦は机上のスペックだけで比較すれば、単艦としては世界最強でしょう。しかし、実際は詰め込めるだけ詰め込んだ重武装によって艦の重心が上がって復元性が悪化し、波高3mで真っ直ぐ進めず蛇行する始末であり、外洋どころか荒れた日本海でも転覆の恐れさえあるでしょう。まあ、黄海の沿岸周辺をウロウロしている分には問題ありません。

また、ヘリ空母型の船体を持つ強襲揚陸艦を1隻保有していますが、これは全長199m、満載排水量18800トンであり、韓国にとっては大型艦です。艦名は竹島の韓国名である「独島(ドクト)」と名付けられており、極めて挑発的です。
この艦は致命的な設計上の欠陥があり、レーダー波が甲板に反射する事により、レーダーモニターにありもしない物体が表示されてしまいます。何度も改修が試みられましたが、結局解決されないまま運用に至っています。
そしてヘリコプターを10機搭載して運用出来る仕様にはなっていますが、購入予算が尽きた為に艦載ヘリは未搭載です。韓国が現有しているヘリは防塩処理がされていない為、残念ながら艦上では運用できません。軽空母の形をしていながら、固定翼機もヘリも運用していない情けない状態です。
そして明らかな欠点としては速力が23ノットと遅いことですが、揚陸部隊として兵員700名と戦車10両を積載可能です。このような艦が対北朝鮮に必要とは思えませんから、これもまた日本を仮想敵国とした見栄っ張り装備に分類していいでしょう。

独島といえば、4月26日にソウルにて、アメリカ第七艦隊と韓国海軍の音楽隊が合同音楽祭を開催する事になっていました。その音楽祭で演奏する予定の曲目が「独島はわが領土」という曲であり、両国の音楽隊が一緒に演奏する計画でした。
実にくだらない陰湿な仕掛けですが、前日にそれに気づいたアメリカ側が演奏できないと通告しました。理由は「曲の意味を良く知らなかった」とのこと。もし最後までアメリカが気づかず一緒に演奏していれば、「アメリカが独島をわが領土だと認めた」などと大きく報道するつもりだったのでしょう。
結局のところ、北も南も手段が違うだけで目的は同じなのです。それは国内の諸問題を外部に転嫁し、政治の問題を外敵を作って逸らし、海外から譲歩と支援を引き出す。その為に核ミサイルという恐喝手段を使うか、歴史の捏造手段を使うかだけの違いです。

2012年(平成24年)には韓国近海において、日本、アメリカ、オーストラリア、韓国の海軍が合同演習を実施しました。
一日の演習を終えると一旦港に入って停泊、翌日の訓練に備えるのですが、海自護衛艦にだけは入港許可が出ませんでした。仕方なく海自護衛艦は沖合に残って投錨したのですが、実に陰湿であからさまな嫌がらせです。多国間合同演習ホスト国の行為とは信じられません。

そして最も肝心な陸軍を含む独自装備ですが、これは酷い有様です。空軍と海軍に不要な大金を注ぎ込んでいるのですから、GDPが日本の約1/5の韓国の財布は空っぽです。
予算を議会に通す際、「日本が採用する最新兵器と同等以上でなければ許されない」事もあり、国産兵器の机上スペックは常に一級品ですが、予算は他国同等品の数分の一というバーゲンプライスです。
勿論そんな都合のいい兵器が開発できる筈は無く、戦車はエンジンやトランスミッションが大破して動かなくなり開発が頓挫、速射性能が自慢のはずの自走砲は毎分1発しか撃てない事実が発覚し、水陸両用戦闘車両は水に沈み、ヘリ空母に搭載された近接防御用全自動バルカン砲(CIWS)は自艦甲板上の艦載ヘリを自動攻撃する事が判明する始末です。

韓国を旅行された方ならご存じかと思いますが、東南アジアの発展途上国等にありがちな、首都一極集中の構造です。そして首都ソウルは38度線から約50kmに位置し、北朝鮮が国境線沿いに多数配備している迫撃砲の射程圏内となります。
つまり、高価なミサイルを使って攻撃しなくとも、遙かにコストの低い砲弾の雨を降らせることにより、たちまちソウルを火の海に出来るわけです。
よって首都をもっと南へ遷都するか、ミサイルだけでなく砲弾の迎撃も考慮したイスラエルのアイアンドームのような防御システムが必要となります。
しかし、そのどちらも全く考慮していないようです。

更には海外から調達した戦闘機や潜水艦等の整備がまともに出来ず、いわゆる二個一整備と呼ばれる共食いによって稼働率は下がる一方であり、1機125億円で買ったばかりのF-15Kは基地内を地上滑走移動中にマンホールの蓋が抜けて右主脚が落ち、右主翼が大破。自国では修理出来ず米ボーイングに送られるという珍事まで発生しています。
そしてドイツから購入した潜水艦をコピーする為に分解したところ、元通りに組み立てられなくなってしまうという技術力の高さです。更にはそのドイツ製潜水艦の2倍の排水量を持つ「自称国産潜水艦」を作って海外に売却する計画ですが、潜水艦の技術的ノウハウや製造技術は極めて高度なものであり、そう簡単にコピーはできませんし、ましてや2倍の排水量となると同一船体構造では無理がありすぎます。
失敗すると考えて間違いありません。

上記のように、主敵であるはずの北朝鮮対応を差し置いて不要な装備を拡充している韓国の最大仮想敵国は日本なのでしょう。
そして韓国軍の有事指揮権は在韓米軍にあり、米軍の指示無くしての作戦行動は取れません。この有事指揮権は2015年(平成27年)に韓国軍に返還される予定になっており、少なくともそれまでは勝手な行動は出来ないわけです。
それを無視して日本との全面交戦状態に至るケースをシミュレートすれば、空の戦いにおいては空中警戒管制機(AWACS)を保有・運用する日本が圧倒的に有利であり、日本海の制空権は空自のF-15Jが確保するでしょう。
エアカバーのない状況で韓国イージスが出てきても、F-2戦闘攻撃機の編隊による対艦ミサイル飽和攻撃により、同時迎撃処理能力の限界を超えた韓国イージスは撃沈されると予想されます。また、韓国の対潜哨戒能力は極めて低く、潜水艦による魚雷攻撃も大いに有効でしょう。

そしてこれは独島級強襲揚陸艦が出張ってきても同じ事であり、対艦ミサイル攻撃や魚雷攻撃によって700名の上陸部隊と共に海の藻屑となるでしょう。そもそも日本に勝る規模の陸軍を送り込むことが不可能なわけですから、韓国もまた日本にとっての最大仮想敵国にはならないと結論づけられます。
ただ、韓国は日本が保有していない巡航ミサイルを運用しており、これはロシア製ミサイルの違法コピーだとされています。射程距離1000kmのタイプは東京を射程圏内に収め、1500kmのタイプは中国の東部と、ほぼ日本全土を射程に収めます。
これに関しては要注意ですが、亜音速ミサイルですから迎撃は難しくありません。これに対する態勢を整えておく必要があるでしょう。

実際のところは、竹島を巡る偶発的な局地戦の可能性はゼロではありませんが、韓国が日本に対して全面戦争を仕掛けることは不可能です。もしそんな行動に出れば、そのタイミングに乗じて北朝鮮が戦端を開くでしょう。
そして韓国は石油の精製能力が不足しており、日本から軽油やガソリンを輸入しています。これが途絶えるとなると、シェアは低いまでも影響が出るでしょう。
他国からの輸入に切り替えようにも、韓国国内の規格をクリアする低硫黄分の燃料を精製できるのはアジアでは日本のみです。
日本から軽油を買って韓国へ運ぶわけですから、当然ながら販売価格には輸送費が上乗せされます。それを少しでも安くしようと、距離的に近い九州で買い付けた事がありましたが、韓国と九州では冬の厳しさが全く違います。つまり、九州では凍結防止対策をした「寒冷地軽油」は売られていないのです。結果どうなったかはおわかりになると思います。

そして決定打は、韓国が工業用ガスの殆どを日本からの輸入に頼っている事です。
これが滞れば、国策企業のサムスンを筆頭とする半導体業界が壊滅的打撃を受け、韓国経済は崩壊することになります。
中国がロシアに対して強硬に出られないのも、天然ガスの多くをロシアからの輸入に頼っている為であり、パイプラインを閉鎖されてしまえば、不足分の穴埋めの出来る輸出国は存在せず、中国は干上がってしまいます。
やはり、これらの事例ように、貿易の力が軍事力に勝るケースも多くあると言えます。

ここまでの検討において、どの国も仮想敵国ではあるものの、近未来において日本の存亡に関わる程のケースはありませんでした。よって本稿では中国を最大仮想敵国と規定します。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」の「敵」は中国です。

そして毎度のことではありますが、時は一旦20世紀半ばへと遡ります。
1937年(昭和12年)、北京郊外の盧溝橋で大日本帝国軍と中華民国国民党軍が衝突した盧溝橋事件をトリガーとして、両国は長期的かつ大規模な戦闘状態へと突入します。これが支那事変(日中戦争)ですが、「事変」と呼称されていたのは両国共に宣戦布告を行わなかった為です。その理由として、アメリカ国内法にあった中立法(戦争状態にある外国には軍事支援を行わない)の適用を避ける意図がありました。
大日本帝国側にとっては国際的孤立を避ける意図が、中華民国側にとってはアメリカを含む西欧列強の支援無しには戦闘を継続できないという事情があったわけです。

では、この支那事変(日中戦争)が始まる前の中華民国は平和だったのかといえば、決してそうではありません。列強国に領土を食い荒らされつつ、自らも国内内戦を繰り広げていました。
中華民国の政権を握る国民党の軍隊である国府海軍(海軍)及び国民革命軍(陸軍)と、中国共産党の軍隊である人民解放軍(陸軍)の戦いです。この内戦は支那事変 (日中戦争)の開始によって一旦解消し、国民党と中国共産党は共同して大日本帝国との戦闘を行うこととなります。
この戦いは1941年(昭和16年)になって国民党を率いる蒋介石が宣戦布告をしたことによって事変から戦争へとエスカレートし、大日本帝国はこれを大東亜戦争の一部として戦うことになります。
しかし中華民国側は決して一枚岩ではなく、友軍であるはずの国民革命軍と人民解放軍の間でも散発的な戦闘が行われました。
そして、矢面に立って戦っていたのは主に政権を握る国民党であり、毛沢東率いる中国共産党は大陸奥地に引きながら、ゲリラ戦を行うようになります。

大陸側と太平洋側に戦線を広げすぎた大日本帝国の戦略はさすがに無理があり、長期間に渡ってそれを維持するのは厳しく、対米早期講和のチャンスも見いだせませんでした。
やがてアメリカの圧倒的な物量の前に太平洋戦線は後退を余儀なくされ、末期には数々の玉砕戦が行われ、遂には1945年(昭和20年)の沖縄戦と原爆投下によって降伏、大陸においても満州国の降伏をもって戦闘終結となりました。

決して自力で勝ち取った勝利ではありませんでしたが、中華民国は戦勝国の一員として国連安保理常任理事国の座を得ます。これはドイツ帝国にやられ放題であったフランスと合わせ、「酷い目に遭ったで賞」のようなものでしょう。
そして翌年の1946年(昭和21年)には再び国内内戦が勃発、政権を持つ国民党はアメリカの援助を受け、中国共産党は満州を占領したソ連の援助を受けて戦いましたが、中国共産党はそれに加えて大日本帝国軍から鹵獲した大量の新鋭兵器を使って戦いを優位に進めます。

やがてソ連の対米工作もあり、アメリカ内部に親中国共産党の一派が勢いを増し、国民党への援助は打ち切られてしまいます。
国民党は敗戦を重ねて首都南京が陥落、1949年(昭和24年)には中華民国は実質的に消滅し、蒋介石率いる国民党と軍は台湾島へと敗走、同年10月に中国共産党一党支配による中華人民共和国(以下省略時『中共』)が建国されます。
そして翌年の1950年(昭和25年)には、台湾島へと逃れた蒋介石率いる国民党が台湾国民政府を作り、中華民国を名乗る事となります。

さて、既にお気づきかと思いますが、大変重要な変化が起こっています。
つまり、1949年(昭和24年)を境として、我々が普段何気なく「中国」と呼んでいる国の政府、つまり支配者がすっかり入れ替わってしまっています。
自由主義陣営であるアメリカ・イギリスの支援を受けていた国民党から、共産主義陣営ソ連の援助を受けていた中国共産党へ。これは全くの対極であり、水と油の関係とも言えるでしょう。
そして我々が今現在、大いなる脅威だと警戒している中華人民共和国は、たった63年の歴史しかない国であり、その短期間に力を付けてきた事になります。
そして国連安保理常任理事国の座は、国民党率いる中華民国が大日本帝国と戦って得たものです。よって極端な見方をすれば、その地位は中国共産党率いる中華人民共和国のものでは無く、台湾にこそそれを得る資格があるとも言えます。

さて、中国共産党は決して精強とは言えない陸軍しか持たない組織でしたが、鹵獲した大日本帝国軍の大量の新鋭兵器を用いて国民党軍を打ち破りました。その経験により、彼らは優れた兵器を大量に保有すれば、限りなく領土を広げていけると考えるようになります。
国民党の保有していた近代的な海軍艦艇を鹵獲し、大日本帝国海軍に残された戦闘艦艇及び鹵獲されていたソ連艦艇を戦時賠償として接収し、イギリス・アメリカ・カナダから供与艦艇を取得し、ソ連からは大量の各種兵器援助を受け、建国直後から軍拡へと突っ走り、建国翌年の1950年(昭和25年)には戦闘艦28隻を保有するに至ります。

それではここで、中共の周辺国侵略行為の歴史を見てみましょう。

1948年(昭和23年)から侵攻を開始していたチベットは1951年(昭和26年)には中共が併合し、チベット自治区に。
1949年(昭和24年)には新疆地区への人民解放軍侵攻により東トルキスタンが消滅。
1950年(昭和25年)には台湾領方山群島に上陸作戦を実施、5日間の戦闘で方山群島を奪取。
1954年(昭和29年)には台湾軍が駐屯する大陳島付近の無人島へと上陸、魚雷艇基地や砲撃陣地を建設してこれを占拠。
1954年(昭和29年)に宗主国であったフランスがベトナムから撤退したのを見計らい、まずは西沙諸島の東半分を占領。ベトナム戦争中の1974年(昭和49年)には更に西半分へと侵攻、1988年(昭和63年)の侵攻では遂に西沙諸島全体の占拠に成功。
1959年(昭和34年)から1962年(昭和37年)までの激しい戦闘において、インドのアクサイチン地区を占領。友好国パキスタンを支援しつつ、今なおカシミール地方への侵攻を継続。
1995年(平成7年)にはフィリピンが領有する南沙諸島のミスチーフ礁へ侵攻し、台風期で警戒が手薄になっていたフィリピン側の隙を突いて建造物を構築して占拠に成功。
2004年(平成16年)にはブータン北西部の領土に人民解放軍が侵入、じわじわと侵攻して2006年(平成18年)時点ではブータン国土の約20%を占拠。

抜けがあって全てを網羅できていないかとは思いますが、こうして箇条書きにしてみると、建国直後から方々で侵略行為を繰り返し、武力行使や武力威圧を背景にして領土を広げてきたことがわかります。
建国以来63年という短い歴史は、軍拡と侵略戦争に明け暮れた歴史なのです。そして自ずと、人民解放軍の戦闘経験はそれなりにあるとも言えます。
彼らはこれら一連の領土拡張により、国際社会が軍事介入や経済制裁をして来ない事を確認し、更に自信を深めて覇権主義への道を突き進む事になります。
また、拒否権を持つ国連安保理常任理事国の座にいることが、それを更に助長しているのも事実でしょう。

地図を御確認頂ければわかりますが、中共は世界で最も多くの国境を持つ国です。
モンゴル、ロシア、北朝鮮、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマー、ネパール、ブータン、バングラデシュ、インド、パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン、の16ヵ国と国境を接しています。
そして、海を隔てた隣国として、日本、韓国、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、の7ヵ国があります。
彼らがいつ、どの国に侵攻を開始しても不思議はないわけです。

そしてこれまでは姑息な手段を含め、主に軍事力に劣る国々から領土を奪ってきたわけですが、尖閣諸島を巡る攻防では日本という海洋強国を相手に挑む姿勢を見せています。これは海洋覇権国家としての海軍力が整いつつあり、太平洋への進出を開始しようとしていることの証左でしょう。

では次に、軍隊や兵器の発展がどのようになされてきたかです。
建国当時の中国共産党と人民解放軍にとって一番問題だったのは、空軍と海軍を保有していない(経験がない)事でした。また唯一保有する陸軍も実体はゲリラ軍でしかなく、その戦闘能力は決して高くありませんでした。
それを全面的に支援したのがソ連です。戦闘機や爆撃機、そして艦船や核技術と様々な供与が実施され、人民解放軍は力を付けていきます。両国のイデオロギーの食い違いから一時的に関係が中断することもありましたが、初期の人民解放軍がソ連によって育てられたのは間違いありません。

しかし、中共が力を付けるにつれ、国境を巡る摩擦や対立が深まり、遂に1969年(昭和44年)に武力衝突が勃発します。
極東の両国国境であるウスリー川流域にある小島、ダマンスキー島に上陸した人民解放軍はソ連国境軍(KGB指揮下の武装警備隊:非軍隊)を攻撃、約5000人規模の兵力を投入してのにらみ合いが続きます。
正規軍同士の直接交戦に至る事を避けようとしたソ連は国境軍による排除を試みますが惨敗。最終的には軍を投入してこれを排除します。
しかしそれ以降も多くの国境で衝突が相次ぎ、核を含む中ソ全面戦争の危機にまで発展しました。

中ソの蜜月が明確な終わりを見せると、同じくソ連を仮想敵国とする米中は急速に接近し、1972年(昭和47年)には米中国交正常化を果たします。それまで米国が正当な中国政府と認めていたのは台湾の国民党政府でしたから、この時を境にアメリカは台湾を見捨てたとも言えるでしょう。
その結果として中共が得たものは、アメリカを筆頭とする西側諸国の先端軍事技術です。アメリカのレーダー、ドイツの戦車用パワーパック(エンジンとミッション)、フランスのヘリコプターと対戦車及び対空ミサイル、イタリアの魚雷、等々というようにソ連製兵器と西側兵器・技術が合わさり、軍事力は大きく向上しました。

しかし1989年(昭和64年)に天安門事件が起こり、西側諸国との関係は一旦絶たれます。
これに代わって国境での緊張緩和を目指したソ連との関係が再度深まり、ソ連製(ロシア製)兵器の導入が盛り返します。
この傾向は今も続いているわけですが、中共のやりたい放題な兵器コピーに対してロシアは神経質になっており、以前のような蜜月関係ではありません。
長きに渡って援助各国の兵器コピーを続けていた中共のコピー能力は高くなり、他の国であれば慎重に吟味・検討して進めるところを、「とりあえず作って運用し、ダメなら作り直せばいい」という方針により、コピーを含む兵器の開発速度にも目を見張るものがあります。
そして最近ではロシア極東における中国系移民の急増が問題になっていますが、中共は「極東の中国領150万平方キロが、不平等条約によって帝政ロシアに奪われた」との記述を歴史教科書に記載し始めています。つまりこれは近い将来に奪い取るぞ、との宣言と受け取れます。
かつてソ連の立場は遙かに上だったわけですが、今や中共のGDPは日本を少し上回る世界第2位であり、ロシアのGDPはその約1/4しかありません。軍事技術はともかく、国力の指標である経済のパワーバランスは完全に逆転してしまっています。
つい先日の、新鋭機たるSu-35戦闘機売却やラダ型潜水艦売却の話を考えれば、ロシアはコピーされても仕方無しと諦め、札束で頬を叩かれている状態とも言えます。

さて、こうして見てくると、世界の主流が帝国主義だった時代からタイムスリップしてきたような中共は、決して同じ共産主義陣営であったソ連だけが育てたのではなく、アメリカを筆頭とする西側自由主義陣営各国までもが手を貸してしまった結果として生まれた巨大侵略国家だと言えるでしょう。
そして、自虐史観に基づく土下座外交の一環として巨額のODAを垂れ流し続けている日本もまた同罪であり、中共を押さえ込む為のパワーバランス維持に責任を持たなくてはなりません。

次に、人民解放軍海軍の軍備を見てみましょう。
保有する総艦艇数は約800から900隻とされており、その内訳は、空母1隻、潜水艦69隻、駆逐艦27隻、フリゲート艦47隻、ミサイル艇41隻、哨戒艇170隻、機雷掃海艦艇20隻、揚陸艦70隻、揚陸艇150隻、支援艦その他200から300隻、となります。
これらが海岸線に沿って設けられた極めて多数の基地に配備されており、エリアごとに北側から順に、北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊の3艦隊構成となります。
平時において九州から沖縄、そして尖閣や台湾の海域を管轄するのは東海艦隊であり、約250隻の艦艇が配備されています。

対して、我が海上自衛隊が保有する総艦艇数は約150隻、その内訳は、護衛艦48隻、潜水艦16隻、機雷掃海艇29隻、輸送艦艇13隻、支援艦その他約40隻、となります。

あまりの物量差に唖然としておられる方も多いかと思いますが、これが現実です。
ただし、絶望する必要はありません。現代戦においては数の力が全てではなく、質が重要となります。
まず全体での排水量総トン数を比較すると、人民解放軍海軍は約900隻で約135万トン、海上自衛隊は約150隻で約47万トンとなります。割り算をすれば、1隻あたりの排水量は海自がはるかに上回ります。これは海自の保有艦艇が大型化かつ近代化された構成であり、中共側は老朽艦や小型艦艇が多く含まれる為と考察できます。

そしてまず目に付くのは人民解放軍海軍の潜水艦の多さですが、海自は対潜哨戒任務に就く哨戒機78機と哨戒ヘリ86機を保有・運用しています。これは国際的に見ても断トツの数字であり、その練度・能力も間違いなく一級品です。よって制空権がある限り、敵潜水艦の行動は大きく制限される事になります。
逆に、十分な対潜哨戒能力を持たない人民解放軍に対し、海自の潜水艦は抑止力と戦闘力を大いに発揮できるでしょう。
そして全体規模の割に機雷掃海艇が少なく、極めて高い掃海技術を有する海自に対し、レベルはずっと低いと考えるのが妥当でしょう。よって、いざ劣勢となれば機雷群を敷設して一時後退すれば、かなりの時間稼ぎが出来ると考えられます。

制空権の無い状態、つまりエアカバー無しに海軍艦艇が戦うのは敗北と同義ですから、航空戦力についても少しシミュレートしておく必要があります。
人民解放軍空軍は国産レーダーシステムを搭載した早期警戒管制機 (AWACS)としてKJ-2000を運用していますが、その探知能力は約400km。そして現状ではデータリンク能力を持たず、機上管制員による無線音声で味方機に情報を伝えます。
対して空自の運用するAWACSは改修済みのE-767で、探知能力は約800km。軍用電波通信を用いた「リンク16」というデータリンクシステムにより、F-15J(近代化改修済機)と情報をリアルタイムに共有出来ます。

2倍の遠距離を見通せるE-767は、リンク16と合わせて味方機へより早期から迅速に情報を伝えることが出来、より優位な航空展開を取ることが可能です。
そしてこのリンク16はイージス艦を含む新鋭艦や地上レーダーサイトにも装備されており、地上レーダーサイト・AWACS・F-15J・イージス艦等新鋭艦、の全ての情報を相互にリアルタイムで共有し合い、戦いを進める事になります。
極端な例を挙げると、あたご型イージス艦は計96セルのVLS(垂直発射装置)を装備していますが、仮にその中の全てのミサイルを撃ち尽くしたとしても、僚艦が搭載するミサイルや、F-15Jが搭載するミサイルをコントロールして誘導することも出来ます。つまり、僚艦やF-15Jが次々にピストン輸送でミサイルを運んでくる限り、武器備蓄が尽きるまでイージスはミサイル攻撃を続けることが可能です。
近代化著しい人民解放軍海軍も「中華イージス」と呼ばれる高性能レーダーを装備した防空艦の保有を開始していますが、アメリカの本家イージスシステムの本当の凄さはデータリンクにあり、簡単にコピーできるとは考えにくいでしょう。

そして人民解放軍海軍の特徴として一番注目すべきは、揚陸艦の多さです。
これは建国当初から台湾への軍事侵攻を想定し続けている為で、もし空と海の戦いが劣勢となれば、戦車や兵士を満載した揚陸艦群が海を渡って押し寄せる事になります。
陸自が運用する88式地対艦誘導弾は極めて命中率が高いと評価されており、その射程は約200km。これは車載型の移動式システムですから、海岸線に部隊を展開し、敵艦を迎撃する事になります。
最悪の事態は敵揚陸艦を撃ち漏らし、陸戦兵力の上陸を許す事です。陸自は戦車約700両、装甲車両約1000両、攻撃ヘリ約80機を保有・運用していますが、日本が海洋国家であるのに対し、中共は大陸国家です。陸自の兵器・装備が近代的とは言え、人民解放軍の陸上兵力は約160万、保有する戦車も桁違いの約8500両であり、多少の損耗は致命的とはならず、揚陸艦群のピストン輸送で次々と陸揚げされてはたまりません。
よって日本は何が何でも空と海の戦いを優位に進めなければならず、敵の大規模な本土上陸を許す事は敗北と同義となるでしょう。

今も刻一刻と軍備の近代化・増強を急ピッチで進める人民解放軍。その軍事費は約11兆円と、日本の防衛費4.7兆円の2倍以上であり、毎年1兆円規模で増えています。
そして11兆円という数字は現在の人民解放軍の規模や爆発的な兵器増強速度からすると異常に少ない数字です。よって、実際には公表値の3倍の軍事費が投じられていると推測されています。
中共のGDPは日本を抜いて世界2位に躍り出たとは言え、それほど差があるわけではありませんから、実際の軍事支出はGDP比7%を超える計算になります。共産党による一党独裁支配体制においては軍事費を国民に知らせる義務はありませんから、無限に軍拡を続けられる国家システムだと言えます。

ここまで見てきた数字や検討内容はあくまで現時点におけるものであり、近未来にはパワーバランスが崩れ、軍事的抑止力が低下して侵略を誘発することになります。
それを回避する為には経済を回復させてGDPを増やし、相応の軍備増強を無駄なく行い、パワーバランスを保つ必要があります。その為には多くの国民が国防の現状を知って危機感を持ち、防衛費の増強が必須だと認識する必要があり、アジア地域の平和が危機的状況になりつつある実体を周知する事が重要でしょう。

もう一つ見逃せないのは、国内の敵です。
いざ有事となれば、日本国内に潜入・潜伏している多くの工作員や不法滞在中国人、中国系マフィア組織等が全国で一斉に破壊活動を開始するでしょう。中国人は3代にわたって徹底した反日教育を受けていますから、日本人を殺すことに躊躇はなく、それどころか1人でも多くの日本人を殺すことは当然の責務であり、かつ名誉な事だと考えている事でしょう。
彼らは隠し持っていた拳銃、小銃(ライフル)等で武装し、まず間違いなくRPG(携帯式対戦車ロケット砲)等の強力な火器も国内に持ち込んでいます。

去る4月15日に発生したボストンマラソンテロでは3人が亡くなり、180人以上が負傷しました。
使われた爆弾は圧力鍋を利用した手製のものでしたが、この作り方は2010年からアルカイダ系組織がネット上で配布している「inspire」というWeb雑誌の中の記事で詳しく解説されています。
写真を交えながら実に簡単な英語で書かれており、中学生レベルの英語力があれば十分に理解可能でしょう。全ての材料は容易に入手できるものばかりですし、製作作業も容易で専門知識等は全く必要ありません。日本国内においても作ろうと思えば誰でも作れるものです。
火薬や信管を収納する容器も圧力鍋以外に色々と紹介されており、水道管継ぎ手や消火器、プロパンガスのボンベなど、要はある程度の内部圧力に耐え、限界を超えたときに一気に炸裂すれば威力が増すわけです。
有事のテロや破壊活動には強力な手製爆弾が多数使用される事も覚悟した方がいいでしょう。

彼らの優先ターゲットはインフラであり、原子力発電所・火力発電所・変電所・石油コンビナート・ガスタンク・ダム・水源・空港・湾港等、襲撃やテロ行為が想定される施設は非常に数多くあります。
先の東日本大震災においては福島第一原発が事故を起こし、冷却手段を失った原子炉内に収められた燃料棒被覆管のジルコニウム合金が高温になり、一次冷却水の水蒸気と反応して水素が大量発生、建屋内にたまって水素爆発を起こす事態となりました。
これにより、国家的大惨事たる原発事故を引き起こすには爆撃もミサイルも必要なく、鉄塔の破壊等で外部からの送電経路を遮断し、バックアップ用のディーゼル発電機を壊せばいいだけだと証明されてしまいました。

これらターゲットとなり得る多くのインフラ設備を厳重に警備しなければなりませんが、長大な海岸線での警備・迎撃と合わせて陸上自衛隊の任務となるでしょう。
ただし、とてもではありませんが約15万人の陸自だけでは足りず、約30万人を擁する警察組織も応援にかり出される可能性は大です。
そして警察官配備が手薄になった都市部では、より一層の混乱を引き起こす目的を達する為の、銃器による民間人無差別虐殺が始まります。まさに日本国内は戦場と化すわけです。未だに貧弱なニューナンブ銃が主流装備の警察官では優位を保つことは難しいでしょう。
戦場においては戦いが起こればどちらかが負け、使っていた銃器が残されます。それら持ち主を失った銃器を鹵獲して使うのは常套手段であり、ゲリラ戦ともなれば尚更です。

しかしながら、日本国民の多くは銃器の取り扱いが出来ない為、目の前に拳銃が転がっていても自分を守る事すら出来ません。
これは徴兵制もなく、厳しい銃刀法によって銃器を触ったこともない国民が大部分を占める為ですが、有事下においては日本のアキレス腱となり得ます。現行の銃刀法は元を辿れば、GHQ占領下において「軍国主義を排除する為」と称して施行された「銃砲等所持禁止令」に行き着きます。
戦前においても銃器の所持規制はありましたが、登録制での所持は認められていました。勿論、銃器の厳しい規制によって現代日本の治安が高められている事は事実であり、それはアメリカで頻発する乱射事件等を見ても明らかです。
しかし、銃刀法による所持規制は現行のままでいいとしても、政府はいざという時の為、成人国民の射撃訓練実施を義務化すべきです。とは言っても実現するかどうかは怪しいところであり、今のところは自分の身を守りたければ、個人が海外で射撃訓練を実施する以外にありません。

さて、2007年(平成19年)8月に米太平洋軍司令官が中共軍事当局者と会談した際、中共側は太平洋を東西に分割し、東側をアメリカ、西側を中国が管理することを提案しました。管理とは支配の意味でしょう。
当然ながらアメリカ側は拒否しましたが、中共側は真剣に太平洋に狙いを定めているわけです。
その野望を実現する為には、是が非でも強大な空母戦力を保有する必要があります。空母の存在意義には二通りが考えられ、一つは本土と離れた飛び地や同盟国の防衛、もう一つは他国への侵略行為ですが、中共の目的は間違いなく後者でしょう。
そして2012年(平成24年)9月にはその第一歩とも言える、初の空母「遼寧(りょうねい)」が就役しました。

航空機技術の急速な発展に伴い、それを海上において運用する為の空母が実戦に投入されたのは第二次世界大戦及び大東亜戦争からですが、空母戦力同士の戦いを初めて行ったのは日本とアメリカです。しかし、そこに至るまでには数々の試行錯誤があり、様々な工夫の積み重ねでようやく使い物になったのがそのタイミングであったわけです。

まず、艦載機は陸上の滑走路とは比べものにならない程短い飛行甲板から発艦しなければなりません。
翼が生み出す揚力を稼ぐ為、空母は進路を風上に取って全速力で航行します。これは対気速度を稼ぐ為ですが、多くの場合、空母には30ノット(約55km/h)以上の速力が要求されました。例えば風速10mの気象条件なら、艦の速力30ノットと合わせて約90km/hの対気速度が得られます。
そして、着艦時には航空機後尾の着艦フックを降ろし、飛行甲板後部に張られた3から4本程度の着艦ワイヤー(アレスティングワイヤー)にフックを引っかけ、強引に急制動をかけるという荒技が用いられます。まさに熟練の操縦技術が要求されるわけです。
更にはワイヤーを引っかけ損なった場合には即時に加速して再び空へと戻らなければなりませんから(Touch and go)、ワイヤーを捉えた事が確認出来るまでエンジンのスロットルは開いたままです。
そして、これら発着艦の基本は今も変わりません。

特に着艦はかなり強引な荒技ですから、着艦フックや主脚(滑走輪)にかかる負担は大きく、自ずと機体各部の補強が必要となります。よって艦載機の重量は増加し、陸上基地運用機よりも性能や航続距離が犠牲になります。
大東亜戦争緒戦において無敵を誇った零戦の正式名称は「零式艦上戦闘機」です。この名称が示すように零戦は艦載機でありながら高い性能と2200kmに及ぶ長大な航続距離を誇った為、陸上基地でも運用されました。よって小説や映画の特攻隊離陸シーン等にもよく登場するわけです。
また、自衛隊の兵器でも度々見かける「○○式」という名称は、制式採用された年の下二桁を使います。零戦は皇紀2600年(西暦1940年)に制式採用されたため、この名前が付いています。また、当時の陸軍戦闘機では隼が有名ですが、これは皇紀2601年(西暦1941年)に採用された為、正式名称は一式戦闘機となります。
戦後においては皇紀ではなく西暦の下二桁を使います。

第二次世界大戦ヨーロッパ戦線の終結以降、ドイツ帝国が開発した世界初のジェット戦闘機、メッサーシュミットMe262の技術が戦勝国によって接収され、時代はレシプロプロペラ機からジェット機へと急速に変遷していきます。
これにより航空機の大型化と重量化、超音速化に伴う後退翼化が進み、空母からの発艦はますます難しいものになりました。
対処法として現代でも多く使われるのが、飛行甲板の先端を上方に反らせた、いわゆる「スキージャンプ式」です。勿論効果はありますが万全ではなく、出来るだけ短距離で離陸できるように工夫した艦載機を用いたり、重武装を制限する等の対応も必要です。

そしてスキージャンプ式よりも優れているのが、米空母で採用されているカタパルト式の発艦です。大東亜戦争当時には戦艦大和を含む各国艦船に小型で簡易な火薬式カタパルトが装備されていましたが、アメリカは色々と苦心して挑んでおり、終戦直後に就役した空母「ミッドウェー」は油圧式のカタパルトを装備していました。
当時はまだプロペラ機の時代ですから、通常は滑走発艦です。しかし、無風状態の時にはカタパルト発艦を用いました。
今現在10隻のミニッツ級原子力空母を運用しているアメリカですが、採用されているのは蒸気カタパルトです。勿論、スキージャンプ式のようにシビアな運用機の制限はありません。
C-13-1及びC-13-2カタパルトは駆動全長94m、重量35トンの機体を2.5秒で296km/hまで加速させ、一気に押し出します。射出動作は30秒ごとに可能です。
蒸気カタパルトを最初に開発したのはイギリスですが、現在においては様々な改良が加えられたノウハウの固まりであり、アメリカ以外が作るのは難しく、限られた国が少数のみ保有する他の空母は全て発艦能力に劣るスキージャンプ式です。
唯一の例外はフランスが保有する原子力空母「シャルル・ドゴール」ですが、装備しているのはアメリカ製のC-13-3カタパルトです。
現在着々と建造が進んでいるアメリカの次世代原子力空母「フォード」には、電磁カタパルトが装備される予定です。

遡れば、中共の空母保有への準備は約30年前から始まっていました。
オーストラリアは1949年(昭和24年)にイギリスの空母「マジェスティック」を購入し、「メルボルン」に艦名を変えて保有していました。そのメルボルンが退役した後、1985年(昭和60年)に中共がスクラップ用途で取得しました。
その際に武装や電子機器は撤去されていましたが、BH-3型蒸気カタパルトや航空機エレベータ等の航空機発着艦に関する重要部位は残されたままでした。何故そのような不用意な事になったのかは、当時の豪政府が反米労働党のホーク政府であり、親中派のラッド前首相が外交官であったこと等が影響していたと思われます。
この艦が最終的にスクラップ処理されたのは2002年(平成14年)であり、中共は重要部位を徹底的に調べ尽くしたと考えるのが妥当でしょう。ただし、それは1950年代の古い技術ではあります。

1996年(平成8年)には、ロシアが維持コストを確保出来ない為に除籍した空母「キエフ」(1975年就航)を中共の民間企業が購入し、テーマパークとして活用されました。
また、1995年(平成7年)に韓国民間企業が購入した除籍済み空母「ミンクス」(1978年就航)は、その後中共民間企業の手に渡り、これもテーマパークとして使われています。
これら2隻のロシア空母についても、まずは残された装備や艦の仕組みを調べた後にテーマパークに活用したと推測されます。

現在ロシアが保有する空母は「アドミラル・クズネツォフ」1隻のみですが、その2番艦としてソ連時代に建造が進められたのが「ワリャーグ(ヴァリャーグ)」です。
しかし、1991年(平成3年)のソ連崩壊により、船体は100%、機関が70%完成した状態で建造が中断します。
そしてソ連の大型艦を建造していた黒海造船工場はウクライナの所有となり、ワリャーグが売りに出されます。1998年(平成10年)になってマカオの中国系民間企業が海上カジノに転用するとして購入しますが、その価格はわずか2000万ドルでした。
ロシアとアメリカは、ウクライナに対して空母として再利用できないように処理することを要求。各種機器の撤去及び主機である蒸気タービンエンジンの破壊、ないしは撤去が行われたとされています。

それまでにスクラップやテーマパーク転用用途として購入した退役空母に比べて設計が比較的新しいこと、全長305m、満載排水量67000トンと大型艦であることなどから、国際社会は中共が空母として利用する目的で購入したのではないかとの見方をしますが、中共は「空母としての使用はあり得ない。憶測に基づく勝手な発言は慎むべき」と強くそれを否定します。
しかし、その言は全くの嘘でした。ワリャーグは2002年(平成14年)に大連港に入港しますが、輸入申請書類に不備があったとして中国共産党が没収。後には購入者であるマカオの中国系民間企業は、人民解放軍の退役軍人がオーナーのペーパーカンパニーであったことが発覚します。全ては初めから仕組まれ、企まれていた計画だったのです。

中共は2011年までかかってワリャーグを復元、未完成部分の建造を完了しますが、大きな問題が3つありました。
一つ目は主機、すなわちエンジンです。
これはオリジナルと同等の性能を持つ蒸気タービン機関の製造が中国では不可能であり、諸外国からの協力も得られませんでした。推測では性能の劣る蒸気タービンを積んだ、とする説と、商用船用のディーゼルエンジンを積んだ、とする説があります。
中共が情報を開示しませんから真相は不明ですが、いずれにせよ、速力はオリジナルの30ノットから大きく劣り、20ノット前後ではないかと想定されています。

二つ目の問題は着艦ワイヤーの調達です。
着艦ワイヤーには大きな負荷がかかる為、しなやかさと強靱性の両方が求められ、製造には特殊なノウハウが必要です。
中共はロシアから購入しようと打診しましたが、当然ながらロシアはそれを拒否。入手ルートが見つからず難航していたのですが、何故かそれを突然に装備します。
これも諸説あるのですが、最も可能性の高いのは、スウェーデンの特殊鋼企業に勤務していたウクライナ人を経由して技術を盗んだ、という説だと思われます。

そして三番目の問題は艦載機です。
これは上述のように、着艦フックを装備し、各部を強化した艦上機が必要であり、通常の陸上基地運用機は使えません。中共はロシアが保有・運用するSu-33艦上戦闘機の購入を希望しますが、ロシアはこれを拒否。結局はウクライナが保有していたSu-33の試作機を入手してコピーし、国産機J-15として完成させます。
ソ連崩壊以降の兵器取得にはやたらとウクライナが出てくるのですが、両国は航空機技術に関する協力協定を結んでおり、中共が新たに完成させた大型輸送機Y-20にしても、ソ連系の輸送機に酷似しています。
また、非合法な取引も確認されており、射程3000kmの核弾頭搭載可能な空中発射巡航ミサイルKh-55SMや、戦略爆撃機Tu-95MSも中共の手に渡っています。ロシアとは違い、ウクライナは札束さえ積まれれば協力を惜しまないのでしょう。

こうしてソ連が起工した1985年(昭和60年)から26年間の時を経て完成したワリャーグは遼寧と改名されます。そして、その搭載機器は海外各国からのコピー品オンパレードです。
三次元対空レーダーはロシア製Fregatのコピー、平面フェイズドアレイレーダーはウクライナからの技術コピー、船尾に備え付けられた着艦誘導装置はアメリカが運用するSPN-46のコピー、短距離対空ミサイルはアメリカのRAM21のコピー、CIWS(近接防御火器システム)はアメリカ及び西側が広く採用しているゴールキーパーのコピー、対潜ロケットはロシア海軍からのコピー。
船体はソ連製ですし、艦載機もロシア機コピーですから、まさに全身コピーの固まりであり、そのコピー技術は侮りがたしといったところでしょうか。

最大の注目点だったのは、スキージャンプ式+20ノットの速力ではたして発艦出来るのかどうか、スウェーデン技術コピー品の着艦ワイヤーで無事着艦出来るかでした。
発艦出来ずに失速して海に落ちるだろうとか、着艦ワイヤーが切れて事故を起こすだろうとか、様々な憶測がありました。
しかし、2012年(平成24年)9月に人民軍解放軍海軍に引き渡された遼寧は、同年10月に試験飛行を行い、発艦、着艦共に成功させています。公開された動画を見ても見事にスムーズな動きでした。また、飛行甲板上の誘導員はロシア式ではなくアメリカ式の動きをしていましたから、お手本としているのは米軍の空母運用だと思われます。
予てより地上に空母の飛行甲板を模した建造物のあることが衛星写真で確認されていましたから、かなりの訓練を積んでいたのでしょう。
ただし、公開された動画や画像を見る限りはミサイル等の兵装は装備していませんし、燃料も必要最小限しか積んでいないかも知れません。つまり、精一杯軽くした状態の可能性が否定できず、もしそうならば作戦空域は限定されますし、攻撃兵器も搭載できないケースが想定でき、実情は張り子の虎なのかもしれません。

いずれにせよ、中共は念願の空母を執念で手に入れた事になり、様々な技術を会得する為の練習艦、試験艦としては機能するでしょう。また、姿を見せてフィリピンやベトナムに脅しをかける程度には十分です。
そして、中共は国産開発の空母4隻を2020年(平成32年)を目処に建造・運用するとしており、2隻は原子力推進、残る2隻は通常動力推進だとされています。原子力推進は難易度が高いですが、中共は原子力潜水艦を運用していますし、未完に終わったソ連の原子力空母「ウリヤノフスク」の設計図面を入手済みとされており、コピー技術の高さで克服する可能性もあります。
また、アメリカがサイバー攻撃を受けて次世代の電磁カタパルト技術が流出した事案があり、それが中共の手に渡っている確率は高いとされています。もしかすると、蒸気カタパルトを飛び越して一気に電磁カタパルトを装備してくるかも知れません。

上記のことから、遼寧が今すぐ日本の脅威になるとは判断できませんが、近未来に4隻もの空母を追加配備するとすれば、作戦・整備・訓練のローテーションを回しても常時戦力が確保出来、大きな脅威となり得ます。
それに対し、識者の中にも「日本も空母を保有すべき」との意見が散見されます。確かに同一種類の兵器を持てばダイレクトにパワーバランスが保てますし、アジア地域に派遣して牽制する事も可能となります。
ですが、かつての大東亜戦争において帝国海軍は多くの空母を運用していましたが、今はその運用ノウハウは完全に失われています。また現在の海自にはジェット戦闘機の運用能力はありません。
しかし、諸々のことはアメリカに頼ると仮定して、まずは簡単にその見積もりをしてみましょう。中共の軍事侵攻を牽制しうる力にならなければ意味がありませんから、お手本はアメリカの空母打撃群とします。

まず、空母本体が5000億円、艦載機が1機100億円として80機で8000億円、防空艦として随伴するイージス艦が3隻で4500億円、海中を随伴する潜水艦が800億円、随伴補給艦1隻が500億円、総乗員約7000人の人件費が700億円、とすれば計1兆9500億円となります。
そしてローテーションを回して常時戦力を確保する為に最低3セット必要ですから、総計約6兆円の初期費用がかかります。また、建造後の運用費用だけでも毎年1200億円以上はは覚悟すべきでしょう。
現在の防衛費が約4.7兆円、そのうち海自の予算は約1兆円ですから、これはかなり無理があります。
しかしながら戦前の軍拡期においては軍事予算はGDPの30%前後でしたし、史上最大の戦艦大和の建造には当時の国家予算の3%がつぎ込まれ、同型艦である武蔵、信濃(空母に設計変更)と合わせ3隻で国家予算の9%を消費しているわけですから、なりふり構わなければ不可能ではありません。
ただし、そうなると我々は今の生活水準を保つ事は出来ないでしょう。

よって私見としては、近々にアメリカ並みの正規空母を保有する事は得策ではないと判断します。
中共に対してパワーバランスを保つ為の現実的代案としては、やはり潜水艦戦力の増強(40から50隻体制)、開発中の超音速対艦ミサイルASM-3(最大速度マッハ5)の早期配備、ヘリ空母増強による対潜哨戒能力の向上、イージス艦の増強(2隻追加で計8隻体制)、新鋭汎用護衛艦の増強、中国本土を射程に収める長距離超音速巡航ミサイルの新規開発・配備、等になると考えます。
それに加え、アジア太平洋地域の国々と連携し、エリア全体で中共を押さえ込む必要があります。
上記の事すら出来なければ、2020年以降に本格的な侵略を受ける可能性が大いに高まります。

かつてABCD包囲網で経済封鎖され、最後通牒たるハルノートを突きつけられたとき、日本は大きな選択を迫られました。
戦わずして敗北し奴隷となるか、戦って活路を見いだすかの二択です。日本は緒戦の約1年半は優位に戦いを進めましたが、その後は開戦前の予測通り、約30倍の国力を持つアメリカに押されて敗退を続けました。
絶望的な状況下において、たとえ敗北したとしても、いつの日か日本は必ず復活して豊かな国になる。多くの兵士達が、そう信じて尊い命を捧げました。
そして、今私たちが暮らす現代の日本は、彼らが夢見た未来であることを忘れてはなりません。
(2013年5月3日記)
*******************************************************

黒井執斗様、お忙しい中いつも御執筆下さり本当に有難うございます。

最後までご覧いただいた皆様、誠に有難うございました。
黒井様への暖かい応援のコメントもお待ちしております。





一人でも多くの方に「戦後レジーム脱却」の重要性を訴えるために、“拍手”と“人気ブログランキング”をそれぞれクリック願います。

人気ブログランキングへ

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

戦後レジーム脱却サポーターズ

Author:戦後レジーム脱却サポーターズ


【さらば戦後体制】
現在の日本を取り巻く諸問題の根幹とは「戦後体制」すなわち自虐史観(東京裁判史観)を下敷きとした敗戦国体制にあると考えます。当会の活動理念は
『戦後体制からの脱却』です!

会員様随時募集中!

入会資格
当会の趣旨に賛同下さる方はどなたでもご入会いただけます。
入会金・年会費等
一切無料
入会方法
下段メールフォームに
①名前欄
お名前をご記入下さい。
ハンドルネーム(仮名)でも結構です。
②メール欄
メールアドレスをご記入下さい。
フリーメールアドレスでも結構です。
(パソコンからのメールを受信できるアドレス)
③件名欄
「入会希望」とご記入下さい。
④本文欄
お住まいの地域をご記入下さい。
(都道府県のみでも結構です)
以上をご記入の上、送信願います。
(一週間以内に「会員登録完了のお知らせ」が届きます)

詳しくはURLをクリック↓ http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-5.html

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー(月別)

06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

最新記事

カテゴリ

未分類 (3)
当会からのお知らせ (6)
オススメ記事 (11)
活動 (39)
告知 (12)
ニュース・新聞記事 (2)
動画 (1)
紹介 (2)

最新トラックバック

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。